ドライアイの原因や対処法を解説します(その3)

こんばんは。

ドライアイシリーズは最初2回で終わる予定が内容が多くなり3回に分けることになりました。

ここではよく使われる点眼の特徴や使い方、注意点、涙点プラグ、ドライアイ用眼鏡などについて解説したいと思います。

1. よく使われる点眼薬について

ドライアイに対してよく処方される点眼は今と昔で変わってきました。数年前までは、ヒアルロン酸ナトリウム点眼が主流でした。ヒアルロン酸て聞いた事ありますよね?よく化粧水の中にも入っている水分保持に優れた成分です。商品名でいうとヒアレイン、アイケアなどです。

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この点眼を手で触るとすこしとろみがあります。0.1%03%があって0.3%の方が当然濃度は濃いです。では濃度の濃い方が効果が高いかというとそうとも言えないんです。治療の目的は、角膜表面をいかに均一に水分で覆ってあげるかなんですけど0.3%だとまぶたのふちに偏ったこのヒアルロン酸によって角膜表面の涙が逆に乾きやすくなる現象が見られる事があります。この現象を「盗涙」現象と呼びます。比較的0.1%を処方することが多いです。

ヒアレインミニ点眼(0.1 0.3)とヒアレインの違いは防腐剤が入っているか入ってないかの違いです。ヒアレイン点眼には劣化を防ぐため防腐剤が入っており以前はコンタクトレンズの上から点眼できませんでしたが、ベンザルコニウム塩化物からクロルヘキシジングルコン酸塩液に変更されたためコンタクトレンズの上からも点眼できるようになりました。

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最近のドライアイに対する第1選択はジクアス点眼を選ぶ医師が増えています。これは、この点眼の効果として、涙の分泌を増やす涙液中にムチンという涙に粘性を持たせる成分を増やしてくれる作用が特徴的です。ドライアイの根本治療に近い薬です。単発の点眼でもある程度効果はありますが、2~3週間継続することでだんだんしっとりしてきたと自覚される方も多いです。以前述べました涙液層破壊時間も少し伸びてくれます。

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もう一つジクアス点眼に類した作用を持つ点眼薬としてムコスタ点眼というものがあります。この名前どこかで聞いたことありませんか?そうなんです、もともとは胃薬として発売していた成分を目薬に転用した薬です。

どういう作用があるかというと、ジクアス同様涙やムチンの生産を増やしたり、ドライアイによって細かく傷ついた角膜や結膜を修復してくれるというありがたい薬です。効果としては上記に比べ高いという印象なのですが、使いづらい点がいくつかあります。見ればわかりますが白い粉がたくさん入っていて点眼すると数分かすんでしまいます。目の周りにつくと白くなってしまいますし特にメイクをした女性が日中つけるのはむつかしいことが多いです。点眼後苦みが出るのも問題です。人によっては気持ち悪くなるので止めますという方もいます。ですから処方するときは夜1回とか限定的になることも多いです。

2. 涙点プラグ

眼科で行う治療としては涙点プラグという栓を目頭にある涙の排水溝(涙点)に入れ涙が涙道に流れないようにする方法があります。

涙点プラグ

白い点がプラグが挿入された涙点です。

これは外来処置ですぐできるものです。欠点として一度入れたプラグが時々外れてしまう事があります。その場合で再挿入する事は可能です。比較的症状が重い方に用いることが多いです。

3. ドライアイ対応眼鏡

ドライアイの方が仕事中などに装用できるドライアイ用の眼鏡が販売されています。通常の眼鏡の周りにカバーが付いていてそこに水を染み込ませて使用するものです。結構楽になるみたいです。眼鏡はいろいろな大きさやカラーがあるので実際にお店で見てください。JINSや下記の系列で買えます。

ドライアイはいつ治るの?と患者さんに聞かれる事がありますが、完治という事はないので、これまでお話ししたような方策を駆使しながらうまくお付き合いしていきましょう。

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