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2016.11.4 cakesウラ話〜なぜいい女は待ち合わせに遅れないのか〜

---この記事は投げ銭記事です---

こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。

今週のcakes連載には、

「遅刻をしないタレントこじらせ美女に聞いた、芸人元カレの話」

というお話を致しました。

この会食では珍しく、本当に珍しく私より女性が先に指定してあったレストランにいらしていました。私はその事実にかなり驚き、彼女への印象が200%ほどアップしたのです。いや、本当に珍しい。

そこで今回のnoteのウラ話では、「遅刻」についてのお話をしたいと思います。私がこれまで数多くのピンアポ(女性と1:1で食事をすることです)をしてきた中で、たくさんの「いい女」たちに出会ってきました。「いい女」と言ってもいろんな考え方があるでしょうけれども、私の定義する「いい女」とは、仕事が出来て稼いでいて、そして見た目も美しく愛嬌があり、さらにはきちんとした礼儀も持っている女性のこと。そして自分なりの美学を持っている女性のこと。ただ優しいだけではありませんし、ただ美しいだけでは「いい女」ではありません。

そんな「いい女」(本当は呼び捨てにしたくないのですが、「いい女」という言葉のすわりがとても良いのでここでは敢えて「いい女」と呼び捨てにします)なのですが、彼女たちに共通することが一つだけあって。

それは、「遅刻をしない」ということなんです。

もちろん遅刻をしないから私が「いい女だなあ」と思っている節は否めませんが、それでも彼女たちいい女は本当に遅刻をしない。本当に、どこまで賢く聡明で、いい女なのだろう、と思ってしまいます。

その一方で、だいたい94.2%(雨月調べ)の合コンで女性たちは遅刻をしてきます。金曜だろうが土曜のランチだろうが土曜の夜だろうが祝日だろうがお構いなく遅刻してきます。私は心が狭くなる病気、名付けて狭心病(狭心症とは微妙に名前が違います)なので、遅れてくる女性を見るたびにとても残念な気持ちになります。私の心の中でマイナススタートになってしまうのです。偉そうですみませんが、でもそうなのです。


そこで、「遅刻をしない」ことがどれほど重要かについて考えてみましょう。


みなさん、もちろん遅刻はしないほうがいいという認識は持っていますよね。ですが、時間を守るという行為が「かなりのコストをかけてもペイするほどの価値」を持っているとはあまり思われていないようです。しないほうがいい、しないに越したことはないというその認識を、「何が何でも絶対に遅刻はしない」という風に変えて頂きたいと思うのです。

ここで、一つ想像してみてください。

あなたが会社に勤める人だったら、会社の会長か社長と夕飯を食べに行く予定になっていると仮定します。もしあなたが社長だったら、お世話になっている会社の社長や、あなたの会社を大きくしてくれた恩人のような財界の大物との食事と考えましょう。そしてもし医師なら所属医局の教授のさらにボス、科学者ならノーベル賞受賞者、官僚なら審議官や事務次官いえ所属省庁の大臣、絵師なら葛飾北斎の子孫といった具合に、「自分の業界において偉大な人か、大変な恩義のある人」との食事会とします。

待ち合わせは、そうですね、銀座の高級フレンチに19時としましょうか。

あなたは何時頃にお店に行くでしょうか。19時ちょうどを狙って行きますか?それともちょっと前にします?

ほとんどの方が、いえ、すべての方が「15分以上前にお店に着いておこう」と思いませんか。それどころか多くの人は30分前にお店に着こうと思って、前日から、或いはもっと前からその日のスケジュールを調整するはずです。

これは、なぜそうするのでしょうか?

簡単です。「あなたが、食事の相手のことをとても尊重しているから」です。遅刻はとても無礼なので、何が何でも遅刻は出来ないと考えているからです。ま、ここまでは常識的なお話ですね。

では、相手がもし「前回合コンで出会い、今日二回目に会う人」だったら?同じようにしますでしょうか。まあ間違いなくしませんよね、そういうピンアポで仕事に穴を開けるわけにはいきませんからね。

では、相手が「今後一緒に仕事をしたいと思っている人」だったらいかがでしょうか。まあちょっとなるべくなら遅刻はしないで行かなきゃね、と思うでしょうね。それが普通です。

