★国語教師(5)

教頭の石上先生は40代前半で子供二人、我が校では躾担当みたいな感じです。北風と太陽で言えば阿部校長が太陽で石上先生は北風、ですかね。彼女は英語教官ですがたいへん厳しく、ピリピリした感じの授業をします。恐怖政治という言葉が浮かびます。

授業は最初から最後まで怒っている感じです。(笑)

僕は石上先生の授業をあまり好みません。あのやり方では英語嫌いの生徒が増えるだけだと思うんですよ。なぜもっと、楽しい雰囲気に出来ないのか。

しかしこれは世界中の教育現場の現実です。教師として適性のない人が教壇に立ってる例がたくさんあるはずです。

僕は新米教師ですが、常に謙虚でありたいですね。僕の授業を見学した先輩たちから指摘されたことは全部メモしてその内容を精査します。

灘の橋本先生の場合「脱線が多すぎる」という指摘があったようです。僕も脱線が多いほうかもしれません。でも、生徒を退屈させないためにやっていることですので大目に見て欲しいです。

ところで最近は「国語教師に政治経済、歴史の知識は必要か」というテーマであれこれ考えているのですが、僕の意見としては「その方面の知識もあったほうがBetter」ということなんです。

例えば夏目漱石の「こころ」では明治天皇の死に際して殉死した乃木将軍の話が出てきます。当時の国民にとって天皇というのは絶対君主、神様みたいなものだったのではないですか。現在も多くの国民は天皇家に対して好意的だと思いますが明治の頃の国民の意識とは明らかに違うと思うんです。

そのような歴史認識を持って「こころ」を読めば理解が一段と深まると思いますね。

阿部校長はたいへん教養のある人で、おそらくたくさんの本を読んで勉強したのではないかと思います。現在の僕は授業の準備や部活の顧問の用事などで、明らかに学生時代より読書量が減っています。

一方の部長は激務の最中、たくさんの本を読んで勉強してるんですよ。いったいいつ読んでいるのか不思議な感じがします。身近にこのような人がいるとたいへん良い刺激になります。

父は相変わらず「愛妻弁当」というタイトルでFacebookにナオコさんが作った弁当の写真を投稿しています。その投稿を読むとすごくホッとします。ナオコさんが父をちゃんと守ってくれている、と。

母が死んだあと僕が父の食事の世話をしなければ父はコンビニ弁当ばかり食べて仕舞いには病気になっていたと思うんですよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?