WEローンチイベントDAY1:民主主義編

毎日暑いですね…

ここ最近は、この日本で未来を考えると行き詰まる/息詰まることが多かったのですが、昨日のこのトークイベントを聞いて久々に少し希望を感じました!ので、忘れないうちに内容と考えたことをメモしておこうと思います。

2022年秋に正式ローンチ予定の「WE」という新組織のローンチイベント。
昨日は、8/8〜11まで4日間連続で行われるトークのDAY1:民主主義編でした。

【スピーカー】
・石山 アンジュ
一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事
一般社団法人Public Meets Innovation代表
・田口 一成 
株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役社長
・田中 俊 
構想日本プロジェクトマネージャー
・林 篤志 
社会彫刻家、Next Commons Lab ファウンダー

2020年世界を襲ったパンデミックをきっかけに、これまでの社会システムの綻びが露呈してきたが「新しい社会をつくるために、”共通善”を持った新しい市民が必要である」
WE発起人 熊野英介/WE立ち上げ宣言より抜粋

本イベントでは、視聴者がZoomでトークを聞きながらDiscord上で自由に発言できるようになっていて、DAY1では、主に以下4つのことが話題に上がりました。

  1. 民主主義とは?(最適な決議方法とは)

  2. 合理的であること―合意をとること

  3. 意識の修行

  4. DAO(分散型自律組織)と未来

1.民主主義とは(最適な決議方法とは)
そもそも民主主義とは西洋の流れを組んだものであり、東洋的な民主主義を問い直す必要性があるのではないか?という指摘がありました。

西洋的:自分―他者は切り離されている存在
東洋的:自分は全体のなかの一部に内包されている存在

・アジェンダごとに決議方法を決めていいのでは?
養子家族の例)
多数決は取らないで対話をずっと続ける=答えが出ない状態で過ごす
→時間とともに何となく解が形成されていく

地球規模の問題)
温暖化を始めとする地球規模で取り組まなければならない問題は、そもそも民主主義的決議が難しい。今回のパンデミックで、科学や数値化、データ化できることがすべて解決するのだ、という幻想は消え去った。

熟議の最適体制)
実践上、4人(自分+3人)が最適だった。ロビン・ダンバーの研究によると、人間が仲間として認知できる人数は100人まで。
→人間は経験でしか受け取れない部分がある生き物。
 「身体性」を伴うことができる環境であるか?はとても大事な視点

2.合理的であること―合意をとること
民主主義とは感情的なもの・思想的なものであって、実はなにかを決めていないことが多いという指摘がありました。

数の力は強力で合意をつくるように動きかねない。夫婦別姓やワクチン接種など、どれだけ数値が正しくて説得力のあるものでも、感情的・思想的にOKではないゆえに、合意が難しいときがある。

3.意識の修行
人間はこれまでシステムのアップデートに力を注いできたが、システムを用いる人間側のアップデートは行って来なかった、という指摘がありました。

神(宗教)もシステムも完璧ではない時代に、人間のアップデートを行うための「意識の修行」をする機会が少ない。「意識の修行」は、対話をすることかもしれない。

4.
DAO(分散型自律組織)*と未来
これまでコミュニティーは、長く・大きくすることを目標としてきたが、それを手放すことが大事ではないか、という指摘がありました。

WEでは、DAO(分散型自立組織)の形態を目指しているが、DAOも完璧ではない。DAO含め、どのような未来を描くことができるだろうか…?

田中さん)ローカルの課題解決=自治会のあり方については、DAOに期待している。これまでクローズドだった会議がオープンになっていくこと、また若者たちが逃げるのではなく集まってくる組織になるといい。

田口さん)「地球同期」という言葉が気に入っている。いま、地球に生きているひとたちは、みんな同期。地球規模の問題は、地球同期で乗り越えよう。

石山さん)循環と調和―東洋思想をベースとした民主主義のOSのアップデート。数という概念を溶かしていくこと、正義を手放すこと、人間を過信しすぎないこと。

◎DAY1:感想、考えたことなど
まずDiscordのチャット欄がとても活発で、スピーカーだけではなく、参加者が同じ時間軸にいることを体感できたこと、同じような考えを持った人がこんなにもいることに、少し鳥肌が立ちました。

また、オンラインでもひとつひとつの声を拾い上げていく手法として、discord(チャット機能)が果たす役割をふんわりと考えていました。複数人が書き込み中という表示や書き込みスピードなど、チャットにも実際のトークのように良いリズムが生まれてたなぁ、と。

熟議をする際に身体性を伴える人数の範囲であるか、という話が出たけれど、「グルーヴ感」を感じられるかということに繋がっている気がしました。

私は芸術、スポーツなどは、異なる価値観を持つ人間同士が一歩お互いに歩み寄れるものになりうると信じていますが、特にVRやARなど現実世界が複数化していくなかで、「身体性を伴えるコミュニケーション」「体験を経験化できる取組」についてITが果たせる役割は大きいのではないかなと思います。

特に人間は偏見を持ってしまったり、気分によって判断のばらつきがあったり、人間同士の対話によってすべてを決めていたら、判断に偏りが出てきます。

ただそれらの偏りを出さずに、システムが一律に判断しようとすると、まずは人間の判断プロセスを数値化/データ化する必要が出てきます。

人間のよろしくないバイアスがかかってしまう判断にはシステムがうまく介入できればいいのですが、トークでも出たように私たちはすでにシステムの中に組み込まれて疲弊してきています。

個人的に、とりあえずいま考えたいこと↓

・システム化される人間と、システム化からはみ出る人間性
・東洋思想をベースとした民主主義とは
・人間の思想を横に置いて対話できる環境づくり
・芸術やクリエイティブ分野での制作過程の合意形成のDAO化の可能性

さてさて、、
今日はこれからDAY2!たのしみです!






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