見出し画像

ICL手術の体験談(初診〜手術後1週間まで)

この記事は有志による「雑談 アドベントカレンダー」に参加しています。

今回はテーマ「サイエンス」にこじつけてICL手術の体験談を書きます。医術ってサイエンスだし、万物って概ねサイエンスだから……。

主に手術当日とそこから1週間の生活について書いています。ICLの良さがまだ強く実感できていないので、ICLを褒め称えるような記事ではないです。
手術結果には概ね納得していますが、あくまで体験の一例なので、過度に信頼しないでください。

どうでもいいんですが、記事を書くことによって、世の中にはICL手術の体験談が溢れすぎていてタイトルの差別化が難しいという気づきを得ました。


ICL手術とは

以下は自分なりに調べた情報なので、手術を受ける人は必ず自身で調査し
てください

ICL手術というのはこういうものです。

もうちょっと言うと、眼内にコンタクトレンズを挿入して視力を矯正する手術です。
角膜を小さく切って、そこから折り畳まれたコンタクトレンズを挿入すると、中で広がって眼にフィットするらしいです。なんなんだその技術。
レーシックと比べて小さな傷(後に癒着する)を作るだけなので、可逆的な手術であることが特徴です。
料金はレーシックより高いです。クリニックによるので調べてみてください。

一度手術をすれば、基本的にレンズを取り替える必要はありません。
ただし、老眼が始まった場合は老眼鏡を掛けるのが一般的なようです。
また、年が遅いと老眼が始まり、年が若いと視力が安定しない(=ICL手術をしてもその後の視力も安定しない)ことから、18歳~40代半ばくらいまでが手術に適しているようです。

手術を受けた動機

よく言われる動機として、「コンタクトレンズを10年付けるのとICL手術を1回するのとでは後者の方がコストで勝る」というのがあります。
ですが、そもそも自分の場合は性格上、毎日コンタクトレンズを付けて外すという儀式が無理です。
なので眼鏡で妥協していたのですが、それでも「眼鏡のつるで耳が痛い」「付け外しが面倒」「マスクでレンズが曇る」「視界の端まで見えない」という小さな嫌さが積み重なり、手術で解消することにしました。
また、後々の老眼が避けられないことを考えると、手術が遅れるほど成果を享受できる期間が目減りしそうであるため、比較的若いうちにとっとと済ませてしまうか、という思い切りもありました。

眼を弄ることに不安はありましたが、厚生労働省に認可された手術であること、国内でも相当数の実績が出ているようであること、手術を受けてから普通に生活できている知り合いがいることなど、安心材料がありました。

病院・クリニック選定

自分なりに口コミを調べてはみたのですが、最終的には前述の知り合いに尋ねて同じクリニックにしました。調べるのが面倒になっちゃった……(T_T)
執刀医には相当数の実績があり、費用も平均的な気がしたので特に不満はなかったです。実際に通ってみたところ常に混んでいるという難点はありましたが、これは人気のクリニックなのでもう仕方がないです。

手術経験のある知り合いがいるなら紹介してもらえばいいと思いますが、そうでない場合は単純に経験豊富な執刀医が所属しているところを選ぶのがいいと思います。費用ばかり見ても安心は買えないので。

初診

初診では視力や眼圧の検査、目薬で瞳孔を開いてから行う検査等で1時間ほどあちこちを回ります。

検査が済んだら、執刀医から手術可否の判断(眼によってはそもそも手術できないこともある)を下され、問題がなければ手術の説明を受けます。
ここで手術後の感染症のリスクやハロー・グレア(暗い場所で光源に光輪が差して見える症状)の程度など、不安に思うことを質問しましたが、普通に手術後のケアを行っていれば特に気にすることはない、ということでした。
理想とする見え方については、このタイミングですり合わせるのが良いと思います。特にデスクワークが多い場合などに、近くと遠くだとピントの合い方が異なって仕事に影響するかもしれないので。

