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#懐かしの城崎荘

2024年、インバウンド景気で盛り上がる城崎温泉に一時期ハマっていました。2005年から2008年くらいの間、病みきった心身を癒すため、月2のペースで通っていました。はじめはロシアンルーレット気分を楽しむため、温泉協会の勧めに沿っていろんな旅館に泊まっていましたが、どうやら不人気の旅館ばかり紹介されていることに気づき、自分の意志で、幾つか試してみて、どハマりしたのが城崎荘でした。

木屋町通りの路地にある旅館で、ご家族で営業されていました。入り口は狭い路面に接しているのですが、2階の窓を開けると川面が視界に広がります。冬場の景色が壮大で、雪の積もった川縁に佇むトキに癒された記憶があります。城崎は温泉巡りで有名ですが、城崎荘の近くの御所の湯と一の湯には何度も通いました。朝風呂は小さいけれど荘厳なイメージの漂う御所の湯、夕食前は一の湯の露天風呂、夕食後は城崎荘の内風呂で寛がせていただいていました。

生来、無口なので、経営者の方々(お祖母さん、娘さん、お子さん)とお話ししたことは一度もありませんでしたが、毎回、「いつもありがとうございます」とお声がけいただき、温かく迎えていただきました。朝食後すこしゆっくりして精算後に柳の揺れる道なりに城崎駅に向かう中、後ろ髪を引かれるような郷愁を感じていました。

頼んだわけでもないのに、必ず同じ部屋を当てがっていただきました。部屋専用の旅のノートに一度、仕事の苦しさを綴ったことがありました。その次に訪れた際、そのページに心ない落書きを見つけましたが、何も言わず、何も綴らず、去りましたが、その次に訪れた際、そのページは削除されていました。おそらく経営者側の配慮ではないかと思い、心の中で感謝しました。

その後、仕事の環境が変わり、ストレスどころではなくなり、城崎荘に戻る動機がなくなってしまいました。コロナ禍で宿泊施設が窮状に喘いでいるというニュースが気になり、WEB検索したところ閉店されていることを知りました。あれから4年間、「ひょっとして」と思いながら検索を続けていますが、復活の兆しはないようです。自分は元気になったとはいえ、閉店前に感謝の気持ちを伝えられなかったことがさ残念でたまりません。

#城崎荘
#城崎温泉

#泊まってよかった宿

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