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ホール等での発表のLIVE配信についての覚書〜概要・配信・回線関連編〜 #NAgours

 唐突だが私はコピーダンスユニット、「名大ラブライブ!」のNAgoursにて色々と機器関連のお手伝いをさせてもらっている。去る2022年10月初頭に団体で初めての試みの生放送ライブを決行した。

 上の通りであるが、YouTube Liveの決行にはなかなかの試験配信など労力を要した。もちろん反省点も多々あったので記録兼今後何かしらで生放送をすることのある人たち向けに簡易的な生放送の方法などを記しておく。
 なお、のちにも項目ごとに書いていくがかなりの改善すべき点がある。ここに書くのはあくまでも「生放送の一つの方法」であり「簡易的なもの」であり、「最良の放送を提供するものではない」ことを先にご了承いただきたい。

 あと「このためには具体的にどんなデバイスを使ったか?」などのご質問には要望があれば答えますのでもしあれば連絡ください。

以下目次。


ここに書くこと

 このnoteには以下のことを書く。

  • 配信環境(配線・配信サイト)

  • 回線

  • 映像

  • 音声

 それぞれについて今回私たちが行った放送の方法・セットアップ時に考えていたこと、問題とその解決案と共に記す。長くなりそうなので記事をいくつかに分けることにする。

 なお一つ断っておくと、資金面と運営能力、準備期間に余力があるのであれば生放送は外部委託した方が良いものができるのは明白である。(元も子もないけど) ここから書いていくのでわかると思うが配信の質を上げるのはアマチュアの手ではかなり難しい。なお私自身も配信を外部施設で、しかもカメラ付きでやったのは初めてであった。以前から配信自体には興味があったので個人的にゲームの画面をキャプチャしてYouTubeで限定公開配信することはあったがこのパターンはまるっきり初めてである。この放送ではかなり試験的な意味合いが強かったライブであった。なのでよく配信をカメラ付きでやる人たちからしたありえんことをしている可能性があるのでその辺は許してちょんまげ。


配信環境

 配信を行うために用意した環境について。まず画像で当日最終的に使った環境の配線を載せておく。

配線概略図。今見ると思ったよりスッキリ配線できたなこれ。

 正直今見てもツッコミどころがいくつかあるがとりあえず今は置いておいてのちの項目に回すことにする。なお今回想定するのは「カメラから映像を取り込んでホールなどの外部施設内で配信をする場合」である。外でやる配信を想定していたのでなるべくごちゃごちゃした配線にしたくなかったのでかなり最小限である。


回線環境

 さて、早速回線環境から。まず一つ謝りたいのは、のちに記録するつもり満々だったのに会場の回線速度を測り忘れました。本当に申し訳ない。
 回線速度は上りと下りの概念がある。一般的に速度というとデータのダウンロードが中心であるが、配信をする上ではもちろんデータアップロードの方が重要である。とりあえずここで簡易的に測ることができる。

 なお私の自宅は確か有線回線でダウンロードが1.1 Gbps(1秒間に1GBダウンロードが可能)、アップロードが760 Mbpsであった。(正式な記録が残っていなかったので正しい値は不明。)正直簡単な生放送ではこんな速度はいらない気がする。多分ダウンロードで500 Mbpsもあれば十分ではないだろうか。電波に乗せる情報にもよるのでテスト配信は必ずする必要があるだろう。(のちに映像かなんかの項目に書きます)参考までに、私たちが放送を行った東文化小劇場からは事前情報でダウンロード1 Gbpsと言われていたが実際には80%程度に目減りした速度くらいではないだろうか。
 それから重要なのはパッケトロスである。これはデータ通信中にどのくらいデータをロスしたのか?という値であり、これが大きいと実際にPCに入力している映像や音声に対してデータが抜け落ちることになるので映像のフレーム数が落ちたり音質が悪くなったりする。これは配信ソフトの管理画面で監視することができる。

 また、回線はWi-fiよりも有線の方が安心だろう。ホール内は往々にして電波環境が悪く、接続が不安定なことが多いので配信がちぎれる可能性が十分ある。有線があるならその方が安心である。さらにノートPCにはたいてい有線LANポートが存在しない。なのでアダプターで接続する必要がある。私はUSB-Cから情報を流すタイプを選択しておいた。(USB-Aよりも転送速度が速いのでなんか良さげな気がしたため。Amazonで2~3,000円くらいだったと思うけどちゃんと使えた。)
 注意点として、LANケーブルにはランクがいくつかある点である。基本的に流せる情報量に上限があり、遅い方からCAT5e(1Gbps)、CAT6(1Gbps)、CAT6A(10Gbps)、CAT7(10Gbps)である。基本的に速いものを選んでおけば遅い回線にも対応できる。この規格がPCなどに接続するアダプター側にも存在するので注意が必要である。
 例えば、回線が2GbpsでもLANケーブルの規格がCAT6までだと1Gbpsまでしかやり取りできず、それを超えるデータ量は流すことができない。さらにLANケーブルがCAT7でもアダプターがCAT6までの規格だった場合は1Gbpsまでしか流すことができないのである。この辺りはかなり罠なのでよく考えて選ぶように。



配信サイト

 次に配信サイトである。配信サイトとして考えられるものはいくつかあるがいくつか挙げてみると、

  • YouTube

  • ツイキャス

  • Twitch

  • ShowRoom

などなど…色々ある。今回私たちはYouTubeLiveにしたがこれは単純にこれまでの動画がそこに投稿されていたのと詳細な設定がやりやすかったからである。ただしYouTubeLiveはアカウントを作っていないとコメントできない、著作権関連の審査が厳しくライブ中に配信を強制停止されることがあるなどの懸念点もある。その点ツイキャスであればTwitterアカウントでコメントが気軽にできるなどの利点があるのでその辺りは団体ごとに精査すべきだろう。(例えばラジオ企画を団体でしたときはそこまでの詳細設定をしなくても良く、コメントしやすいことを勘案した結果ツイキャスのソフトウェア配信を選択した。)感触的にはどれを選んでもさほど方法は変わらなさそうである。

 基本的にOBSやStreamlabs DesktopなどのPCの配信ソフトを介した「ソフトウェア」配信を想定している。YouTubeの場合はスマートフォンからの生放送も可能ではあるが、登録者数と総視聴時間による基準が設けられかなりハードルが高いのでまず無理だろう。(登録者数は1000人とかを求められていた気がする)またYouTubeLiveについてはYouTubeStudioから管理画面に入るが、一度申請のステップを踏む必要があり、通過するのに最大1~2日程度かかるので注意しましょう。

 配信環境に関してはこのくらいだろうか。(2022/11/23)また追記あれば書きます。

何か質問や、実際にNAgoursで配信をした時のことをお聞きになりたい場合はコメントか私に直接ご連絡下さい。(Twitterのアカウントをリンクさせたので特段問題なければDMできると思います。)

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