その後、手術日程を決定し、スタッフから手術前後のセルフケアについての説明を受けます。守らないといけないことが多いです。

  • 手術前

    • 3日前から1日6回目薬を点眼

  • 手術後

    • 1週間、1日8回目薬を点眼(手術当日は1時間に1回)。以降は目薬を使い切るまで1日4回点眼(長くて半年)

    • 3日間、内服薬を服用

    • 1週間、辛い食べ物の摂取禁止

    • 1週間、保護眼鏡(日中)と眼帯(睡眠時)を常時着用。癒着前の傷口を触ると感染症を起こすリスクがあるため

    • 1週間、アルコール禁止

    • 手術当日、喫煙禁止

    • 3日間、化粧禁止

    • 1週間、入浴・洗髪・洗顔禁止。首から下のシャワーは可。3日経過後は他人による洗髪も可

    • 手術当日はテレビ・読書・PC禁止。スマホも極力見ない

    • 1週間、運転禁止

    • 3日間、仕事禁止

    • 1週間、運動禁止。1ヶ月、激しい運動禁止

クリニックによりますが、どこもこんな感じなんじゃないでしょうか。
気になったのは「入浴・洗髪・洗顔禁止」「仕事禁止」あたりです。まともに風呂に入れないので夏場はそのあたりを考慮する必要があります。あとは3日間仕事ができないので、土日や祝日を上手く使いたいところ。
目薬と保護眼鏡・眼帯は面倒ですが、眼のためなので耐えましょう。

また、手術で有料の笑気麻酔を使用する場合、同意書を書いてくるように言われます。
これは手術中に意識が朦朧とするもので、主に不安や緊張を和らげるために使用されます。
痛みを制御することが主目的ではなさそうだったので、気分の問題であれば耐えられるだろうと思って同意書は提出しませんでした(伏線)。

最後に、領収書はちゃんと取っておきましょう。後から医療費控除を受けるとかなりの額が戻ってきます。

手術2週間前

改めて眼の検査を行います。手術に必要な情報は初診の検査で揃っていそうですが、そのまま手術をしても問題ないかのチェックなのだと思います。所要時間は30分ほど。

手術3日前

目薬の点眼を開始します。
ちょうど帰省の最終日と被ってしまい、車内や空港で目薬を差すことになりました。
また、冷蔵庫で保管しないといけない目薬があったのですが、クリニックのスタッフに事前に確認したところ、普通に外に持ち運んで常温の状態で差しても問題ないらしいです。え、いいんだそんなんで……。

手術前日

手術後は風呂に入れないという事情で外出がしばらく憚られるため、食料の買い出しをしておきます。臭いを気にしない猛者は好きにしてください。
風呂も入り納めです。満喫しておきましょう。

手術当日

手術前

来院前には絶食が必要です。お腹を空かせた状態でクリニックに向かいます。

まず、手術前にいつもの検査があります。
そのあとは手術まで待機なのですが、その間にスタッフが瞳孔を開ける目薬を定期的に差しに来ます。
待っている間は暇なので、 オモコロに載っていたおにぎりの記事などを見て過ごしていました。

今考えると、万が一手術に失敗して視力を失った場合、生涯最後に見た光景がとてもよいおにぎりたちの写真になる可能性があったわけですね。

自分の番が回ってきたら手術の準備を始めます。
服は手術用のものに着替えて、抗菌やら瞳孔を開けるやらで目薬を大量に差されてから手術室に案内されました。

手術

ICL手術の感想として、「ほんの10分ちょっとで終わる楽な手術だった」「痛みは思ったより少ない」というものが散見されますよね。
自分の感想は「初日の拷問」です。

  • 消毒用のガーゼを瞼の上からごしごし押し付けられる

  • 眼球際々の瞼を引っ張られて、目が閉じないように何重にも固定される

  • 眼球の消毒のために液体を頻繁にぶっかけられる

  • 切開創からコンタクトレンズを挿入するために眼球に器具を押し付けられる。鈍い圧迫感がする

  • その間、真上にある照明器具の光源を見続けるように視線を維持しないといけない

  • 挿入したコンタクトレンズの調整をするためか、ピンセットのような何かを眼球内で動かされる。鋭い痛みがする

肉体も消耗しますが、何より精神に響きます。繊細な器官を弄られることで脳が危険信号を発している感覚があります。
捕虜になった自分がこれを食らったら、明日からもっと長い時間をかけて酷く拷問されることに絶望し、組織の情報を全部吐くと思います。

