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156DAY ‐補助金応募録‐

 ある日私は、ワークショップの活動に関して補助金を応募できないかと思った。ワークショップの活動はまだまだだが、その活動内容は個人的に良いと思ったからだ。「学生や複数人の人々が媒体上で作文を投稿しあい、それらに意見や討論を行える環境を作り、自分の一つの作品を作り上げる。」これが自分のワークショップのコンセプトであり、自分でもそれを補助金の応募という形で展開していくことはとても意味があると思った。そんなわけで、自分はネットで、自分のワークショップのコンセプトに見合いそうな補助金の応募要項を探した。そして人生で初めて補助金の応募をやらせてもらうことになった。

 休日の午前中くらいに、自分はさっそく見つけた補助金の応募用ホームページをノートパソコンで開き、提示された欄への書き込みを開始した。最近では、ネット上で補助金のすべての手続きができるようになっている。活動団体名、そのほかの詳細、活動内容。これらのことを書き込めばいい。活動のコンセプトがはっきりしていれば一日くらいで出来そうな感じだった。しかしそれは書き込む欄の量だけを見ればの話で、実際は活動内容を補助金を給付してくれる相手に「いかに伝わりやすい」内容かを考えなければならなかった。「いかに伝わりやすくする」か。それは他人と付き合ううえでも最も重要な要素だ。自分がどんな考え、態度、性格を持つ人間なのかを非常にまとまった感じで伝えねばならない。コードがちぎれていれば電気が伝わらないように、言葉を伝わりやすくつなげて構成する必要がある。それは社会におけるあらゆる場面におけるキーアビリティなのだ。

 自分は結局お昼と夕飯をはさんだ夜まで時間を費やし、応募用ホームページへの書き込みを終えた。いままでに人のために作文を書いたことが無いわけでは無かったものの、金が絡む話ともなると一層緊張感が増していた。応募した後、結果は後程届くと書いてあった。

 二週間くらいたって、メールが来ていた。内容には「落選」と書いてあった。「予想はしていた」が60%。「あー落ちたのか…」が30%。「畜生」が10%くらいのやるせない気持ちになった。補助金の定員は50組、落選したということはその50組の方が相手にとって魅力的に感じたのだろう。企画内容がダメだったのか、自分の作文力が及ばずだったのか、はたまたその両方か。なににしろ自分にとってはマイナスなことばかりだ。だがマイナスなことはとらえようによってはプラスになりえる。次は通過するぞ!、と言いたいところだが、それに関しては慎重に考えることにする。それよりも今できることをやろう、といろんなことを考えるようになった人生初の助成金の応募だった。



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