落合政権黄金期のドラゴンズは「守りのチームだった」という悪しき勘違い
皆さんこんにちは。ドラスタ | Dragons Stats (@dragons_stats)です。
近年の日本プロ野球では、どこのチームも判を押したように「守りの野球」を第一のテーマとして掲げています。この背景には、「守備率はほぼすべてのポジションで95%を超えており、頑張れば100%に近づけることができる」という考えがあるような気がします。
一方で、この考え方はBABIPが示す事実: [フェアゾーンに飛んだ打球がヒットになってしまう確率は3割前後に収束する] これを完全に無視しており、問題があるように思います。この部分もきちんと考慮するならば、「守りの野球とは奪三振を増やし、四球を減らす試みを指す」といった言及があっていいはずですが、聞いたことがありません。
さて、前置きはこのぐらいにして、我らが中日ドラゴンズも懲りずに「ディフェンスから」と言い続けています。ただし、中日ドラゴンズが守りの野球を掲げるにあたっては、少し他球団とは状況が違うように思われます。理由は2004~2011年における落合政権の黄金期。ドラゴンズファンの皆さんなら、当時のドラゴンズがこのように形容されているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。
「落合ドラゴンズは守りのチームだった」
果たして本当でしょうか。守りのチームが本当に強いなら、今のチームが強くても不思議ではありません。実際、チーム防御率は2021~2023の3年間でそれぞれリーグ1位、2位、2位と推移しています。
というわけで、今回は年度別の得失点について調査していこうと思います。
なお、今回の調査ではこちらのサイトを参考にしました。2024年のデータについては7/28の阪神戦までの結果を反映しています。
オフェンス面について
まずは得点から。平成以降の各シーズンについて、1試合あたりの平均得点の推移をグラフにしました。
ここで前提として、2011~2012年はご存じの通り統一球問題があったので、参考程度として捉えて下さい。
まずはここ4年ぐらいの得点力の低下具合に戦慄を覚えますね。参考程度と言った統一球時代よりも平均得点が低くなっています。今年も「飛ばないボール」が指摘されていますが、その影響があるのかないのか、目下史上最低記録を更新中です。
そして、2004~2011の落合政権時代は決して得点力が低かったわけではなく、むしろほとんどのシーズンで高い部類に位置していることが分かります。総得点数のリーグ順位を見ても、最下位だったのは2008年(チーム順位: 3位)と2011年(同: 1位)だけです。その他の年の総得点数は、1位: 1回、2位: 3回、5位: 2回となっており、決して攻撃力を軽視したチームではなかったことが分かります。
ディフェンス面について
同様に、1試合あたりの平均失点の推移を示します。
こちらも2011~2012年を無視して考えると、ここ4年ぐらいはこの期間で最も失点を抑えることができています。落合政権時代もディフェンス面で安定した成績を残していますが、近年のドラゴンズは落合政権時代よりも失点を防いでいるのです。
得失点差について
野球は得点を取り合うスポーツなので、当然得点を最大化し、失点を最小化することが重要です。ということで、最後に平均得点から平均失点を引いた「得失点差」をグラフにまとめました。
もう一目瞭然ですね。そりゃそうと言われればそりゃそうなんですが。順位を載せればよかった(めんどくさかった)ですが、チーム順位が良い時はきれいに得失点差がプラス(青)になっています。近年の低迷は、得失点差にはっきりと出ていると言って差し支えありません。当然だわ。
結論
投手と守備はもういいから得点力の向上に力入れてください (タツの指導と作戦はNG)
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