頬粘膜がん 132日目 ライ麦パンに掴まった


 頬粘膜癌、132日目。

 血圧 121-85 mmHg
 血糖 128 mg/dL (朝食前)
 酸素 99 %
 脈拍 72 拍/分
 体温 36.7 ℃
 体重 76.9 kg


 ライ麦ってのは麦の一種だとは思うがどんな麦なのかは知らない。
 僕が知っているライ麦は”ライ麦畑で捕まえて”ぐらいだ。サリンジャーという作家の名作と言われる小説のタイトルだ。これは文庫本を持っていて、いつも学校へ行くときに鞄に忍ばせていたのだが実は読んだ事はなかった。今まで読んだことがない。確か最初の方を10頁くらいは読んだかもしれない。酷い話だが、ファッションとして本を持っていたという恥ずかしい話でもある。なんとなく、”ライ麦畑で捕まえて”を持ってるのが格好いいと思っていたんだね。当時の僕は。
 で、実際は小説とは全然関係のない話なんだが、ライ麦パンってのを食べてみた。
 カフェオレと一緒に楽しんでみたわけである。

ライ麦パン

 実は昨日はたこ焼きというものにチャレンジしてみたりしている。いろいろ食べられるものは無いかと冒険しているわけだ。ふと食べてみたいと感じたものを覚えておいて、売店で売っているようなものであれば試してみるみたいな感じで。

 たこ焼きは売店でちらっと見かけて、そういえばソースが絡まったたこ焼きって美味しそうだなあと思い、衝動買いした。もともと粉もんは好きである。たこ焼きもお好みも大好きだ。
 で、実際の所はたこやきは、ソースの味が実はよく分からなくてあまり味がしなかった。分かったんのは辛子マヨネーズの辛子の風味が口に浸みたのと、たこの感触。もちろん生地の感じなんかは分かるので食感は楽しい。でも味は今ひとつしなかった。

 ちょっと敗北感である。

 で、今日はライ麦パンにチャレンジしてみた訳です。なぜライ麦パンなんか。それはそこにライ麦パンがあったから。病院の売店は日によって入るパン屋さんが違ったりしてバリエーションに工夫されているのかな。地元のちょっと有名なパン屋さんの商品がならんだりもする。

 ライ麦パンもその一つらしい。


 もともとそんなにパン食ではないんだけれど、クルミのパンだとかレーズンパンなんてのは嫌いではない。きっとライ麦パンも美味しかろうと思って買ってみた。そして食べてみた。
 いままであまり考えていなかったが、もしかしてパンってのは盲点だったかもしれない。少なくともライ麦パンは結構美味しかった。もそもそとした食感も含めて美味しかったのだ。このパンのもそもそ感ときっとライ麦っぽい香り、ついでに全体的にほのしょっぱい感じ(これは僕の味覚障害から来る塩味なんだろうけど)。全体的に控えめな塩味の麦の香りがするパンはちょっと美味しく感じられた。

 また、食べてみてもいいかなと思わせるものがある。これはリピートするかもしれない。美味しいと感じる食べ物は貴重なのだ。

 こうして、今日も美味しいを求めての旅は続いているんだが、栄養指導をお願いしてあった指導日が今日で午後から30分ほどいろいろお話を聞かせていただいた。なんせ、僕が入院している間に世の中は随分かわってしまって卵の価格は高騰しているらしい。これは退院してからスーパーに行くのが楽しみになってきたぞ。

 今回の栄養指導の目的は、退院後の食事についてのアドバイスみたいなおのがいただければという事である。一応、なんとか食事ができる状態での放射能治療の完了だったので食という事で言えばある程度食べられるという判断で退院させていただけるらしい。これが口から全然食べられないと退院は伸びてしまう。

 そういういいでは頑張った甲斐があったというものだ。
 いろいろお話をうかがって、まぁあまり気張らず気楽に行くことができそうである。
 これもあらかじめ聞けておいて良かった。
 なんせ、自分の中でのテーマは、適度な運動によって大腿部と体幹を鍛えるとともに心肺機能を強化すること。血行の促進を図ること。余分なストレスをため込まず、楽しんでご飯を食べる(これは僕が食べる事が好きだからって意味で)事なのだ。

 まずはこの3つが達成できるように、やんわり行こうと思っている。
 それよりも問題なのは、さっきからやってきているこの眠気であるw
 ぼちぼち寝なさいという事なんだろう。

 うやむやな最期になってしまったが、脳みそがダウンしているので今日はここまで。

 今日もいい1日であった。

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