外国人によく声をかけられる

 そう言えば、前の京都アバンギルドのライブの時に、路上で外国人に声をかけられた。
 40くらいの男性と女性。男性はお金が全くなくて困っており、お金が欲しいという。言葉はかなりカタコトで日本に来て長くはない人だと窺える。
 その男性が言うには東京に家があってそこに帰りたいが手持ちがないという。
 お金を簡単に渡してしまうのはよくないことだと思い、市役所が近いからそこに行くように伝えた(後から考えたらもう閉庁してる時間だったけど)
 その人は何故か役所には行かないという。そして、500円欲しいと金額を提示してきた。微妙な金額。出せなくもない。でも500円で何ができるのか。500円で食べ物を買って歩いて少しずつ東京に帰るという。突然、家族がいるということを言って家族のパスポートみたいなのも見せてきた。そして、家族は京都にいるという。ん?それならその家族に頼っては?やりとりは噛み合わない。男性も少しイラ立っている様子。
 やりとりをしているうちにもう一人いた女性が日本人だとわかった。その女性は最初から気が引けたのか、こんなにカタコトで訴える男性を全く援護しない。
 とりあえず、僕はスマホで役所の地図を見せてここに行ってと女性に伝えた。曖昧な反応。
 最終的に話がのみ込めなかったのでごめんなさいと断った。
 男性は最後に僕の肩を叩きながらこう言った。「気をつけて」。怖い。
 
 僕は何となく罪悪感を感じた。さらっと渡すか、さらっと断るべきだったかも知れない。不自然なところは多いけど本当に困っていたかも知れない。でも、渡していたらそれはそれで後悔していた気もする。

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