頬粘膜がん 331日目 思い込みマニア珈琲倶楽部


 頬粘膜癌 331日目。

 血圧 111-78 mmHg
 血糖 - mg/dL (朝食前)
 酸素 99 %
 脈拍 72 拍/分
 体温 36.5 ℃
 体重 70.2 kg

 毎朝、コーヒーをドリップして水筒に詰めて仕事に行く。

 退院してすぐは味覚障害があったので正直に言うとコーヒーの味が全然わからなかった。
 ・・・・・・全然は言い過ぎではあるが、もともとの自分の淹れてたコーヒーの味が100%だとしたら、50%も味がわからないってイメージだったと思う。半分はコーヒーの味みたいなもの、がしているのでいいっちゃいいんだが、コレじゃない感ってのが半端なかった。
 今は、まぁ元にくらべて90%ぐらいの感じかなぁとは思う。ほぼ、戻ってきていると感じるがイマイチ自信が無いってぐらいの感じだ。

そもそも、コーヒーの味云々って言ったって、それは数値化できるものでもないし、”それって、あなたの個人的な感想でしょ?”である。まったく、その通り。

 この豆が旨いとか、どこの店の焙煎がいいとか、飲み比べたらどうなん?レベルの話なのだがそれが面白いのである。


 違いが分かる男ってのは、”違いを思い込むことができる”才能がある男の事だ。


 コレ旨い! って感想を、自分の感性として自分で納得する能力がコーヒーマニアには必用だ。マニアじゃないならそんなものはいらない。

 僕はマニアだったのでw、そこらへんはかなりの勢いで思い込んでいた。まぁだいたい3年とか4年ぐらい、あーでもない、こーでもない、ってやっきてようやく、自分にとって旨いコーヒーってこんな感じかな?みたいな麩に気になってきていたところだった。


 コーヒー飲んでフルーティとか、意味わかんねぇって最初の頃は思ってたわけだ。フローラルとか香水じゃねぇわw みたいな。

 ナッツのフレーバーがしてアーシーとか、何それ? である。


 それが去年の入院前ぐらいの時には、自分で生豆を焙煎して中浅煎りぐらいで仕上げたものがどうやら個人的には好みっぽいとか、やや浅めの焙煎のものをじっくりドリップしたものの方がさぁっと落とすよりも好きかもなぁみたいな感じだった。

 自家焙煎のお店の豆を購入するときも、比較的浅煎りのものとか、アナエロのヤツとかを好んで買って、飲み比べたりしていた。


 いっぱしのコーヒーマニア気取りであるw


 で、退院したら味が全然というか、かなり判んなくなってしまって、美味しいんだか美味しくないんだかで言えば、ご飯だってなんだって美味しいんだけれど、以前の感じとはかなり違うってレベルだったので自分の味覚についてかなり自信を失っていたと言うのが正直な所だ。

 似たような部分でいうと聴力についても自信なしである。両耳ともに常に耳鳴りがしている(特に左)し、高音域の音は聞こえないと聞こえにくい感じになっている。年齢のせいでモスキート音はすでに聞こえなくなっていたが、一般的に言われる可聴域は聞こえてた筈だが、今はそれが失われているのでちょっと自信は無しである。そこそこは聞こえているから日常生活上では全然困らないけどね。


 そんなわけで、味覚に自信がなくなっていたのでコーヒーの味もイマイチわかんなくなっていて、自分での焙煎は辞めてしまっていた。

 ここ1ヶ月くらいか、ようやく少しコーヒーの味がちゃんと分かるかなぁと思えるようになってきた。購入してきた焙煎豆の特徴と思われるものが感じられるような気がする。安い豆は安い豆なり、そこそこの豆はちゃんとそこそこの味に感じられるようだ。


 思い込みでちゃんと味の違いが判るような気がする・・・・・・で、ある。


 頂き物の、コーヒー豆が凄く美味しかったのだ。

 暑かった今年の夏の間、ドン・キホーテで回転の良さそうな(新鮮である可能性がやや高い)、安めの豆を買ってアイスコーヒーにして職場に持っていってたんだが、この1ヶ月ぐらい前はちょっと高めの豆を使ったアイスコーヒーにしていた。それが終わって、またやや安めの豆に変えてみた。

 ちゃんと、高級な豆の方が旨かったのである。先週からのヤツはちょっと雑味が多い。おいおい”雑味”とか言っちゃってるよ。コレがマニアもどきの思い込み感覚ってヤツである。これがなければ自分が好きなコーヒーの味になっていかないw


 これぐらい判るんなら、もうちょっと高めのコーヒーとか買ってみてもいいかなと思ったのだ。2週間前まではそんなことは思えなかった。高めのコーヒー豆を買っても味が分かる自信がイマイチ無かったのである。


 うん、コーヒーに関しての味覚はなかなかいい感じだ。

 美味しいものがちゃんと美味しい。そう思える。

 今週末は、これまでよりも少しだけいい豆を買ってみようかな。


 今日もいい1日であった。

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