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「第十惑星の婚約者」序幕

環崎 冥巡かんざき めぐる   劇中:カンザキ 高校三年生 天文部

砂田 王斗さだ きみと   劇中:サダ 高校二年生 天文部

水流 叶召つる かめ   劇中:ツル  高校三年生 天文部

金星 零かなぼし れい   劇中:レイ 高校二年生

三之地 球也みつのじ きゅうや   劇中:ミツノジ、地球先生 教師

火元 英而ひのもと えいじ   劇中:エイジ 高校二年生

木露 五樹もくろ いつき   劇中:モクロ 高校一年生

土瀬 箕六どせ みろく   劇中:ドセ 高校三年生 オカ研

天野 奥あまの おく   劇中:テン 高校二年生

八倉 海やつぐら まりん   劇中:マリン 高校一年生





序幕



夜空の下、サダとカンザキ。


冥「水星、金星、地球、火星?」

砂「木星、土星、天王星、海王星」

冥「そう、太陽系は8つ。第九惑星とされていた冥王星は準惑星に分類されて、プラネット・ナインの存在は千年待たないと確認できない」

砂「先輩?」

冥「第九惑星はないんだよ」

砂「何の話ですか」

冥「でも、かつて冥王星が第九惑星だった頃、第十惑星とされる星があった。砂田君、君は見える?」


空を指差すカンザキ。つられて空を見上げるサダ。


冥「光る過去の新惑星」

砂「……僕には分かりません」

冥「じゃあ私が見せてあげるよ」

砂「どうやって」

冥「目を瞑って」


目を瞑るサダ。


冥「小惑星番号4番ヴェスタ。絶対等級3.20、存在しない第十惑星……一番輝く小惑星」


カンザキがサダの耳を塞ぐ。


砂「せ、先輩?」

冥「しっ。ちゃんと瞑って。惑星の音を聞いて」

砂「音って言われても……」


言われるがままのサダ。辺りが静まる。


冥「砂田君」

砂「はい!?」

冥「君心臓の音うるさいね」


カンザキから離れるサダ。


冥「砂田君の惑星、いつか見せてあげる」


暗転。

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