同じように、待ち合わせの相手も考えています。この世のすべての関係性とは大きい-小さい、強い-弱い、といったアンバランスなものですから、その相手があなたをどう思っているかで遅刻への気持ちが変わってきます。

ですが、もし相手が待ち合わせの30分前に来ていて、その人は自分と会うたびにそうしていたらいかがでしょうか。あなたは相手にとても大切にされていると感じませんか。相手があなたとの関係を、それこそ社長との関係と同じくらい重要だと思っていて、あなたのことをとても尊重しているからそういう行動をしているのだ、と思います。

つまり、遅刻するかどうかは、相手をどれほど重要視しているかどうかに他ならないのです。これは礼儀上とても大切なことです。もちろん実質的に遅刻は「相手の時間を数分無駄にする」とか「相手を待たせてイライラさせる」という要素もありますが、それ以上に「自分の相手への気持ち」が露骨に現れるシーンなのです。

これを意図的に使って、待ち合わせには必ずかなり早く来る人がいます。意図的にでも、「遅刻しない」という行為は、相手にかなりの信頼をもたせます。私はそれを意図的に使っていることを重々承知していますが、それでも「彼は信頼に値する」と思っています。

そしてこの「遅刻しない」という行為は、私のような雑兵ではなく相手が一流の人であればあるほど有効です。理由は簡単で、一流の人もずっとそうしてきたしそうしているからです。

もちろん早く着きすぎてお店で手持ち無沙汰に10分も20分も待つことはそれなりの苦痛ですし、そのためのスケジュール調整は簡単ではありません。予期せぬことも起きますし、そのせいで遠くからタクシーに飛び乗って何千円もかかることがあります。しかし、一流の人々はそれくらいのことは重々承知しています。上の立場でなければないほどスケジュール調整が自分一人ではしづらいことも知っているし、タクシー代がもったいないくらいの収入であることも知っています。その上で、しかし時間を守る、30分早く待ち合わせに来る。それだけのコストをかけて時間を守ってくれたことを、一流の人は評価するのです。いえ、正確に言いましょう。一流の人は、それだけコストをかけなければまともに付き合ってはくれません。遅刻しようものなら「それだけの人」とバッサリ切られます。


恋愛とて同じこと。これを考えると、やっぱり大切にしたい人との会食には必ず早く着くことが進められます。もっとも、大切にしたくない人と会食はしない方がいいですし、相手によって態度を大きく変えることは美しくない。美しくない上にそういう卑しさは相手に伝わるものなのです。一流の人はそのくらい簡単に見抜きます。

ですから、私の結論としては「すべての待ち合わせでは遅刻を絶対しない」となります。


これでこのお話はほぼ終わりなのですが、もしこれを私の知人が読んでいたらこんなツッコミをされます。

「おい雨月、お前は医者だから患者さんの容態が急に変わったり手術時間が伸びてしまったりして遅刻やドタキャンしてるだろ」

うーん、おっしゃるとおり。私は外科医ですから、患者さんのことや手術関連でどうしても調整がつかず遅刻することがしばしばあります。休日に約束したって病院に呼び出されたらどうしようもありません。それはすべて患者さんの容態にかかっており、容態は天気予報の100倍ほど予測が難しいものです。これは私にとって大変悩ましい問題でした。ですが、ある時解決しました。

それは、「仕事をすべて最優先にする」ということ。患者さんの生命や安全は外科医の、医師のアイデンティティーです。それを蔑ろにしては、医師と名乗れませんし私は生きていけません。ですから、私は約束した相手が社長だろうが命の恩のある人だろうが総理大臣だろうがトランプだろうがメガネの似合う家庭教師美女だろうが、仕事を優先することに決めたのです。アイデンティティーを保つことでそれでその人との関係が壊れても構わないと信じたのです。まあ実際のところそんなことはほとんど起きませんでしたし、起きても「人の命がかかっている」と思えば家庭教師美女以外はだいたい許してくれるものです。


いかがでしたか。

これをお読みいただいた方、今日からあの世へ行く日まで、一度も遅刻せずに生きてみませんか。人生なんて、簡単に変わるのですよ。


この記事は「200円投げ銭記事」とさせていただきます。

投げ銭してくださった方のために、今回のcakesタイトルに関して、タレント美女とのやりとりをお話しましょう。決まるまでに色々ありましてね。

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