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トレアドール、無能

奇数個の構成要素を真逆にして対義語を作る。貴方は私のことを嫌っているらしい。第三惑星は回り続ける。幼い私達。

「全て」なんて言葉を簡単に使うくらいには盲目に愛に浸かっていた。過去の不変性を唱えた偽物の哲学者が貴方だとは気付けなかった。穢す為に手を染めたのは光にまみれた犯罪。決して嘘を許さないのはどっちだったか。ホワイトアウトした視界の隅にはゴミ箱が写り込み、すかさず駆け込むとやはり吐き気が止まらない。貴方はよく眠る人だったことを思い出す。幼い涙を流せていた過去を吐瀉物で汚した。

さあトレアドール!貴方の番。

簡単なことが簡単じゃなくなってしまった今、貴方の仕事はより複雑になる。扱いきれる?
ひらりと見せた赤、紅、朱。魅せてくれたのは嬉しかった。ただ、責任と役目を放り投げて自分が牛になっちゃ意味が無い。無能な貴方の行く末を私はいつまで気にかけるのか。

そういや最近知ったが、マッチは内側にこするらしい。火が返るからだそうだ。慣れた手つき。目の当たりにした私はようやく落ち着くことができている。皮肉なものだ。

第三惑星は限りなく丸い。私達が三次元である限り、どこかの交差で目が合ってしまうだろう。その時は別に仕事をしていなくていい、ましてや手を取らなくてもいい。その時は、その時は本当の観客に戻って。ほら、出会った頃みたいに。

貴方トレアドール。仕事を辞めたトレアドール。

とても残念ねトレアドール、その布切れはもう必要ない。

6/24、私が見たのは青だったから。

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