陰謀論と靖国神社と招魂と
上記は、主に陰謀論者によってまことしやかに信じられ、広められているが、魔術・呪術を少々かじった者として考えたこと…。
というのがその主張だが、いつも引っかかるのが、そもそも「死霊を眠らせずに呼び出す」ことができるのか?
ということ。
「生者に憑依させて[攻撃の鬼]にする(暗示をかける)」ことなどできるのか?
いやいや、攻撃の鬼になった生者なんて見たことないぞ?
「靖国」と「招魂神社」についての陰謀を読むと、いつもそこはそのまま受け入れられて、「招魂」なるものが「できる」という前提になっている。
既にここで、一つの問題が浮かび上がる。 それは、知識のない人は言われたままを信じてしまうということだ。 オカルトに対しても同様だ。 だから、支配者層は意図的に「オカルト」を隠そうとしてきた。 その儀式が何を意図しているのか、何の効果があるのか、一般の人にはわからない。一般の人がオカルトを信じず、笑うのは、そのように仕組まれているからだ。オカルトはフィクションで、エンターテイメントのネタとしかとらえていない。けれども、支配の上層へ行けば行くほど、「政教分離」はしておらず、オカルトの力を使っているのだ。
さて話は戻って、死後のことは誰にもわからないから、どんなことを言っても、完全に否定することはできない。 だから「招魂」も「できる」と言われれば、そうかもしれない、となるわけだ。
平安時代に行われていた招魂祭(しょうこんのまつり)は陰陽道によるもので、靖国での「招魂祭」(しょうこんさい)とは異なる。 陰謀論でもその旨指摘されていることもあるが、結局、混同されている。
これはつまり、臨死/仮死状態にある人、あるいは魂が抜けてしまった人を連れ戻す儀式と理解できる。だから基本「生きている人」に行うわけで、「完全に死んでしまった人」には禁止…というよりも効果がないのではと思われる。
では、靖国神社で行われている「招魂祭」(しょうこんさい)とは?
靖国神社で、毎年7月13日から16日に行われる「みたままつり」の祭典のことだろうか?
具体的な祝詞の内容はわからないが、慰霊祭だと言っている。神輿や日本各地の伝統芸能が奉納され(2021年は露店の出店や各種奉納行事は中止となった)、多くの人(毎年30万人!)で賑わう生きている者が楽しむ祭りは、慰霊ということでよいと個人的には思う。
光の祭典に招く慰霊のための招魂、というわけだ。
…まあ、献灯や祭礼、その他の収益がどこへ行くのかは別の問題だ(笑)
※すべて個人的な見解です!
おまけ
こちらのほうがよっぽど呪術的…。
追記
多くの陰謀論者が気になるポイントはこの部分だろう。
上記に出てくる「隠り身」という言葉の意味、調べてもハッキリとは出てこない。「日本神道の語。神は人間の肉眼では見えないこと、またその神の身。現人神の対。」(Weblio辞書)とある。
(この考えでは、つまり(国家神道において)現人神は天皇ということになるのだろうか…。)
「隠り身」という言葉が最初に出てくる文献は古事記らしい。
古事記の神々は、『見えにくい』だけであって存在は続いていて、世界を陰から支えているという解釈ということだ。
以上を踏まえて考えると、招魂社は戦没者を見えない神として祀っている、ということになる。
…続く。
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