見出し画像

思い立ったが……?

思い立ったが吉日とは言ったもので、バイク旅が好きな私は、たまの休みにふとどこかに出掛けたくなることがある。
季節は秋だっただろうか、とある日の昼過ぎ、前日の仕事の疲れで午前中もぐっすり寝てしまっていたが、その時も天啓があった。「九州の陸続きで行ける最西端に行きたい」、と。
九州の地理に疎い方に念の為説明を挟んでおこう。九州の陸続きで行ける最西端は長崎県平戸市の平戸島で、九州本島から陸路でアクセスするには、佐世保の北西にある平戸大橋を渡り、平戸島を南西に縦断する必要がある。
私はそれを以前調べていたので、寒くなるより前に訪れてみたくなったのだ。簡単に食事や身支度を行い、バイク旅の始まりだ!

これまでバイクで九州の様々な場所を訪れており、道中の殆どは身知っている。途中、伊万里辺りで給油休憩を挟むが、基本的にはノンストップだ。止まるのは道の確認や給水、トイレぐらい。バイクに乗っている時間が楽しいので、必然的にそうなる。
特に道は迷わず、平戸島に到着した。
「17時半か……日没まであと30分も無いか?」
平戸島を訪れるのは人生初めて。目的地まで日没まで辿り着けるか怪しい。とりあえず少し進んでみるが、平戸島の国道は島の東側を通っており、西日が見えない場所も多い。
「これは、今日は諦めるか……」
結局、その日は諦めて引き返すことにした。ここから帰宅するにしても4時間以上掛かる。秋の夜は肌寒い。それならばと、佐世保付近で一泊することも考え、佐世保方面に針路を定める。
「起きた時刻遅いからそんなに疲れてもないな……」
結局、佐世保を経由したものの、その日はそのまま家に帰った。

翌年リベンジしてみたが、最西端までの道は封鎖されていた。ソーシャルディスタンスの意識もあるのだろう。市民以外は奥まで立ち入れないようだった。
またいつか、リベンジしたいと考えている。