マガジンのカバー画像

吉岡と藤田

10
下書き再生工場の吉岡と藤田です
運営しているクリエイター

記事一覧

第23話 僕たちはどうイキるか【下書き再生第二工場】

 渋谷でジブリの新作「君たちはどう生きるか」を観た帰り、お腹が空いたよねと藤田が言うから…

第20話 テレビと喧嘩【下書き再生第二工場】

 大学の正門の向かいにある古びた喫茶店でわたしと吉岡先輩はテーブルを挟んで向かい合って座…

第18話 地球とグルグルバット【下書き再生第二工場】

 大学の正門の向かいにある喫茶店は暇を持て余した学生達の溜まり場だ。大人ぶりたい学生達の…

第15話 8周目の人生を生きてます【下書き再生第二工場】

 取引先の近くの喫茶店で次のアポまでの時間をつぶしていると、テーブル越しに座っている藤田…

第11話 若く見られて困ってます【下書き再生第二工場】

 金曜日の午後5時半。今日中に終わらせなければならなかった最後の仕事をなんとか終わらせて…

第9話 性アホ説【下書き再生第二工場】

 冷たい風がキャンパスの校舎の間を吹き抜け、街路樹の落ち葉が風に舞う頃、大学の裏門の向か…

第7話 カリブを渡るリズムを刻む手段【下書き再生第二工場】

 その夜、俺と藤田はお互いの職場の近くにある居酒屋にいた。ネクタイを締めた中年男たちで賑わう店内で、俺達も他の客たちと同じように、店に入ってすぐにネクタイを緩め袖を捲り上げてよく冷えたビールで乾杯した。  旧友同士、何の気兼ねも無く他愛のない会話を楽しみ、俺の三杯目のビールジョッキが空になるころ、藤田が俺をみて口を開いた。  「なあ吉岡。俺達が中学生の時に隠れ家を作っただろ。憶えているか」  「ああ。憶えてる」  藤田が目の前のホッケをつつきながら俺をみた。  「あ

第6話 音楽が奏でる耳先生への階段【下書き再生第二工場】

 おそらく日本中の多くの小中学校がそうであるように、僕が通っていた中学校にも怪談話があっ…

第4話 〇〇しか愛せない、困った嗜好【下書き再生第二工場】

 大学の学食で遅めの昼食をとっていたら、友人の藤田がいきなり隣の椅子に座った。突然現れた…

第2話 ほくろ毛【下書き再生第二工場】

 絶対に落すわけにはいかない講義の日に寝坊をしてしまった。日付が変わってからもなお遊び続…