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逃げる

 昨日、京都のギャラリーのkunst arzt
さんで開催されていた随行奏子(ずいぎ
ょう かなこ)さんの個展を見に行って
きました。個展のテーマはずばり”逃げ
る”。

*ドライブに行こうと誘ってくる知らな
 いおじさんから逃げる
*一泊予定のキャンプから泊まらずに逃
 げる
*保険の営業電話から逃げる
*作品が間に合わずグループ展から逃げ
 る
*海外のアートフェアーの誘いから逃げ
 る
*警察官を見るとなんとなく逃げる
             等等。
 作者自身が、それらから逃げるとこ
ろを立体ではなく、敢えて平面的に表
した彫刻作品です。
(これまで逃げてきた経歴も年表に組み
込んで掲示されていましたが、内容を
見て吹き出してしまいました😄作者は
ウケ狙いではなく、事実を淡々と書か
れただけだと思いますが面白いです)

 作者の随行さんとも話をさせて頂き
ましたが、気負ったところがなく、
正直で自然な癒し系の方だなと思いま
した。

 “逃げる”というと一見負のイメージで
捉えられがちですが、正直なところ、
逃げたいや先延ばしにしたい気持ちは
多くの人に有ることで、それに向かっ
て逃げずに真正面からぶつかって頑張
れという”正論”を言う人もいます。

 しかし、逃げるという言葉にほっと
するところが有ります。
 昔に比べて、アバウトさや遊びの部
分が少なくなり、規定、規則通り行
う、効率的に行うことが良いとされる
傾向の有る社会。それはそれで間違っ
ていないと思いますが、窮屈で息
苦しさも感じます。だからこそ、無理
をせず”逃げる”ということも必要ではな
いかと思います。なぜなら、人はいつ
も最適な事を効率的にやるロボットで
はないし、弱い部分も持っています。

 多様性が叫ばれながら、逆向する部
分も有る今、随行さんのお話をお聞き
し作品を見ると、ホッとして落ち着き
癒やされます。私的には共感を覚える
部分が多く、今後も自由な発想で色ん
な表現を行って頂きたいと思います。
それから、可能で有れば、是非エッセ
ーも出して頂きたいなと勝手に想って
います。

 最後まで、お読み下さり有難うござ
いました。


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