Don't be silence

オリンピック関連で森会長の発言に対する様々な意見が飛び交っています。沈黙は賛成と同じ、っていうことも言われていますね。では、お前はどうなんだと言われれば、そりゃ差別はいかんし、ああいう立場の人があんな発言をあの場所で言ってはいかんよと思います。ただ、沈黙は賛成というのはどうなんでしょう・・・。いろんな意見が飛び交っていて、まあ堰を切ったようにどやどやと批判が噴き出していて、今見ていたNHKのアナウンサーも「もう、やり過ごすという事はできないですね。」とのたまっておりました。事が差別についての件だから、そりゃいけないに決まってはいるのですが、じゃあ去年の桜の会やら公文書の改ざんについての意見や情報については?黙ってやり過ごそうとするお偉いさんへのツッコミは足りないんじゃない?海外から批判が上がったから?相変わらず、日本は外圧がないと変化できないんですかね。

と、毒づいてしまう。

さて、この問題は老害とか年寄りだからという問題ではないという事はわかると思います。もちろん若い世代における女性への差別意識はかなり薄いし、数も少ないと思いますが、これはやはり教育や育ちの問題ではないでしょうか。残念ながら、今学校などでこのような問題についてどういう教育が行われているのかはわかりませんが、僕らの世代では男らしく女らしくってのは、まあよく言われましたね。その価値観が特にこの10〜20年くらいでガラッと変わってしまった印象がかなりあり、そこについていくのは結構大変です。一時期のオネエブームなどはその最たるもんで、僕はノンケなので、すごく違和感があったのだけど、慣れた事もあるし面白いオネエの人と知り合ったりしてその違和感は時間とともになくなっていきましたが、結局はジェンダーというよりもその人そのものなんだなと思いました。あの頃はグレーゾーンと呼ばれた某大物声優さんとも一緒に仕事させていただいた事もよかったのかもしれません。

また、「沈黙は金」という教育も身についてしまっています。下手に意見して逆襲をくらうなら黙っとけ、もしくは沈黙で反対、といったような価値を教わっていましたね。僕はその中でも先生や先輩に間違っていると思ったこと、また疑問をどんどんぶつけていたので、結構殴られたりもしてましたが・・・。これはもしかすると日本人が大好きな「空気を読め!」って事にも通じますよね。あの森さんの周りでニヤニヤしていた人たちは、空気を読んでいたのかもしれないし、「女性は発言が長い」ってのもその時は「空気読んで発言しろよ」っていう意味に近いのかなとも思います。JOCの山下会長も会議の席で諌められなかった理由を森さんの発言での差別部分のタイミングとしていましたが、実は空気を読んだのかも知れません。

もしかすると「沈黙は賛成だ!」とする人々も、「世界中から批判されてるし、こういう時代なんだから空気読んで発言しろよ」というようにも見えなくもない。いずれにせよ、変化の激しい世の中でDon't be silenceを叫んでいる世代もいずれ価値観の変化に巻き込まれていくことでしょう。それがどんな価値観かはわかりませんが、一番危惧するのはこれがファシズムになってしまう事です。いろんな、価値観があって、多様性を尊重するんだ!って意見を尊重しろ!っていう方向性・・・。内容はともかく、ヒトラーのやり方は敵をわかりやすくしたという事なのは歴史が証明しています。

僕は50代後半ですが、多分、技術的にも精神的にも一番の変化の中にいた世代であると思います。この10歳くらい上には団塊の世代、10歳くらい下にはその下の団塊ジュニアがいて、まあ、なかなかシビアな世代です。割と表には出てこない世代ではありますが、一番外側で変化を見ていた世代です。終身雇用、年功序列が一番という時代から成果主義、転職でキャリアアップなど日本がその価値観に翻弄されている時代のど真ん中にいましたから、割と両側からの印象を持っています。

そして、前にも書きましたが資本主義の勝ち組の人たちがそういう意見を声高に叫んでいるような気がします。ある意味森さんも勝ち組なんですが、勝ち組が勝ち組を駆逐するある意味クーデターのような雰囲気すら感じます。この先、どうなっていくのかわかりませんが、因果応報、諸行無常をすごく思わざるを得ないのです。

まとまりはつきませんが、ちょっと書きなぐりに近い文章で申し訳ありませんが、今年に入ってから本当にむちゃくちゃ大きな事も小さな事もかなりの勢いで変化してます。もう少しまとまったら、3月くらいでしょうか、その辺り書いてみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?