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#104 家族ゲーム(2013)-戦慄すら感じさせた櫻井翔の狂気

ザテレビジョン紹介文

松田優作の主演で映画化、長渕剛でドラマ化されてきた名作のリメーク。家庭教師が落ちこぼれの中学生を教育しながら、問題を抱えた家族にも影響を与える。沼田家は、落ちこぼれで引きこもりの次男・茂之のために、インターネットで家庭教師・吉本荒野を見つける。早速、吉本に、茂之を県内トップの名門校に進学させるように依頼するのだが…。

原作・森田芳光の映画やドラマとは別物

評判の高い映画(主演・松田優作)やドラマ(主演・長渕剛)とはまったく異なる展開に強い衝撃を受けました。前作の先入観が強かったため、アイドル全盛の櫻井翔には荷が重すぎると思っていたのですが、アイドルのイメージを損ないかねないほどの狂気に満ちた主役の家庭教師・吉本荒野(桜井翔)の言動に対して、「本当に事務所は承諾したのか?」という疑いを持ってしまうほどでした。

壮絶ないじめと家庭崩壊

ドラマの舞台となる沼田家も面々も狂気に満ちていました。学業優秀、スポーツ万能の裏で万引きを繰り返す沼田慎一(神木隆之介)、いじめたりいじめられたりを繰り返す沼田茂之(浦上晟周)、ストレス発散のため家庭を顧みず不倫や不祥事を繰り返し会社を解雇される父親(板尾創路)、世間体に縛られ育児放棄や投資に走り自殺未遂まで起こす母親(鈴木保奈美)、この4人を暴言で破滅へと駆り立てる吉本荒野(桜井翔)。この展開が最終回の直前まで続くのですよ。

こんなシーンの連続

「いいねぇ~」から「うそだろう~」へ

最終回で吉本の狂気の謎が解き明かされ、家族の関係が修復されるのですが、感動も余韻もなく、縮み上がるような緊張感だけが残りました。ちなみにこのドラマでは、狂気に満ちた行動と共に「いいねぇ~」という決め台詞が添えられていました。制作局はフジから日テレに替わりましたが、大病院占拠や新空港占拠の「うそだろう~」にしっかり引き継がれているところが何とも興味深いですね。


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