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2020年度の終わりに思うこと

最近、noteの更新が滞っておりました。今日で2020年度が終わります。今年度はコロナ禍でたくさんの人が今までとは違う生活を始めた、せざるを得なかったのではなかろうかと思っています。

かくいう私も東京へ帰ることができなくなりました。昨年3月までは毎月1週間から10日ほど東京へ帰って母校で小児の摂食嚥下外来を担当したり、東京とその周辺の特別支援学校の給食の摂食指導、1歳お誕生月健診やご依頼いただいた東京周囲の場所で開催の講義講演を承っていました。

東京滞在中は両親の住まいに居候させてもらいました。年老いた両親は、都心の実家を弟家族へ譲り、その隣の区へ2人で住むため越した場所におり、毎月寄ることが彼らの様子を確認でき、また、いつも気を張って仕事していてもそこにいればゆっくり気持ちを休めることができました。

4月に入り中四国の勤務地から東京へ移動しないようにと話が出て、母校の病院自体も外来は緊急治療以外は休診、決まっていた講演は軒並み中止、緊急事態宣言に伴い中四国の勤務地のいくつかも休診するところが出て来ました。

患者さんを診ることができない、講義講演で話をして伝えることができない、両親の様子をみに行けない、ということだけでなく、毎日違う場所の病院で働いていますからこれから仕事はどうなっていくのかという不安もありました。

外来や特別支援学校のお仕事は後輩に代わってもらいました。講義講演はパワーポイントを録画したものを先方へ送ったり、オンラインになったものもありましたがネット環境が整備されていないという理由で日程も決まっていたのに中止になったものもありましたね。

年度始まりにはほぼ1年の予定を決めますので、毎月1週間から10日間は中四国の病院で仕事をせず家にいる日ができました。最初のうちはどうしていいのかわかりませんでした。休暇とは違います、旅行へ行けるわけでもなく家にいるしかない。家にいて仕事をするのも本を読むのもビデオを見るのも、そんな気にならない時が多かったように思います。

ゴールデンウイーク頃、顧問をしているつばめの会(摂食嚥下障害児親の会)から外来や療育がお休みになってお困りの会員さん方へオンライン相談をしましょう、とご依頼がありお受けしました。外来と丸切り同じだけの情報を得るというのは難しかったですが、保護者の方の心配を少しでも払拭できたかもしれないと感じました。その時は自分でオンライン相談を行おうとは考えてもいませんでした。

同じ頃に放っておいたTwitterを開けてみようかと思いましたがうまくいかず、新しいアカウントを作りました。自己紹介には仕事のことを書きましたが、何かを発信する手立てにしようとは思いませんでした、文字数の制限があるから。

フォローされたり検索すると子どもの食べることに関わる方がよく使っていた10年くらい前より増えている印象でした。ふむふむと感心することもあれば、それはどうでしょう、というものまで。

秋頃、水分摂取について歯科医師の先生と小児科の先生とのツイートに実際の指導に実際の指導をツイートしたら、フォロワーさんが増えました。食べる機能、離乳食に詳しい、とご紹介くださりさらにフォロワーさんが増えました、びっくりでした。そこからTwitterで、食べる機能の発達、について書くことにしました。

Twitterは文字数制限がありますから、長いツリーになります。フォロワーさんから、noteに書いて欲しい、というご意見をいただきnoteの存在を知りました。そこからnoteで子どもの食べることについて書き始めることになります。

Facebookは日記のように使っています。Twitterと同時期、東京から今の住まいへ越した頃に始めました。周囲の人もTwitterからFacebookにだんだんと流れていたように思います。Facebookで年末、子どもの摂食嚥下に関わる全ての人へと恩師たちが書いた、食べる機能の障害、を読む輪読会をやると言ったらやるかと聞いてみると、やりたいとおっしゃる方々がいらしたので、年明けからオンライン輪読会を始めることにしました。

