走ることの意味って?

さて、今回のトピックみなさんはどう思いますかか? 
走るということは簡便性がり、これといった機材も必要ないので、誰でも運用しやすい反面、安易に選択してしまうコンディショニング、トレーニングではないでしょうか。今回は走るということについて再考していきます。

海外のトレーニングコーチの考え

MLBのトレーニングコーチとシーズン中のコンディショニングについて話を聞いたことがありますが、『一番良い無酸素性トレーニングはwork outをすること』と言っていました。違うチームのトレーニングコーチはスプリントもコンディショニングメニューに入れていたので、スプリントを重要視していない訳ではないようですが、有酸素メニューを取り入れる事には懐疑的な流れのようです。たしかに、外国人選手がコンディショニングを整えるという時にスプリントを選択する選手は数少ないです。一方で、Work outは精力的に取り組んだりします。

走ること、フリーウェイトの落とし穴

走ったり、トレーニングをすることは選手にとってパフォーマンスアップ、コンディショニング維持としてどちらも必要です。必要ですが、手段が目的化されてしまうと途端に根拠のない取り組みになってしまいます。ハマるときもあればそうでないときも出てくる訳です。もっと言えば、それをしていても積み上がっていくものが弱い。野球界では身体のキレが悪くなったら走れ、打てなくなったら打つよりも走れという習わしがあったりします。でも、選手がなぜ状態が落ちているかを把握していないと逆効果なことも存分にあります。実は疲れが溜まっていて、キレが出ていないのにさらに疲労を溜めてしまうことになってしまうのです。これはフリーウェイトにも同じことが言えます。

走るという要素に運動学習をトッピング

走るというコンディショニングは機材も必要なく、フィールドがあれば出来てしまうので、安易に選択しがちです。スプリント能力を高めるには、CMJの能力だけを高めても、その能力を転移するのは難しいとされています。僕は昨年、マーカー走というのをよくやりました。等間隔にマーカーを置いて脚の引き上げを意識させて、脚が流れるのを抑える効果を狙いました。
この効果で下肢障害は減り、スプリントタイムも上がったりしました。
スプリントに運動学習の要素を持ち込んで、下肢障害を減らし、パフォーマンスの向上が出来ました。こうすると選手も走らされるという受動的なものではなく、意味を持って取り組んでいくことが出来ます。

10mとフリーウェイトの関連づけ

10mのスプリントタイムは筋力との関係が強くあります。スクワットをすることで床反力を強く生み出せるようになるのは想像がつつくかと思います。この時にどのように床反力を生み出すかが大事ではないかなと考えています。トレーニングでいういわゆるヒップヒンジがしっかりとることが出来ているかどうかがキーになってきます。股関節の屈曲が浅いと臀部での出力は弱くなり、床反力のもらえている力が少ない分、選手はもっと力を伝えて加速しようとします。これが、いわゆる足が流れてしまう、ハムストリングス、下腿に負担がかかる原因ではないでしょうか。正しく、適切なタイミングで出力を得るようにするには、力を伝えた瞬間に加速するのではなく実際は誤差があることを選手に教育するのもより安全に速く走れるためのキーではないかと思います。

前述したヒップヒンジの動作学習の速さはトレーニングをしっかりとやっていた選手の方が吸収が早いですし、スプリント練習もしつつウェイトもしようねとフィールドに必要な能力とトレーニングルームで行なっていることを上手く実際のパフォーマンスに繋げるのに有効な手段かと思います。

走るというを運動学習という観点も入れることで、パフォーマンス向上や障害予防としても使えて幅が広がるかと思います。走るという事の意味やらせる側はちゃんと説明出来るようにしていきたいですよね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!