兄弟で似ている所

他の記事でもたまに姉弟と言う言葉を用いているが、私には姉と弟がいて、その中に私と血液型が同じ弟が1人いる。私たち姉弟の外見は似ていないとよく言われるが、その弟とは内面の部分で似ている所がある。今回はそれを綴っていく。

子どもの頃、似ていたというエピソードは特に覚えていない。同じ場所で生活しているのだからある程度知っているものや興味が似るのは当たり前だろう。だから、これは私が社会人になってからの話である。

地元を離れて暮らし、盆や正月のような時期に連休が取れた時は帰省する。そして実家に着き、その弟と顔を合わせると弟はこう言った。
「兄ちゃん、"刺身"ってなんで"刺身"って言うか知ってる?切ってつくるのに"刺身"って呼ぶ理由、知ってる?」
私は返す。
「忌み言葉でしょ?確か、"切"が切腹を暗示して縁起が悪いから言い換えたんだっけ。」
弟は少し悔しそうにする。最近得た豆知識を披露しようと問題を出したが、残念ながら私は知っていた。
そう、弟はこうした豆知識や蘊蓄が好きで、私も気になったことは調べる性分のため、自然と豆知識を蓄積している。見た目は似つかないが、こうした部分は兄弟でそっくりだ。

母にもこういうことを訊かれたことがある。
「ねぇ、"地面"の"地"はなんで"ち"に点々の"ぢ"じゃないの?」
私は答える。
「それは、"地"の文字に"ち"と"じ"の読み方があって、その熟語では"じ"の読みを使ってるからだよ。」
即答する私に母は驚く。
「そっか、なるほど。さすが物知りだね。」
話を聞くと、職場の人からこの疑問を投げ掛けられ、近々私が帰省するので聞いてみると答えたそうだ。私は別に辞書でもなんでも無いのだが。

兄弟で似ている、というエピソードの紹介のはずだったが、元を正せば気になることを知りたいという性分は母からの遺伝だったのかもしれない。知らないことを知り、学ぶ。これは生涯を掛けて続けられる最高の趣味だ。