ネットでこれはなあ、、、と思うことを伝えている方数名と直接お話ししたりしているうちに、だったら自分でネットで伝えることをもう少し広げてみようか、と考えるようになりました。子どもの食べることについて様々な職種が関わっていますが、それぞれ卒前卒後の研修システムが整っているとは言えない、私のように大学の研究室、医局で系統だてて勉強した人ばかりでない、就職先の先輩に習ったり独学で臨床をしている人が多いように感じます。学会発表で座長をしたりフロアで発表を聞いても理解して実施していないように感じる方々もお見受けして来ました。

恩師たちがデンマークで障害児の摂食嚥下障害について学び日本へ持ち帰ったこと、持ち帰ったものには評価診断法はなく、それを作るためには定型発達児の食べる機能の発達過程を知ることだ、とそれを解明したこと、その恩師たちからたくさんのことを学んだこと、それでは足りないとアメリカへ毎年研修会へ参加して勉強したこと、大学病院だけでなく、療育センター、特別支援学校、訪問診療、保健所など、様々な場所で障害児だけでなく健常児、たくさんの子供たちの食べることに関わって来たこと、それを自分で持っているだけではどこでもどなたでも同じように食べることに関する治療や指導ができないこと、

それを感じて2021年1月10日に、あやの子どもの食べること研究所           Dr. Ayano Pediatric Feeding Lab.を立ち上げました。オンラインで保護者や子どもの食べることに関わる方の子どもの食べることについてのお悩みを受ける相談とオンラインで子どもの食べることについての勉強会を行っています。インスタライヴでその場でお答えすることが可能な内容ならご質問いもお答えしています。

オンライン相談では実際受けて来た指導の意味が理解できた、自己流でやって来たけれど正しい方法が理解できた、などご感想をいただき始めて良かったと感じています。

オンライン勉強会でも知っているようで理解できていなかった、初めて知った、などというご意見がある一方、多いのは具体的な指導法や評価を知りたいというご意見が多いです。

摂食指導、摂食機能療法、口腔機能発達不全症の対応は、How toを知ってもできませんよ、理屈がわからないとできないと思います。

対応や訓練法などこうしましょう、にも理由があります、訓練法にいわゆるエビデンスに乏しいものが多いとは言えますが。

評価、診断、指導をする食べには、食べる仕組みと食べる機能の発達を知ることがまず大事と私は思っています。そこがないと様々な様子のお子さんたちにピタリ当てはまる方法を導き出すのは難しいと思っています。

この症状にはこの対応、この訓練、と教科書には書いてあります。それを知ることは大事です、ただお1人でこれもそれもあれも、訓練や対応法が必要なことがあります。お子さんと保護者養育者の様子を見ながら、日々の食事にどれなら続けていくことができるだろう、それを選びお伝えすることができなくては途中でフェイドアウトしてしまうこともあるように思います。

日本はまだどこでもどなたでも同じように食べることの指導を受けることができる環境が整っているとは感じません。どこでもどなたでも同じように食べることの治療や指導を正しい方法で受けることができる世の中になることが私の願いです。同じ願いを持つ人とも情報交換をしたり交流したりしてつながって行けたらと思います。

若い方や初心者の方はぜひ勉強してください、老害、厳しい、怖いと言われても私はそう思います。 食べることが難しい人への対応は、それが健常児であろうが障害児であろうが難しいことですよ、様々な要因があるわけですから。知識を増やし、お子さんをみるごとにそれを正しく用いていきましょうよ。知らずになさって迷惑がかかるのはお子さんとご家族です。

明日から始まる2021年度も恩師たちからいただいたものを正しく食べることに悩んでいる方々へ使うことができるよう、日々努めたいと思います。勉強も毎日続けていきますよ、自分が胸を張ってできることはそれしかないから。

長かったですね、最後まで読んでくださってありがとうございました。noteも少しづつ更新していきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

オンライン相談や勉強会にご興味のある方、こちらをご覧ください。https://sites.google.com/view/drayanopediatricfeedinglab

月曜日21時からのインスタライヴはこちらからをご覧ください。       @dr.ayanopediatricfeedinglab



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