★国語教師(12)

父の子供が生まれ、茶太郎と命名されました。僕の異母兄弟ですね。でも弟という感じはしません。まるで自分の子供のように思えます。僕はさっそく茶太郎に何かプレゼントしようと考えました。

部長にLINEで相談したら、茶太郎ではなく、ナオコさんに何かプレゼントしたらいいのでは?と言ってました。出産したばかりの女性が喜ぶプレゼントって、なんだろう?僕は全くのノー・アイデアです。出産経験もありませんし。

ビデオで茶太郎を撮影するというのはどうだろう。父に聞いたらスマホがあるから必要ないと言ってましたね。ナオコさんに相談したら自宅で使っているパソコンが古くなったので新しいマシンが欲しいと言ってました。

僕は休日に秋葉原に行き日本製のノートパソコンを買いナオコさんにプレゼントしました。ナオコさんはとても喜びました。

学校の話をしますね。国語チームの主任である夏目先生は間もなく定年です。おそらく志賀尚子先生が後任に指名されると思いますね。森先生は志賀先生より年上ですがどちらかと言えば唯我独尊Typeで、管理職には向いていないと学校側は判断しているようです。

先日阿部校長が職員50名を集め新宿の居酒屋さんを三時間貸し切りにして食事会を開催してくれました。国語チームは全員が出席しました。浅宮ゆかり先生、数学の綾見先生も出席です。石上先生もいました。

会は阿部校長の挨拶で始まり、石上先生が訓示みたいなスピーチをして乾杯の音頭は社会科主任の湯川先生です。

湯川先生は地理の授業を担当しています。50代で奥さんと二人暮らしをしており子供はいません。イギリス留学経験もある、なかなかダンディな先生です。海外旅行の経験も豊富です。いつもニコニコ、すごく温和な人なんです。

噂によれば湯川先生は次期校長の候補No.1だそうです。しかし、石上先生はなぜか湯川先生を嫌っており、今後の昇進は難しいかも、とゆかり先生は言ってました。石上先生はオーナー一族にしょっちゅう湯川先生の悪口を言ってるみたいですよ。

僕から見てすごく好ましい人が上司になったらうれしいですが、社会人の世界ではなかなか自分の理想郷に達するのが難しいようです。石上先生は自分が校長になりたいから湯川先生を蹴落とそうと企んでいるのです。

自分の理想郷を作りたいなら自分で組織を一から作るしかないんですよ。林マスターはそのように考えて学校をやめ、小さな店の主になりました。

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