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ゼオスくんに殿堂環境は荷が重かった

妄想編

「2ブロックに特攻人形とメメント守神宮をよこせ」

時は遡り2019年4月、ゼオスコントロールを調整していた皆が口を揃えてそう言った。

メメントさえあれば、過剰なトリガーに頼らずとも赤白轟をブロッカーで受け切ることができるだろう。
特攻人形さえあれば、ハンデス・盤面処理の質は格段に向上するだろう。

だがそんなことを言っても無いものは無いのだ。
メメントには遠く及ばないが、深刻なブロッカー不足のため渋々モンスピエールを4投した。

そうしてGP1日目を好成績で駆け抜けた結果

「ポテンシャルの高さは証明された」
「特攻人形とメメントさえあれば、このデッキは完璧になる」
「きっと殿堂環境でも通用するに違いない」

気付けば、闇の破壊神にすっかり取り憑かれてしまっていた。

構築編

おおよその構築は脳内で纏まっていた。

防御の要となるメメント守神宮、特攻人形とそれをバックアップするシャチホコカイザー、ビッグマナへの回答である墳墓と魔天、白マナ兼フィニッシュ用のジャミングチャフ。

この時点で嫌な予感はしていたのだが、とりあえず気にしないことにした。

【out】
幽具ランジャ ×4
幽影モンス・ピエール ×4
無修羅デジルムカデ ×1
堕魔ドゥシーザ ×2
キング・ザ・スロットン7 ×2
テック団の波壊Go! ×4
ゲオルグ・バーボシュタイン ×1
凶鬼37号アゴクイ ×1
バツトラの父 ×2
防護の意志ランジェス ×2
ダスティン・ジョーバー ×2
【in】
Dの牢閣メメント守神宮 ×4
特攻人形ジェニー ×3
奇石ミクセル ×3
超次元リバイヴ・ホール ×2
超次元ミカド・ホール ×2
オリオティス・ジャッジ ×2
天使と悪魔の墳墓 ×2
魔天降臨 ×1
シニガミ丁-四式 ×2
煌銀河サヴァクティス ×2
発起の意志ラパエロ ×2

メメントのおかげでバツトラとランジェスに頼る必要がなくなったため、GRゾーンはパワーラインを上げた。それに伴いパワー底上げ用のSTオレガオーラ2種を解雇。

特攻人形はゲボちゃんとの兼ね合いで3枚ずつの採用。

デッキとの噛み合いが低いテック団が抜け、その枠に超次元呪文が収まった。
パワー低下がゼオスと好相性&簡単にディアスZが裏返せるためミカドホールも採用。

他はまあ、無難なところだと思う。

現実編

当初の想定どおりメメントと特攻人形は完璧に噛み合い、環境デッキとも互角に渡り合っていた。

特にメタリカ系統にはめっぽう強く、当時の赤白轟やメタリカミッツァイルには連戦連勝。

殿堂環境の広大なカードプールによってゼオスコントロールは完全体になったのだ。

しかしその一方で、殿堂環境にはどうしても越えられない壁も存在した。
バイケン、ドルマゲドン、ジョラゴンである。

このデッキのメインエンジンはヘモグロ+アゴクイの2枚コンボである。
ハンデスとドローを毎ターン行うことでテンポを取るのだが、最大の欠点はセルフハンデスであること。
相手がバイケンを1枚抱えているだけで機能不全に陥ってしまう。

場に出たバイケンを毎ターンハンドに返せばリソースは減らないし、隙あらば場に残してビートダウンに移ることだって考えられる。

もちろんヘモグロアゴクイ以外にもリソース拡大の手段はあるが、ハンデスが鈍る以上テンポは取りにくい。
やがて相手のマナは伸び、ハンドは潤い、ドンジャングルからニコルボーラスが飛び出し、コツコツ稼いだアドバンテージは一瞬で刈り取られることとなる。

2ブロックにそんなカードは無かった


また、このデッキは盤面に並んだクリーチャーでコントロールするデッキである。
組み合わせることによって無類の制圧力を発揮するが、単体で見たときのカードパワーはお世辞にも高いとは言えない。
つまり、禁断爆発による盤面リセットがどうしようもないのだ。

禁断爆発を咎めるテック団のようなカードも搭載されていないため、解体プランは困難を極める。
メメントで時間を稼ぎながらオリジャやガンヴィートを当てることは理論上可能だが、相手のダークマスターズがそれを許さない。

そもそも禁断爆発前に盾を割り切られてしまえばターンが戻ることなくゲームエンドとなる。
そうなる前に決着をつけようとしても、用意できる打点はせいぜいゼオス+小型2体+勝利ガイアールでジャスキル6打点程度。何かしらのトリガーを1枚でも踏めばプランは瓦解してしまう。

黒いデッキの宿命とも言えるが、ゲーム開始前に最終禁断フィールドを置かれるだけで決着は付いてしまうのだ。

2ブロックにそんなデッキは無かった


無尽蔵のカードプールにより、殿堂環境には数多くのデッキが存在する。
Tire2〜3の層が厚いのも2ブロックにはない特徴だ。

そのような環境において勝ち上がるデッキといえば、地雷キラーと名高いジョラゴンジョーカーズ 。
そしてゼオスコントロールという地雷デッキも、ご多分に漏れず狩られる側の存在である。

先程触れたように、このデッキはヘモグロのセルフハンデスを主としている。
セルフハンデスでは相手のガヨウ神を引っこ抜くことはできない。
そして一度ガヨウが着地してしまえばハンデスが追い付かず苦戦を強いられてしまう。

仮にランハンでガヨウを落とせたとしても、次のガヨウをトップデックされるたびに相手のハンドを刈り取らなければならない。
ヘモグロ複数+アゴクイを揃えることで刈り取ることは可能だが、そこに突き刺さる7777777。

ジョラゴン側からしてみれば「並んだ盤面を7777777で処理しながらガヨウを待つ」というプランでのんびり構えればいい。かなり楽な試合運びとなるだろう。

元々不利な対面だが、殿堂環境におけるデッキの多様さによって後押しを受けている。

2ブロックにはこんなにジョラゴンいなかった


総括

つまりゼオスコントロールというデッキは、前のめりにハンドを消費するデッキを嵌め手で殺すことはできても、そうでない相手にはそこまで勝てないのである。(まぁハンデスってそういうデッキだよね)

あの日の2ブロ環境が空前の赤白轟ブームに包まれていたが故に勝ちやすかった、殿堂環境には不利対面が溢れ返っていたが故に勝ちにくかった。言ってしまえばそれだけの話。

デッキの完成度がいくら高くても、環境での立ち位置が良くなければ勝てないのは当たり前。

しばらく殿堂環境にはゼオスコントロールの居場所はないだろう。少なくともジョラゴンがいなくなるまでCSに持ち込むのはやめたほうがいい。












おまけ

黒くて、クリーチャー主体のコントロールで、ドルマゲドンとジョラゴンが苦手だけど他には強くて…

なんだか既視感が…









あっ…!

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