詠んだものの補足(2023/11/1)の2

これは、とあるVtuberのラジオを模した定期配信『ラジオガミ』の1コーナーに送ったお便りの補足エピソード。そのコーナーでは視聴者が出した中からランダムにお題を決定し、視聴者はそのお題に沿った俳句や短歌、それに準ずるものをお便りで送る。

それは2023/11/1に配信された、テーマが『ポケモン』だった回で、ラジオの第107回に相当する。私はいくつかそのテーマにまつわるお便りを送ったが、その中でもう1つをピックアップする。

春過ぎて
夏来にけらし
赤・青の
ソフト卒業
更の里山

百人一首から本歌取りっぽいものをしてみた句。本歌取りのことをよく知らないので、ラジオネーム「しょしんしゃです!!!」として投稿した。
ポケモンを初めてプレイしていた頃のような青春は過ぎて今は朱夏を迎え、私は『ポケットモンスター赤・青※』を卒業して、当時の思い出の里山は更地のようになってしまった。
※日本ではポケットモンスター赤・緑で、後から青が発売されたが、海外ではポケットモンスター赤・青だった。赤・青は朱夏・青春とも関連付けている。

本歌は夏の香具山の緑と洗濯物の白の色の対比を詠っていると私は解釈しており、それと『ポケモン』とは結びつかないのであくまで語感のみを本歌から借りたつもりだ。だから、本歌取りとは言わずに本歌取りっぽいと表現している。

この句を作るに当たっては、『ポケモン』がテーマと聞いて浮かんだのが「春過ぎて~」の句だったので、そこから「白妙の」の部分に色を入れて、その後の部分は似た音を意識して作ったぐらいでそこまで凝ったことはしていない。ただ、本歌の春・夏が絶妙に『ポケットモンスター赤・青』とマッチしたことには運命じみたものを感じている。