★読書愛好会(62) 

高校から「在校生に向けて何か体験談を」という手紙が来ました。部長にも何度か来たことがあるそうです。東大合格者だから、当然でしょう。しかし何故僕に依頼が来たのか分かりません。

僕はかなり迷いましたが断りました。後輩の役に立つ話をする自信が全くありません。僕自身、将来の職業が決まってなくて迷い続けているわけですから。

かつて部長も何度か断ったそうです。ノーギャラの仕事はしない、と。(笑)

最近考えているのは私立高校の国語の教師です。いちおう、教員免許のための科目は履修してますので学校に空きがあれば大丈夫じゃないですか。

これは林マスターの影響です。マスターは私立高校の英語教師でした。なぜ辞めたのかというと、飽きたそうです。(笑)

ただ、先生の仕事自体は面白かったと言ってました。進学校ではなかったため、受験英語を意識することなく、自由な発想で授業の組み立てができたそうです。

英語の尻とりゲームなどを延々とやっていたそうですよ。

nice→easy→yes→sun、とか。同じ単語を言ったら負けで、英和辞典持ち込み可というルールです。教室はかなり盛り上がり、英語が大好きになって英検一級を取得した生徒もいるそうです。かなり素晴らしい成果ですよね。

よし、先生を目指すかな。部長に相談したら「君は教師に向いているかも」と言ってましたね。なぜ?と聞いたら「知的好奇心が旺盛だから」と彼女は言います。

父に相談したらやはり賛成でした。お前は本が大好きだし、真面目だから、と言ってました。

僕は都内の私立高校について調査を開始しました。進学校ではなく、教育理念がしっかりしている、歴史ある学校という条件で探しています。

夏目漱石の「坊ちゃん」を改めて読んだらすごく面白かったです。坊ちゃんと山嵐は数学の教師ですが、この、理系の二人が上司である教頭の赤シャツとその子分を殴り、成敗するわけです。

理系というとなんだか腕力とは無縁の感じがしますけど、この二人は任侠の世界に生きている人々という感じがして、このようなキャラクターを創造した夏目漱石はやはり異脳というか、単なるエリートではない、高潔な精神と親しみやすい庶民的な心を両方持っている大した作家だなあと改めて思いました。森鴎外とは明らかに違いますね。

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