片目だけ挿入を済ませた時点でかなりつらく、表情に出ていたためか、執刀医から「もう片目分だけでも笑気麻酔をしておきますか?」と提案されました。
麻酔代がもったいないため5秒ほど逡巡しましたが、結局折れました。

残る片目の手術を行う前に、鼻から笑気麻酔を注入されます。
これで意識が朦朧として気分が楽になるはずです。

……ん?

おい!!!!全然効いてねえじゃねえか!!!!!!!!!
怖い怖い痛い痛い!!!!

なんか笑気麻酔が効きにくい体質だったらしいです。もう二度と使わねえ。
でも会計時には笑気麻酔代を片目分の半額にしてくれました。やさしい♡

※ 念のため書いておくと、全ては手術を無事成功させるために執刀医やスタッフが行ってくれた措置であり、痛みや不安を感じたのは自分の体質・性格由来だったと思うので、手術内容について全く不満はないです
※ くどくなりますが、ここに書いた体験談はあくまで一例であり、人によって痛みや不安の感じ方は異なると思います

手術後

手術後は2時間ほど安静にして、そのあとに診察を受けます。
手術直後の15分ほどは眼と頭の痛みが気になりますが、段々和らいでいきます。
一方で、このときはまだ視界がぼやけていて、文字がはっきり見えない状態です。待機中はスマホを見ることもできないのでなかなか暇でした。

手術自体は15分程度で終わりましたが、その前後の時間が長く、拘束時間は6時間ほどでした。
来院直前に絶食していたためとてもお腹が空いています。ラーメンとライス中を食べて帰りました(拷問みたいな手術だったが、初日の拷問なのでまだごはんを食べる元気はある)。

無事に帰宅してからもパソコンの使用や読書はできません。
仕方がないので、この日は眠くなるまでWebラジオの「かまってみくのしん 」を流しつつベッドに横たわり、1時間に1回は目薬を差すために起き上がるという、視力を差し出してYouTubeという娯楽を与えられた独房の囚人のような生活をしていました。ラジオは面白かったです。

それで、寝るときにはプラスチックの眼帯を眼の上に覆い被せてテープで固定するんですが、クリニックから渡されたテープの粘着力が終わってました。
家にある代用品を探したところ、ぶっといテープがあったためそれを利用します。ということで、

毎晩これを着用します。なんこれ?

手術翌日

手術翌日の感想として、「朝起きた瞬間にクリアな光景が飛び込んできて感動した!」というものがよくありますよね。
実際には眼帯をテープで上から固定して寝るので、起きた瞬間には視界がテープに遮られてあんまり物が見えないわけです。邪魔すぎて笑っちゃった。
眼帯を外すと昨日よりはよく見えますが、まだ十全な状態ではないようです。例えば、椅子に座った時にデスク上のモニターに映る文字が若干見づらい、という感じです。

手術翌日にはいつもの検査があります。
ここで測定された視力が両目ともに1.2でした。この時点でどこまで見えるかには当然個人差があると思いますが、自分の場合は手術前の矯正視力が1.5だったため、それよりは見えていないです。
また、ドライアイの影響で眼球表面に細かい傷ができているようなので、急遽使い捨ての目薬1週間分を追加で出してもらいました。目薬代は10,000円でした。目薬1種類で10,000円!?!?!?!?!?!?

