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L-dopa以外には何があるの?

前回はパーキンソン病治療の中心であるL-dopaについてお話ししました。
脳神経内科医はパーキンソン病治療をどうやって始めているのか?|Dr. タワマン (note.com)
今回はそれ以外の治療薬についてみていきます。
ドパミンアゴニストについては第3回内科専門医試験にも出題されております。脳神経内科の専攻医はその使い分けについて参考になれば幸いです。

前回も述べました私のパーキンソン病治療の全てになります。色々な先生に聞いた最大公約数となっております。

まずはMAO-B阻害薬についてです。
MAOはシナプス間隙に存在するドパミンなどを分解する酵素であり、そこをブロックすることで、ドパミン濃度を一定に保つ作用があります。L-dopaの投与量によって将来に運動合併症の発症率が変わるため、私は禁忌がなければ初期から投与しております。

MAO-B阻害薬の種類です。グルタミン酸抑制も行うことで非運動症状も抑えることから私はエクフィナを用いています。

次にドパミンアゴニストについてです。麦角系と非麦角系があるのですが、副作用の観点から麦角系しか用いていません。ドパミンアゴニストはWearing-offには第一選択で、その作用は大差ないと思います。それ以外の部分での使い分けが重要です。

ドパミンアゴニストを語るうえで欠かせないD1ファミリーとD2ファミリーですが、脳神経内科医だけが知っておけばいいです。

この5個のバランスが整っているのがニュープロパッチになります。ドパミンアゴニストは特に若年発症の男性で衝動制御障害が問題になるため、そのリスクが少ないものを採用しております。

その他長時間作用することにより早朝off時のすくみに改善が得られることや夜間頻尿に対して効果を実感しております。

その他のドパミンアゴニストも書き理由で使っています。
ハルロピテープは何といってもかぶれが起きにくいのが特徴です。
運動症状には効果が高いです。

ミラペックスは振戦に効果があったり、うつ症状が強い方に検討しますが、衝動制御障害や体軸症状も出現しやすいと言われています。
容量が少ない規格があることからレストレスレッグス症候群には最初に用いてます。

その他は下記にまとめました。ここから先はパーキンソン病を専門にしている先生でも意見が分かれると思うので、私は最初に述べた表程度でしか用いていません。

以上がL-dopa以外のパーキンソン病治療薬となります。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。


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