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#48 これは経費で落ちません(2019)-多部未華子覚醒を決定づけた最高峰のお仕事ドラマ

これは私が『一番』好きなドラマです

お仕事ドラマとしては、「私定時で帰ります」「重版出来」「校閲ガール」等が有名ですが、私見ではこのドラマが第1位です。要因は何といっても…

多部未華子の出世作

これに尽きます。それまではキレイなヒロイン役が多かったようですが、「ツバキ文具堂(NHK)」で『心の声』の魅力が認められ、「これは経費で落ちません」でさらに評価され、「私の家政婦ナギサさん」「マイファミリー」「一番好きな花」に繋がっていたのだと確信しています。

悪い奴がいない①

経理業務を通して、時に不正を暴くこともあるのですが、問題を起こす社員の人格や不正が起こる背景が丁寧に描かれていて、すべての登場人物に感情移入をすることができるのです。特に経理部のメンバーが個性的で、おやじギャグ連発でも愛社精神の強い部長(吹越満)、仲間の不正をかばおうと尽力する先輩上司(平山浩行)、ドジでも協働的に働く後輩(伊藤沙莉)、潔癖症と正義感が強すぎて周囲に溶け込めない中途採用社員(江口のりこ)、営業部へのライバル心むき出しのポンコツ営業部長(東京03角田晃広)など、みんな人間味があり、愛嬌がありました。

悪い奴がいない②

このドラマの後半で花を添えたのが、嫌味な秘書(ベッキー)です。ゲス不倫で芸能界から干されてた、まさにその当時にゲスい役で登場します。秘書の立場を利用し、傍若無人にふるまい、金遣いが粗く、関係各部署に無茶ぶりばかりするのですが、最終回で「保身」のために取った裏切り行為が、買収されかけた会社を救うことになります。逆転満塁ホームランを打った後でさえ、悪びれず嫌味な態度を連発するその姿に好感が持てました。あの時代にベッキーをあの役柄でキャスティングできたのは、スポンサー企業に忖度する必要のないNHKならではですね。

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