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時間と時計

私たちは、1日は24時間、1か月は30か31日(2月は28日)、1年は365日、4年1度の閏年には2月が29日までになると知っていて、時計やカレンダーを基準に生活しています。

その正確にずっと続くようにみえる時間という枠はいつできたのでしょう?

食べ物を得て生きていくことが大変だった古代を想像してみましょう。
あるいは、時計も電気もない世界へ行ったとしたら?

暗くなって活動しにくくなったら休み、明るくなっていろんなものが見えるようになったら活動する...。
昼と夜というのは感じやすそうです。

夜空に輝く月の変化のサイクルも、きっと意識しやすいでしょう。

もっと長い変化...星がこんな風に見えると川が氾濫するとか、この花が咲くとこれがたくさん実るとか、環境を観察して、自然の周期性を把握して、経験による知恵を大事にするには世代を超えた蓄積が要りそうですね。

紀元前約3500年頃、エジプト人は古代エジプトの太陽の神を象徴する石柱(オベリスク)を建て、その陰の位置から午前と午後を分け、1日の概念が誕生したといわれます。

紀元前1500年頃にエジプトでは日時計が使われていたようです。
12進法が採用されていたので、日の出から日没までの影ができる範囲を12分割。日没後は、星の観察によって12分割した、24分割が採用されました。もちろん季節によって日照時間も変わるし、各々1単位(1時間)の長さは均等にはなりません。

晴れた日でないと使えないので、特定の大きさで作ったろうそく、線香、火縄などが燃える距離や、水や砂が小さな穴から落ちる体積で時間の流れを図る時計が考えられました。

機械によって動く時計が実用化されたのは11世紀以降ですが、とても大きなもので近世までは一般的ではありませんでした。

14世紀になって、ヨーロッパで、錘を定期的に引き上げ、それが下がる速度を調節する仕組みが発明され、さらに1510年頃ゼンマイが発明されて、時計は小型化。

1583年ガリレオ・ガリレイが振り子の周期が振幅によらず一定であると発見し、1656年には振り子時計が作られ、1654年になると懐中時計が開発されました。

時計は、中世ヨーロッパでは、、神に祈りをささげる時を知るためのものでしたが、大航海時代に入ると、現在位置の経度を知るために正確な時計が必要となりました。

1分の誤差が経度にして15分(1/4度、赤道上で28km)もの差を生み、遭難や座礁事故が多発したためです。

フランス国王ルイ16世、ナポレオン・ボナパルト、イギリス国王ジョージ3世、ロシア皇帝アレクサンドル1世など、当時の最高権力者が依頼した、アブラアム=ルイ・ブレゲは数々の傑作を生みました。

その後、機械式時計は制度や携帯性が高められながら、職人による手工芸的な少量生産から、大量生産へと改良されていきます。

20世紀にはいると、電動機が動力として使われ、水晶振動子を使ったクォーツ時計などが出現します。

21世紀には、電波時計などさらに精度が高められてきたのです。

細かく正確に時が刻めるからこそ、ちょっとした誤差が気になるのかもしれません。時間に追われるといいますが、実は時計の刻みに追われているのかもしれません。明るいのを良いことに夜遅くまでもっともっとと欲張って疲れてしまうのも本末転倒?

時計の刻みに追われることなく、生きる時間を有効に生かしていきたいとあらためて思います。

基本に戻って考えてみます。

なぜ時計が必要なのかといえば...
人が協力してよりよく生きるため。

1日は、日の出や日没の周期、つまり太陽の見かけの動き=地球の自転周期です。

1年は、日の長さや季節の周期、つまり太陽の見かけの高度が変化する周期=地球の公転周期です。

1月は、月の満ち欠けの周期、つまり月の公転周期です。

なんだか急に壮大な感じですが、もともと私達は太陽系の中に、その影響の中に生きているのです。それを無視するように、ただ時計に追われてしまっては、ミヒャエルエンデの「モモ」の世界のようではありませんか?

私たちは本当はもっとダイナミックな中に生きているのに...。

天体や自然と密接な時の刻みは、旧暦として残っています。
そして新たに杉山開知さんによって開発されたのが、地球暦です。

地球暦(HELIO COMPASS)は太陽系を1兆分の1に縮尺した、時空間の「地図」です。春分の日をスタート地点にして、中央に配置された太陽の周りを巡る地球、月、惑星の位置関係を確認していきます。
天体の動きが俯瞰できるので、ダイナミックさを取り戻してくるように感じています。

こうした暦を時計とともに使っていくのもまた知恵なのではないでしょうか?

☆地球暦についての詳細やご購入はこちらのサイトでどうぞ。  http://heliostera.com/



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