★読書愛好会(99)

僕は大学四年生になりましたので母校で教育実習をやりました。杉並学院の環境には慣れているためあえて母校にしました。担任だった先生たちに歓迎されてうれしかったです。

高校一年生に国語を二週間教えたのですが進学校だからでしょうか、授業態度の悪い生徒は一人もいなくて、授業はやりやすかったですね。

テキストは夏目漱石の「私の個人主義」にしました。漱石が学習院で講演した内容をそのまま記録した文章です。比較的短いので生徒が短時間に全文を読めるだろうと思いこの作品にしたのです。教育実習の思い出は数多くありますが、長くなるので別の機会に詳しくお話したいと思います。

部長は大学を優秀な成績で卒業してコンサルMに就職しました。新卒なのに年収が700万と聞き僕はとても驚きましたよ。外資系は報酬が大胆ですよね。

僕はお祝いに靴をプレゼントしました。新宿のデパートに行き、一緒に製品を選びました。部長はとても喜んでましたよ。父はかなり高級なボールペンを部長にプレゼントしてくれました。書き味が良いため父も気に入っているようです。

部長はこの先、そうとう忙しくなるはずなので会う機会は少なくなるでしょう。それは寂しいことですが、これから三年、部長は人生最初で最後の職業人という認識のもと、それなりの熱意で仕事に向かうわけですから僕の存在が彼女の邪魔にならないように気をつけたいです。僕からはなるべくLINE、電話をしないとか。もちろん彼女が会いたいと言ったらたとえ大地震が起きても迎えに行きます。

僕は残り20単位取得、履修科目はわずか五科目です。それに加えて卒論提出で卒業確定です。卒業論文にNGを出した教授は数少ないようなのでたぶん大丈夫でしょう。

自由時間が三年時より増えたので、その時間を利用して都内のコーチング講座に通うことにしました。他者に何かを教えるときにどのようなやり方をするのが適切か、がテーマで講師は宮田さんという男性です。数々の企業で指導者研修を実施した経験があるそうです。

宮田さんのことは父から聞いたのです。父の会社で宮田さんが度々管理職向けのセミナーをやっていて父が会社側の窓口のため自然に親しくなったと。

宮田さんの研修は月額三万円、半年Courseです。週二回、新宿にある宮田さんのオフィスに社会人が集まり研修を受講します。大学生は僕一人です。

「赤信号の時に横断歩道を渡ったらどのような危険があるか幼稚園児に説明しなさい」という課題が出て会社員たちが一人一人実演します。その行為が危ない理由を全く説明できない大人がいて、僕は非常に驚きました。(笑)

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