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3合目まで山に登ったら事業売却!? GOZENが考える『成長実現型M&A』とは?

"聞いたことはあるけれど、そもそもM&Aってなに?"
そんな素朴な疑問を持つ人も少なくないはず。『GOZENのM&Aラジオ』とは、新メンバー"えんな"のM&A初心者ならではの目線を交えて、GOZEN代表布田の考えやM&Aについてゆるく語るマガジンです。

第二弾は、「世間一般的なイメージと、GOZENが手掛けるM&Aのちがい」や、「意外と知られていないM&Aの裏話」について、えんなが布田からゆるく話をきいていきます。


GOZENが手掛ける「成長実現型M&A」とは?


えんな:GOZENが手がけるM&Aって、世間のイメージにある「お金持ちになる」「事業の手が回らなくなって助けてほしい」とは、具体的に何が違うんでしょうか?

布田:たしかにGOZENのM&Aは、全然違うこともしているね。

よくあるM&Aは、マラソンで例えると「ゴール付近でやる」イメージ。経営がにっちもさっちもいかなくなってしまったり、いわゆる"EXIT"をして事業から距離を置いたり、経済的に豊かになりたい時に"最終段階"として選ばれることが多いんだ。 

でもGOZENのM&Aは、「M&A後も事業を伸ばしていくぞ」という目的で、山登りで例えると3〜5合目でやることが多い。自分はこれを、「成長実現型M&A」と呼んでいる。

えんな:初めて聞くワードです!

布田:そう。最終手段としてお金を貰ったり援助を得るのではなく、力のある大企業のサポート・物・情報・資金などを得ることで、さらに事業を伸ばす手段としてM&Aをイメージしているんだ。

それをすることで、例えば5年かかる目標を1年で達成できたり、自社で運営しているだけでは限定的になるソーシャルインパクトを一気に広げることも可能になる。こういった提案をすることが、よくイメージされるM&Aとの違いだね。

えんな:なるほど!数ある企業の中から、どうやって3〜5合目に位置する企業を発掘するんですか?

布田:リサーチもするけれど、それより元々自分もスモールビジネスの界隈にいたから、ご縁がある起業家さんに紹介してもらうケースが多いね。

もちろん何がなんでもM&Aに誘導することはせず、例えば株式を新発行してお金を得る「資金調達」と「M&A」のどちらが良いか迷っているご相談に対しては、最適な方法をフラットに提案するようにしている。これも一般的なM&Aとは違う点だね。

えんな:初心者目線だと「どうせなら10合目でM&Aをした方がいいのでは?」と思うのですが、なぜ3〜5合目がおすすめなんですか?

布田:おすすめな理由は、2つある。

1つ目は、3〜5合目では顧客様の定着化や、高品質なサービスのコツを掴んでいるなど、"プレミアムがすでに存在するレベル"に達しているケースが多いから。事業が伸び盛りだと、売却金額も高く交渉できるケースが多い。

2つ目は、まだ課題も沢山あり、人物・お金・情報などが必要な時期なので、買収側がM&Aを検討するのによいタイミングなことがあるからなんだ。
1〜2合目の場合、買収側からすると「ほぼゼロだったら自分で作った方が早い」というのが正直なところだし、逆に8〜9合目だと基本的に退任目的や売却後の成長がある程度見通せるケースが多いので、EXITするM&Aの方が適している可能性が高い。


経営状況が黄色信号になったら使う「救済目的のM&A」


えんな「救済目的のM&A」とはなんですか?

布田:例えば完全に事業成長が止まっていたり、ファウンダーの方がストレスなどの様々な理由でダウンしてしまった時に検討されるM&Aのイメージかな。

ただあくまでも、M&Aは「寄付」ではなく「ビジネス」なので、なかなか買い手が見つかりにくい現実もある。

おすすめは、「このまま自分だけでやっていくのは厳しいかも?」と思ってすぐの、黄色信号の段階ですぐに相談してもらうこと。既に赤信号だと立て直しが困難な場合もあるので、意識してほしいポイントだね。

えんな:事業が小さい段階でM&Aをすると、キャピタルゲインはもらえないんですか?

布田:誤解されてるけれど、全然そんなことはない。

他の企業が「1合目から登るにはしんどい」と感じるステップを乗り越えているということは、十分評価される価値がある。たしかに買収価格が何十億円とかの世界ではないかもしれないけど、数十万みたいな単位でもない。

またM&Aにおいて、買収側と売却側の両者で作った目標の達成度合い等に応じて対価を支払う「アーン・アウト」という仕組みもある。めちゃくちゃシンプルに言うと、「黒字を3ヶ月連続で出せたら、500万円のボーナスを付与します」みたいな制度で、これを活用すると頑張った分だけ報われる世界線にできる。

えんな:買収側の企業さんは、どんな基準で買値を決めるんですか?

布田成長実現型M&Aに関しては、ケースバイケースだね。

今は数字が伸びていても数年後の見通しは立てにくいので、様々なケースが生じるんだ。よくある誤解が、専門家が複雑な計算式を用いて買収価格を決定しているのでは?というものだけれど、ゼロではないがこれ以外の算定方法もよく見る。

極端な話、ファウンダーの人が提示する価格に対して、アメ横の特売のようにノリと勢いで「OK、乗った!」みたいに買収側が賛同するのも実際にあり得る。これは表に出ていかない情報なので、GOZENや周りの成功した人に相談してもらうのがおすすめだね。


M&A後でも選べる"キャリアの形"


えんな:「ロックアップ」について、M&Aをしたら即退任を求められたり、逆に買収側企業で何年も在籍を求められることはありますか?

布田全くそんなことはない。むしろM&Aをして即退任を求められるケースは少なく、肌感だと約80%は残留を希望する買収企業が多いと思う。

例えば、えんなさんはパエリアを作るときに、食材を切って生米を鍋に敷いたあたりで「はい、パス!」って言われたらどうする?

えんな:「いやいや今じゃない、そこは最後までやってくれよ」と困っちゃいますね(笑)

布田:そう。キリがいいとこまで料理を作って欲しいのと同じ理由で、即退任のケースも少ないんだ。逆に"料理を作り終わっているのに、ずっと調理場にいて下さい"みたいに、数十年間在籍し続ける必要もない。

ただパエリアの話のように、引継ぎ等の業務はキリが良いところまでしたいという買収側の意向が多いので、取り決めをすることはある。それがいわゆる「ロックアップ」と言われるもので、売却側社長など事業の中心人物に一定期間在籍してもらうことが多いね。

また、意外と副業が許可されることも多い。まさに今自分も「feast」をしながら、GOZENもやっているからね!もちろん買手側としてフルコミットしてもらえたら嬉しいとは思うけれど、それ以上にそれまでの業績を評価してくれるので、他分野での活躍も応援してくれるケースが多い。

えんな:買収先に残る場合、CEO以外の役職に就く方もいらっしゃるんですか?

布田:引き続きCEOを続けるパターンもあれば、大きい企業だと別事業のサポートや、新事業の立上げを依頼されることもある。

それこそfeastの創業者であるハヤカワさんは、事業を立ち上げるのがすごく上手なので、M&Aをしたユーグレナさんのところで新ブランドを実際に作ったりもしているよ。


えんな:すごい、色んなキャリアがあるんですね!


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