ホール等での発表のLIVE配信についての覚書〜映像・音声編〜 #NAgours

 前回のはこちら。記事の概要などが書いているので読んでから来てください。

 この記事でタイトルの通り配信に載せる映像と音声について書く。ここが一番重たいのである。

以下目次

映像

 映像に関しては気にすることが数点あるが、少し多いのでとりあえず今回のライブでの取り込み仕様と問題点を記述しておく。

  • カメラ本体
    iPhone7本体、EpochCam有料版を利用

  • 取り込み方法
    Lightning(OUT)→USB-A(IN)

 ここで補足をしておくとEphocCamはスマホをWebCam仕様にしてくれるアプリである。有料版の場合画質は1080pを叩き出し「近距離であれば」ピント調節・明るさ調整を自動で素早くやってくれる優れものである。別に無線(Bluetooth)でPC取り込みしてもよかったのだが、無線であるが故にデータロスや切断の恐れがあること、後述のマイクが有線しかないので同期に問題があることから有線接続とした。

 さて、ここから問題点である。実は映像に関してはかなり懸念点が多かったもののリハーサルでごたついたため詳細な調整などができずに決行している。アンケートでは映像面に関していくつかご意見をいただいているので正直頭痛ものであった。

  • ピント・明るさ調節が全くうまくいかない
    先程「ピントや明るさ調節を素早く行う」とした。しかし利用したアプリがそもそもWebCam用であり、いくらiPhone7本来の機能で十分ライブを撮影するのに最適な仕様を持っていたとしても近距離でのみ使用することが想定されているため今回のライブのように先の方の舞台を広角で映すことには向いていない。さらにライブは照明変化が激しくその変化の速さやVividな色合いに対応できなかったのかかなり厳しい映像となった。(黒澤姉妹のデュオステージがその一例である。)
    そのかわりドアップにして狭い画角の映像は非常に良く写り、MC時にはかなり役にたった。

 とまぁこんな感じである。正直WebCamの性質をよく理解できていなかったので本来リハーサルで気づくべき事項である。

 今回は予算があまり割けなかったのと複雑な機材を利用するには少々時間が足りなかったことからスマホから映像を取り込んだが、本来は一般のカメラからPCへ映像を取り込むべきである。その際にはHDMI-USB変換を行う必要がある。
 「パソコンによってはHDMIポートがあるから変換器はいらんな!」と思ったそこのあなた。残念ながらHDMIにはINとOUTの概念があり、PCに標準搭載されているポートは一般にモニター拡張のための外部出力用OUTである。そのためINが基本的に入らないのでカメラから有線で取り込むためにはUSBに変換する必要がある。ここでかの有名なキャプチャーボードが必要になるわけだ。しかしこれがなかなか値が張る。普通はこれを使ってカメラから映像を取り込むのが当たり前であるので今後やる場合はこれの利用を検討しましょう。普通のデジカメや一眼はHDMI出力ポート・ケーブルがあります。

 加えて述べておくと、SONYの一眼カメラはカメラ本体をWebCamとして利用するためのソフトウエアが存在する。どのくらいの性能が出るのかは全くの未知数なのでパソコンのパワーとカメラに余裕があればやってみる価値があるかと。


音声

 パソコンに取り込む方法が一般のカメラからであればそこから音を取り込むことが可能なので基本的にあまり気にすることはない。(ただし取り込み方法がUSBかHDMI INである必要がある。ご存知のようにVGAには音声取り込みポートが存在しない)

 しかし音声を別に取り込むメリットがある。

  1. カメラを動かしたときに音が入りにくい
     三脚などにカメラを固定したときにどうしてもその音が入ってしまう。例えばテレビカメラなどのようにハンズフリーで手を離しても任意のポジションで特に操作することなく止まるならいいが普通の三脚の場合ネジを止めるなどしなけれならないので音が入る。

  2. 拾いたい音を拾いやすい
     基本的にマイクには指向性があり一定の方向の音にしか感度がない。なのでその向き以外から入った音は拾えないなどの特性があるため適切に配置すれば意図した音のみを入れることができる。

 1. に関してはたまたまマイクを持っている人が団体内にいたためこのように分離することになったがこの利点においてとてもよい効果を発揮したように感じる。マイクとカメラは基本的に分離した方がいい気がする。

実際のライブと問題点

 さて、パソコンとの接続方法であるが前回の記事を見てもらうとマイクからTRSミニプラグでオーディオアダプタに繋げてUSB-Aで入力している。
 実はリハーサル段階ではマイクから直接パソコンのヘッドセット端子(TRRS4極ミニプラグ)に接続していたが、実際ホールでやってみるとアホみたいに音質が悪くなる特性が発覚した。(テスト配信で気がつくことができなかった)おそらくパソコン端子が4極端子でマイク側が3極端子であったために何かしらでロスが出たと思われたので、オーディアダプターを購入した。
 オーディオアダプターはAmazonで2,000円程度のお安めのやつで、マイクとイヤホン用のTRS3極ミニプラグメス端子がついている。パソコン側のヘッドセット端子からマイクのみを入れるよりはちゃんとUSB Audio Deviceとして認識させた方がいいだろうと言う思惑だった。
 結果はアーカイブを見てもらった通りだが聴けるレベルにはなったかと思う。正直想定よりも悪かった。

補足:音質が悪くなっいた理由の1つとしてマイクブースト機能がオンになってたことが挙げられる。おそらくこの機能はWomdows10くらいから追加されている機能であるが、これはデジタル的にマイク音量のGainを上げる機能である。例えば普通のボイスチャットであればそこまで問題にならないものの、今回のように大音量のライブを取り扱う際には音割れの原因になりうるので注意しましょう。取り込み音量が小さければOBSでGainを調整することをお勧めします。

解決策

  1. マイクをUSB接続のものに替える
     実は今回使ったマイクはスマホに音を取り込む用のミニプラグで接続することを想定したマイクであった。デバイスマニュアル上はカメラなどにTRS-TRSミニプラグケーブルで接続すれば使えるとあるが、パソコンには特性が向かなかったのかもしれない。
     それに対してちゃんとしたUSBマイクであれば普通に音声を拾い切れた可能性を否定できない。

  2. オーディオアダプタを変更する
     映像でもそうだがアダプタというのは変換時にはとても重要なファクターである。アダプタも基本的にいいものを使う必要がある。今回のオーディオアダプタは正直いいものかよくわからない。とりあえず必要なので買った感が強い。

  3. カメラから音を取り込む
     本末転倒で、それでいて最も安定した方法である。もちろんこれは映像を正しく取り込めていることが前提であるが...

以上。音声でした。とにかくカメラを動かす音やバックエンドの操作音を入れたくないので指向性の高いマイクをカメラとは別におきたかったのです。

 なお、今回の編成ではカメラがiPhone7なのでイヤホン端子がなかった。これがイヤホン端子があるタイプのスマホであればマイクをスマホに直結しつつ操作を分けられるという事実に今気がついた。

 映像・音声に関しては以上です。パソコン周り、OBS設定関連はおそらく取り込みができれば特に書くことはないです。ハードウェア周りはあまり記述が無いもののソフトウェア周りは記述自体他の方が詳しいです。
 例えば弊団体でやったライブ配信の「この機能はなんだ!?」とかそういうのがあってよくわからないなどがあればご連絡ください。(特に変なことはやってないけど)

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