★国語教師(13)

学年5クラス200人に小論文の課題を出すと採点がたいへんです。一人あたり30分使うとして6000分=100時間です。毎日10時間やるとして10日もかかるんですよね。

なので、できるだけ簡単な問題を出し、次の授業の冒頭で答え合わせする、というやり方をしています。できれば中間テスト、期末テストもやりたくありません。(笑)

茶太郎を我が家に呼んで食事会をやることにしました。父、ナオコさん、部長、僕、そしてメインGuestは茶太郎です。

僕は朝早く起きて調理を開始しました。茶太郎はまだ母乳しか飲めないので彼のための料理は必要ありません。ワインは赤、白、四本ぐらい用意しました。部長は日々の激務で疲労が激しいので食事の用意は手伝わずパーティー開始ギリギリに来るよう伝えました。

ソーセージをボイルし、ピザ、グラタン、野菜スープ、ポテトサラダを作りました。近所の寿司屋から特上寿司四人前を出前してもらいました。駅前の人気店からケーキも取り寄せました。フルーツもたっぷり用意しました。

午後一時、父たち、部長がほぼ同時に到着しました。僕たちはビールで乾杯し、それからワインを飲みはじめました。ナオコさんは茶太郎を抱いたまま、終始笑顔で紅茶などを飲んでいました。

父も部長も顔がやつれ、仕事で疲れ果てている感じでしたが、すごく楽しそうに語り合っていました。部長は変顔を作りさかんに茶太郎を笑わせています。

五人でどこかに旅行しようよ、という話になり行き先はハワイになりました。来年部長は退職して専業主婦になります。そのタイミングで行こうよ、と。

まあでも、その前に僕たちの結婚式がありますからね。旅行はもう少し先でもいいかな。結婚式は親族のみ招待してこじんまりとやりたいというのが僕たちの考えです。

夕刻、父たちはタクシーで帰宅しました。茶太郎はナオコさんの胸で気持ち良さそうにすやすやと寝ていました。部長に「泊まっていく?」と聞いたら「うん、そうする」と彼女は答えました。

夜は近所の定食屋で軽めの食事をし、家で部長と過ごしました。僕は用意していた指輪を彼女に渡しました。「Mutsumi&Ryu」と刻印されています。僕は同じ指輪を二つ作ったのです。銀色に輝くシンプルな指輪です。

睦美はとても喜び、さっそく指にはめていろんな角度から指輪を眺め、僕を見てにっこり笑いました。僕たちは抱き合って朝までぐっすりと寝ました。

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