1,000円だったらよかったな~(関係ないけどサムネイルの表情がすごすぎる)

目薬の種類が増えたので点眼が本当に面倒です。
4種類の目薬をそれぞれ3分間の間隔を空けて差すので、1回終えるのに10分かかり、それが1日8回あります。助けてくれ~。

手術3日後

いつもの検査があります。
視力は右1.5の左1.2。もう手術前の矯正視力と同じくらいになっています。左目が充血しているのが気になりますが、これはそのうち戻るらしい。
ただ残念ながら、この時点ではICLの恩恵がまだ感じられません。
理由は明確で、保護眼鏡の着用が必須だからです。これだと度入りの眼鏡を掛けていた状態と大して変わりません。保護眼鏡を外せる手術1週間後が待ち遠しい。

また、この日から仕事が再開です。
自分はリモートワークなので、臭いで他人に配慮しなくていいのは助かります。出勤がある職種だとこの期間はなかなか大変そうです。

風呂に関しては他人による洗髪が可能になります。要は美容室で髪を洗ってもらえるということです。
ここで初めて美容室のシャンプー+ブロー(ドライヤー)のみの料金相場を調べたんですが、概ね2500円~のようです。2500円か……。

かくあれかし

眼に水が入らないようにする、という技術は求めているものの、洗髪中の気持ちよさや仕上がりの程度を求めているわけではないので、値段にちょっと尻込みしました。
結局、冬場だしあと4日の辛抱だし……という理由で髪はそのままにしておきます。お金は大事だし。

手術5日後

あああああ!!!!!!!!!!!!頭が痒い痒い痒い痒い!!!!!!!!
仕事に集中できない!!!!!!!!!

https://beauty.hotpepper.jp/

あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!


あああああああああああああああああ!!!!!!


ああ







無理な我慢は良くないです。

手術1週間後

このときには視界にほとんど違和感がなく、近くも遠くも十分見えるようになりました。仕事でもゲームでも外出でも、特に不便はありません。
残念ながら左目は引き続き充血しています。早く元に戻ってくれ〜。

退勤後はいつもの検査です。視力は両目共に1.5で、手術前の矯正視力に戻りました。
もう保護眼鏡は外してよいとのことなので、何も付けずに帰ります。
ここで初めて裸眼で外を歩いたわけですが、「なんか……なんか快適……かも」という感じです。目薬を差すタイミングなどでちょくちょく裸眼にはなっているので、あんまり劇的な感動がありません。
強いて言うなら、ラーメンを食べたときに視界が曇らなくて楽でした。こんな感想しか出てこないよ。

そしてついに入浴・洗髪・洗顔が解禁されます。これが一番嬉しいかもしれないです。
ということで、さっきお風呂から上がってきて、今この記事の最終チェックをしています。

今後

まだ定期的な検査が必要ですが、もうほとんど日常に戻ったと言えます。
唯一面倒なのは目薬の点眼で、頻度は減りましたがあと数ヶ月続きます。早く使い切りたい。

ICLによる快適さはまだ十分に実感できておらず(大体保護眼鏡のせい(でも今まで俺の眼を守ってくれてありがとう))、これから裸眼で生活していく中で次第に気づきが得られるのかなあと思っています。そのあたり、気が向いたら数ヶ月後か数年後かに追記しておきます。

また、運転免許に「眼鏡等」の条件が記載されている場合は、運転免許センターまたは警察署で解除する必要があります。これを忘れたまま運転すると罰金になります。
時間があるときに更新しておきます。

(2023/12/18追記)医療費控除申請とふるさと納税の関係

前述の通り、確定申告を出して医療費控除を申請するとそれなりの額が還付されてきます。

しかし、ここで注意点が1つ。ふるさと納税をしている場合の話です。
ふるさと納税には確定申告不要で寄附を申請できる、ワンストップ特例という制度があります。
これは確定申告を行わないときに有効となる制度なので、医療費控除を申請した場合、その年のワンストップ特例での申請は全て無効になります。
面倒ですが、医療費控除の申請時に、ふるさと納税での寄附額も併記しておきましょう。

おまけ

個人的に誠実&分かりやすいと思った体験談

シャンプーする女性の画像の出典

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?