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老人に優しくない制度

両親が施設に入居することが決まって様々な手続きをしました。

  1. 自宅の引き払いのための手続き

  2. 行政関係の手続き

  3. 行政以外の手続き

1.自宅の引き払いのための手続き
最も時間も手間もかかったのは自宅の引き払いだったけれど、正直これは両親では出来ないのは分かっていたので覚悟が出来た。

※実家の行政に連絡したところ、日付を指定すれば指定ゴミ袋や粗大ゴミ券を購入しておくことを前提に、我が家だけのために収集してくれることになった(結局頼まなかったけど)

※賃貸の解約手続きは書類さえ書いてあれば代筆でも許されたけど、ハンコが「54年前に押印したもの」を出す必要があり、且つ当時印鑑登録していたものと今登録しているものが違うことが、書類を提出した後に分かりトラブルになった(今の印鑑証明を追加で出すことで解決したけど)

思ったより貸主側も協力的で、大変助かった。

2.行政関係の手続き
若ければ住民票を移しておしまい、なのだけど、両親は年金生活者で介護認定も受けている。介護の申請、マイナンバーの申請、住民票等とにかく出すものが多い。事前に役所に連絡して準備していなければすぐには終わらないレベルだった。

3.行政以外の手続き
実はこれが一部終わっていなくて困っている。

一つ目、クレジットカード
複数持っていたクレジットカードを解約しようとしたけど、原則「本人が電話」「本人が来店」など、本人がやれる前提になっている。本人は電話出来ないし、施設に入居しているのでと説明してもダメ。じゃあ解約書類を送って欲しいと頼んでも「ネットにログインして申請」するように言われたり「本人が来店して」と言われたり。しかも住所変更すら一苦労。とほほ。

二つ目、携帯電話
これももう使わないので解約しようとしたら「本人が端末を持って来店」と言われた。いけない事情を話してもダメ。引き落とし方法の変更もしようとしたけど、本人が来店かネットで変更と言われた。その会社はログインすると本人にワンタイムパスワードが出てしまうので、本人の端末が近くにないとログインが出来ず、限られた面会時間でそれをやるのは難しいため断念。未だ住所変更すら出来ない。

三つ目、銀行の住所変更
ネットバンクなら簡単なこの手の作業も、大手の店舗を構える会社は煩雑な手続きが要る。住所変更するだけのために、専用のアプリをダウンロードしろという銀行もあった。なんだかなぁ。

四つ目、郵便の転送
以前はネットで登録出来たはずの手続きだったのに、今は本人確認書類を出したりする必要あり。郵便局に書類を出して依頼したら、わたしが両親の分を提出するとなると、わたしと親の苗字が違うため別の書類が要ると言われ「郵送なら(分からないから、本人が出したことにしても)大丈夫」と郵便局でまさかの案内を受けて、やむを得ず郵送で提出。

我が家のように親が老いて様々な手続きが出来なくなり、子が代わりにやるケースは当たり前にあると思う。

ネットで簡単に申請が出来るものが増えたけど、80代の親にはハードルが高く、ルール違反覚悟で本人のフリをして操作しようとしても結構いろんなところで関門がある。一番困るのは多要素認証。本人の承諾を得てパスワードを聞き、代わりに操作してるのに、わざわざワンタイムパスワードを本人のスマホにSMSで送られ結局手続きができない。。なんていうことも多い。

詐欺や家族間での使い込み等、悪いことが出来ないようにしているんだと思う反面、ごく普通にやってきた我が家のような家庭には、厳しすぎるセキュリティに閉口することばかり。

カード解約に至っては「本人死亡の時には代理可」と書いてあった。

当たり前だろ
死んだら
本人来れないんだから


もう少し高齢者とその家族に優しい制度になって欲しいです。


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