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2024 凱旋門賞


はじめに

 これはあくまで馬券を買うならという想定の記事です。今年は強豪が軒並み回避してるので、日本勢は本当にワンチャンあります!
 よい子のみんなは瑠星君とタッケを応援しようね!

基本情報及びコースなど

ロンシャン競馬場芝2400mコース

①コースの特徴

 芝2400mの1ターンコース。最大の特徴は欧州にありがちな「山を切り分けて、路盤改修を施していない競馬場」という点で、向上面やコーナー、直線で路盤が全く違うことが多く、足場が粘土質な箇所もあれば砂利が敷いてあるところなど様々。また、高低差は約10mもあり、起伏の激しさが目立つ。加えて土地柄から雨が降りやすいものの影響を受けやすく水はけが悪いため、馬場状態が回復しづらく更にハードになりがち。
 日本とは異なり自然を大切にした競馬場作りを行った影響で、「足元はバラバラ」「高低差10m」「水はけが悪く馬場が回復しづらい」といった、タフになりやすい欧州の競馬場の中でも、屈指のハードコースである。

②コースレイアウト

 コースレイアウトとしては「約1000mのバックストレッチ」と「約900mのコーナー+フォルスストレート」、そして「スタンド前の直線533m」の3パートに大別され、それぞれにポイントがある。イメージとしては京都競馬場が近しい。
 「約1000mのバックストレッチ」では400m~1000m地点にかけて10mの勾配を登っていき、コーナリングしつつすぐに下りに入る。きつい勾配を登っていくこともあり、ここで消耗するわけにもいかないためペースとしては緩くなりやすく、隊列もすぐに決まりやすい。逆に言うと位置を取りづらいということになるので、外枠不利と言われる点はこの部分。
 「約900mのコーナー+フォルスストレート」では1000m登り切った先ですぐに下りに入り、コーナリングをしてから250mほどの直線が待っている。下り坂で我慢を重ねてきた馬が、最後の直線と勘違いして行きたがる場合もあり、ここで無駄な動きをすると終盤のスタミナロスに影響する。
 「スタンド前の直線533m」は、平坦で坂の無い最終直線。例年この日に柵替えが行われることから、内が使えるケースが多く、外差しが決まりにくい傾向にある。

③近5年の勝ちタイム及び本年想定

2019年 重馬場
2:31.97 優勝馬Waldgeist

2020年 不良馬場
2:39.30 優勝馬Sottsass

2021年 不良馬場
2:37.62 優勝馬Torquator Tasso

2022年 重馬場
2:35.71 優勝馬Alpinista

2023年 稍重馬場
2:25.50 優勝馬Ace Impact 

 昨年は稍重馬場と表記しつつもほぼ良馬場と差のない状態であったが、重/不良馬場となることで明確にタイムに差が出るコースであることがわかる。本年は現地発表から重馬場の想定。ペネトロメーターも3.6程度の予報ということで、馬場が緩く重馬場の想定で問題ないと考える。
 
 土曜日に実施する同コース2800mのロワイヤリュー賞と合わせた過去6年比較は以下。
 

ロワイヤリュー賞(2800m)
2019年 3:10.98
2020年 3:11.22
2021年 3:09.67
2022年 3:13.76
2023年 2:57.06
2024年 3:03.51

凱旋門賞(2400m)
2019年 2:31.97 重
2020年 2:39.30 不良
2021年 2:37.62 不良
2022年 2:35.71 重
2023年 2:25.50 稍重
2024年 ?

 土曜に行われたロワイヤリュー賞は昨年よりも少し遅い程度のタイム。更に日曜にかけて雨が降っていることからも2:30よりも少し遅いくらいの決着タイムが想定される。(2019年辺りに近いか)

④過去傾向

2017~2023開催での馬券内入着馬

某サイトから拝借。
①重~不良馬場では内枠が明確に有利。(2017年は1,2,3枠決着)
②3歳、牝馬が斤量の関係もあるが好走しやすい傾向。

2020~2023
2016~2019

某サイト②から拝借。
 欧州では鉄板の血統構成となる、パワーがあり、タフなレースに強い「ガリレオ(父のサドラーでも)×デインヒル(父のダンジクでも)」の組み合わせが非常に多い。これはここまでの記載からも本コースがあまりにもハードなためで、スピードを重要視するサンデー系、ミスプロ系等のみではスタミナが持たず能力を活かし切れないためである。

⑤予想

2200時点オッズ

◎16.アヴァンチュール
○ 14.ロスアンゼルス
▲ 7.ブルーストッキング
☆ 2.アヤザーク
△5,10,11,13

欧州筆頭のシティオブトロイが出走せず、同レース出走馬もあまり出ないことから好走傾向を重視。

16.アヴァンチュール は3歳牝馬のダンジグ×サドラー構成。前走ヴェルメイユ賞ではブルーストッキングの2着となるも、本レースでは鞍上が変わっていたこと、イン前が極端に有利で1、3着は2番手馬、逃げ馬で決まっていたのでTBが強く度外視しても良いと考える。同コース同距離のロワイモヨン賞では2分31秒台を出すなど、本コースの適性の高さが魅力。パスキエ騎手へ戻ることで前走よりも好走できると考え本命視。

7.ブルーストッキング は4歳牝馬の父キャメロット(サドラー×デインヒル)に母父デインヒルの構成。前走ヴェルメイユ賞1着馬であり、明らかに展開が向いた点は否めないが、2走前の英インターではシティオブトロイの4着に好走するなど地力があり、起伏の激しいカラ競馬場の重馬場でも好走するなどタフなレースに強い印象がある。今回は相手関係も弱化しているため相手には抑えておきたい一頭である。

14.ロスアンゼルス は3歳牡馬の父キャメロット(サドラー×デインヒル)に母父デインヒルの構成。前走の愛チャンピオンSでは4着と奮っていないが、本レースでは8頭中4頭が同厩舎で、陣営としても同厩舎のオーギュストロダンに勝ってもらう想定で鞍上も変えており、陣営側のコメントも「凱旋門賞出走に向けた叩きであり、良くて2,3着」とかなり弱気だった。それが本レースではオーギュストロダン回避に伴いムーア騎手に戻り(恐らく使い分ける気があり、ほぼほぼ出走する気は無かったと見る)、状態も回復しているとのことで、前走よりも遥かに高いパフォーマンスが期待できる。とはいえ本年の天候から良馬場でのレースが多いため、愛ダービー勝利など実績は目立つもののオッズほどの過信はしづらい。

2.アヤザーク は5歳牡馬でミスプロ×ミスプロの構成。ぱっと見全く傾向に合わない本馬ではあるが、母側にダンジグ×ヌレイエフ(サドラーの3/4同血弟)を持っているなど、タフなレースに強い馬。昨年の凱旋門賞では15着ではあるものの、良馬場の脚比べには厳しく、スルーセブンシーズにぶつけられてやる気をなくしていることもあり、本領を発揮せず。取れて3着だとは思うが、現状のオッズなら面白い一頭。

⑥終わりに
 本年の凱旋門賞はオッズから見てもわかる通り混戦気味で、どの馬にもチャンスがあると見て良い。
 重要なポイントとしては「昨年後半~今年前半の欧州のレースは良馬場開催が多く、良績をアテにしづらい」ということ。前述の通り、同じ欧州でもアスコットの良馬場とロンシャンの重馬場では全く違うものとなる。重馬場得意でもオッズのついている馬も多いため、狙いどころは多い印象。
 また、そういった意味でも不良馬場の凱旋門賞を制したソットサスの全弟であるシンエンペラーには期待したい。頑張れ瑠星!

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