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#109 相棒Season11元日SP「アリス」(2013)-これは誰の出世作なのか?

tv asahi 紹介文

平成24年12月24日。ロンドンのある邸宅。75歳になった朋子(酒井和歌子)が息を引き取った。その朋子の臨終に立ち合った弁護士の石川から右京(水谷豊)へ連絡が入った。実は朋子と右京は旧知の仲だった。いまわの際に「ヒナギクじゃなかった。茜が危ない。あの子を助けて」という謎の言葉を残して。茜(波瑠)は両親を亡くしてから二百郷家の当主として旧早蕨村の屋敷で生活している。茜にとって朋子は大叔母にあたる存在だ。茜とは一度も会ったことのない右京だったが、石川の連絡を受けて、さっそく茜が住む二百郷家の屋敷へ享(成宮寛貴)とともに向かう。茜に失踪事件について話を訊くと、瑠璃子が失踪した日は彼女を探すどころではなく、その夜にはその豪華ホテルが火事で焼失してしまったというのだ。朋子は救出されたが、朋子の両親は焼死。朋子にとって痛ましい事件が同じ日に2件も起こったことになる。さらに朋子の予言通り茜が何者かに狙われているようなのだが。
半世紀以上前の昭和30年(1955年)、早蕨ホテルで何があったのか? 謎の解明を進める右京と享は、やがて何者かに狙われ…。右京が事件を解明していく中で手に入れた瑠璃子の英国式スクラップブックに残されていた「不思議の国のアリス」の挿絵。そこに隠された秘密とは!?

確かにいろんな演者がブレイクしたが…

相棒元日SPにはいろんな名作がありますが、その中でも私にとっての一番のお気に入りが、この『アリス』です。幻想的な早蕨(さわらび)ホテルを舞台に、昭和と平成を行ったり来たりしながら、右京さんと(水谷豊)と甲斐亨(成宮寛貴)が失踪事件の謎を解き明かしつつ茜(波瑠)を救うという叙情豊かでスリリングな展開のドラマでした。このSPの1年後に波瑠さんは「あさが来た」の主演に抜擢されています。その他にも、翌年、「半沢直樹」でブレイクする滝藤賢一さんや若かりし頃の松本若菜さんも出演されていました。キャスティングした製作スタッフの目利きが凄いですね。

右端が清楚な令嬢・波瑠さん

失踪した瑠璃子の存在感とタイトルの関係

回想シーンのみ登場する子爵の令嬢・瑠璃子(広瀬アリス)の存在感が圧巻でした。登場する尺は短いのですが、突き抜けるほどの明るさと突き飛ばされて崖に落ちていく時の表情(能面)のコントラストが夢枕に出てくるほどの強烈さでした。謎解きのヒントが『不思議の国のアリス』の挿絵で、番組のタイトルが「アリス」で、事件に関わる重要人物を演じる役者さんが「広瀬アリス」というのは偶然の一致なのでしょうか?

崖に堕ちていくところ(コワっ)

相棒SPの中では「ピエロ」と並ぶ名作だと思います。ぜひご視聴ください。

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