見出し画像

そもそもウイスキー・プライベートブランドとは何か?

DRAMLAD(ドラムラッド)は、ウイスキー・プライベートブランド・カンパニーです。"ウイスキー・プライベートブランド"・・・この、分かるような分からないような、何やら馴染みのない言葉を何故DRAMLADが称しているのかを書いていきます。

※DRAMLADの商品はシングルモルト・スコッチウイスキーですので、全てスコットランドをベースに書いています。

画像1

DRAMLADはボトラーズなのか

厳密な定義付けをするならば、DRAMLADはボトラーズではありません。非常にざっくりと書きますが、ボトラーズとは次のようなウイスキー業者だと一般的に認知されているかと思います。

① 各蒸溜所から原酒を買い付け、
② 自社の熟成庫で貯蔵・熟成させ、
③ 自社の瓶詰施設でボトリングして、
④ 自社のオリジナルラベルを貼って販売する業者

では、私達DRAMLADの場合はというと、以下のスキームで商品を仕入れてリリースしています。

① 契約をしているボトラーズへサンプルを依頼する
② 届いたサンプルをテイスティングチームがテイスティングする
③ 評価が高かった順にリリース時期や価格帯を精査して商品を選定する
④ 選定したカスクはスコットランドでボトリングとラベル貼付をする
⑤ 輸入して販売する

このように、私達がリリースするウイスキーは、スコットランドから届くサンプルから選定され、ボトリングとラベル貼付は全て現地で行われます。

つまり、私達DRAMLADは、自社の熟成庫と瓶詰施設を持っていませんので、一般的に認知されている定義に基づいて厳密な定義付けをするのであればボトラーズとは言えません。

画像2

一番近いのはインポーターのオリジナルボトルだが

では、DRAMLADとは何なのか?

私達に一番近い形はインポーター各社のオリジナルボトルです。ごく一般的な従来のスキームとしては、個別案件で多少の違いこそあれ、概ね以下のような流れかと思います。

① 契約しているボトラーズ商品を輸入して販売する

② 一方で、自社オリジナルボトルのために、ボトラーズからシングルカスクを提供してもらう(定期的・不定期的を含む)
③ 自社のオリジナルボトルとして販売する

オリジナルボトルとしては、ほぼ同じスキームであることがお分かりになるかと思います。そして、これは日本だけではなく、ヨーロッパを中心に海外でも広く見られるスキームで、最近はアジアでも活発ですね。

国内に限って言えば、従来のスキームとの唯一の違いは、私達DRAMLADは、契約しているボトラーズのブランド商品を輸入(代理店契約)せずに「自社オリジナルボトルのみを取り扱い、そのためのサンプルを取り寄せている」という点です。そして、ここがDRAMLADのブランドとしての重要なポイントになってきます。

画像3

"プライベートブランド"としての姿勢

DRAMLADのホームページでは、私達のプライベートブランドとしての姿勢を次のように書いています。

私達は、ウイスキーの歴史と伝統に敬意を払い、蒸溜所のハウススタイルを体現するような良質な樽や、今のウイスキーの旨さと豊かな個性を持つ樽を選び、私達が自信を持ってリリースするボトルを通じて、皆様に感動と歓びを体験していただき、私達もまたその歓びを分かち合うことを願っています。

これは、私達の姿勢であると同時に、私達がプライベートブランドとして示す「価値」です。

私達は、ほぼ従来と同じスキームなので、他と比較してマーケットで圧倒的な優位性を持っているわけでもなく、今までにない斬新なアイディアだということもありません。むしろ、私達のボトルを選ばなくても、そもそも私達がいなくても、私達の代わりは幾らでもいます。

そうしたマーケットの中でスタートしたばかりの私達が、従来のスキームでありながらも他には無いブランドとしての「価値」を示し続けていき、共感や信頼を得ていくためには、存在理由を明確に示す必要があります。

そのために、DRAMLADを立ち上げる際にブランディングとマーケティングの調査・分析を行い、ブランドとしての定義付けをしました。それが、上記のホームページで示した姿勢です。

そして、私達の姿勢にブランドとしての価値を見出してもらえる社名を決め、ロゴを作成し、リリースしていくボトルを3つのレンジに分け、それぞれのレンジに意味を持たせました。

さらに、ブランドへの共感と信頼を持ってもらうために最も重要なカスク選定において、より多角的な視野で選定していくべく、チーム制によるテイスティングでのカスク選定を商品化の基幹としました。

このように、ブランドの価値を構築してマーケットでの存在理由を明確に示した上で、冒頭で書いたように一般的にはボトラーズとは言えず既存のスキームではありますが、テイスティングチームによる真摯なカスク選定によって自社のオリジナルボトルをリリースしていくのが私達DRAMLADです。

ですので、私達は"ウイスキー・プライベートブランド・カンパニー"と称しています。

画像4

まとめ

●ブランド価値を示す姿勢、社名、ロゴデザイン
●ブランド価値を明確に表す3つのレンジ
●カスク選定をするテイスティングチームの存在

この3つが、DRAMLADが"ウイスキー・プライベートブランド・カンパニー"であり、マーケットにおいて意味のある差別化であり、存在理由であると考えています。

そして、ブランドを持続していくために継続的なマーケットリサーチやブラッシュアップをしていきます。同時に、生まれたてのプライベートブランドですので、まずはボトルの"中身"が最重要で第一義的責任であると考えていることに間違いありません。

最後までご覧いただきありがとうございました。

【補足】

① 一般的に認知されているボトラーズの定義と現地の実態は、実は少し異なっています。広義の意味においてDRAMLADもボトラーズだと言える部分もありますので、今後その辺についても書いてみたいと思います。

② 文中のインポーター各社オリジナルボトルのスキームについては、個別の案件で多少の違いがあります。また、今回はプライベートブランドについて書いていますので、ボトラーズラベルでの日本向けPBや、OEM的な酒販店PBとは若干ニュアンスが異なる点をご了承ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?