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2023ドラフト 楽天編

投手の高齢化が進む中、Aクラス入りを逃してしまった楽天イーグルス。野手陣も強力ではあるものの年齢層は低くはなく、漸進的な世代交代が求められる。
その中で例年以上に豊作と言われる今年、どのようなドラフトをしていくか。

ドラフト1位 常広羽也斗

 常廣羽也斗(青山学院大)投手
180cm 73kg 右右

最速155km/hのストレートと打者の手元から消えるように落ちるフォークが持ち味。
ストレートは力はあるもののややシュート回転気味で特に右打者に甘く入る場面も散見される。
制球は武器になるレベルではないが、安定している。
今年のドラフトでは西舘と並んで大学生右腕トップの実力を持っており、先発陣の不足及び高齢化が進む楽天としてはぜひ獲得したかった選手。

ドラフト1位 前田悠伍

前田悠伍(大阪桐蔭)投手
180cm 80kg 左左

実績は間違いなく世代最強左腕。一年秋時点で既に完成度が高く、それ故に二年夏からは伸び悩んだ印象。
速球のスピードアップには成功した一方で球質制球
ともにムラが大きい。
球種はスライダー、チェンジアップ 、フォーク、ツーシームなど多彩で、制球含め高校生離れした完成度。
二段モーションを解禁したU18での圧倒的な活躍は、プロでも通用しそうな魅力を感じる。
補強ポイントとは外れるもののシンプルに評価の高い選手を撮りに行った様子。

ドラフト1位 古謝樹

古謝樹(桐蔭横浜大)投手
181cm 76kg 左左
ホップ成分の大きい良質な最速153km/hのストレートを武器にする左腕。所謂出所の見えにくいフォームも相まって、かなり良質なボール。
スライダーとチェンジアップをはじめ多彩な変化球を扱う。
制球も破綻があるタイプではないものの、上擦りがちなストレートを乗りこなせるかが今後の鍵。
実績では他の上位候補にやや劣るもののポテンシャルはドラ1に相応しくトップレベル。
来年即戦力という感じではないが、早い段階で出てくる可能性もある。

ドラフト2位 坂井陽翔

坂井陽翔(滝川二)投手
186cm 89kg 右右
高校生トップレベルの評価を受ける右腕。
高校からの投手転向ながらも最速149km/hのストレートもスライダーやフォークなどの変化球も斬れ味抜群でセンスの高さを感じられる。
右に左に安打を量産する高い打撃センスの持ち主ではあるが、流石にプロでは投手だろう。
早い段階で取りに行った印象はあるが伸び代も大きくドラフト2位も納得の好投手。

ドラフト3位 日當直喜

日當直喜(東海大菅生)投手
190cm 100kg 右右
今ドラフトトップクラスのスケールの持ち主で、190cmの高い身長から投げ下ろされる直球は最速151km/hを公式戦で記録。ドラフト後の記事では最速154km/hを記録したという情報もあり非常に楽しみな選手。
スライダー、カーブ、フォークなどの変化球も操り、大柄な割に制球も安定している。
上位も納得の選手で身体もできているため早い段階で出てくるかも。

ドラフト4位
 ワォーターズ璃海ジュミル

ワォーターズ璃海ジュミル(日本ウェルネス沖縄)
内野手 177cm 71kg 右右
超俊足と安定した守備が魅力の遊撃手で右打者ながら一塁到達4秒1前後で4秒を切ることも。
守備に関しても高校までは外野をしており、遊撃手は高校からの挑戦ながらプロからも評価が高くスローイングも安定している。
反面打撃が課題で、やや粗く状態によるムラがありそう。
うまく育てればショートをハイレベルに守る周東のような選手になれるかも。

ドラフト5位 松田啄磨

松田啄磨(大産大)投手
184cm 67kg 右右
今年春夏通じて15試合121回を投げて10勝1敗防御率1点台前半と圧倒的な成績を残した。
明らかに体重が軽いことからも分かる通り、大卒ながら即戦力というより素材型で最速149km/hのストレートを更にボリュームアップしていきたい。
また奪三振は多くないので現状のスライダーとスプリットの他にマネーピッチを身に付けたいところ。

ドラフト6位 中島大輔

中島大輔(青山学院大)外野手
180cm 78kg 右左
戦国と呼ばれる東都大学リーグでこの2年間で、46試合に出場し、打率.289 3本17盗塁と好成績を収めた外野手。
一塁到達4秒を切る俊足が魅力的。守備も安定しているため、打撃次第では1年目からレギュラーの座に着く可能性もある。
いち早くプロのレベルへの適応を目指したい。

ドラフト7位 大内誠弥

大内誠弥(日本ウェルネス宮城)投手
191cm 77kg 右右
最速144km/hをマークする長身痩躯の右腕。まだまだ体ができていないながらも好調時は三振を量産し、ポテンシャルの高さを感じさせる。
かなり素材型の投手であるため現段階での球速は気にする要素ではないかもしれないが、この球速の右腕の支配下指名はかなり珍しい印象を受ける。

ドラフト8位 青野拓海

青野拓海(氷見)投手捕手一塁手
180cm85kg 右右

投手として最速145km/hを記録する右腕でありながら、捕手や一塁手もこなすポリバレントなプレーヤーで卒業後は三塁手として戦う予定で三塁や遊撃の守備練習を行なっている。
高校通算23本塁打のパンチ力と153km/hのスイングスピードをさらに磨き上げたい。
なかなか定着できない三塁のレギュラーを狙いたい。

総括

今年の楽天はかなり意外性のあるドラフトをした印象で、即戦力が欲しい状態ながら来年一軍での活躍が見込めるのは1位の古謝と6位の中島のみと、かなり素材に振り切ったドラフトを行った印象。
個人的には目先の優勝に焦らず、欲しい選手を取るのはむしろ評価できるように感じるが、それを抜きにしても4位以降の序列はかなり独自性が出ているように感じる。
楽天が以前に独自性を強く打ち出した2年前のドラフトは現状苦しい状態だが、それを跳ね除ける活躍を今年のドラフトにも2年前のドラフトにも期待したい。

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