コロナ禍時代に心臓腫瘍が増加@ロシア
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それでは、ロシアからの報告ですがご紹介します
2016年から2023年の間に173例の心臓腫瘍の比較分析
アルマゾフ国立医療研究センターで2016年から2023年まで実施された心臓腫瘍の手術材料の研究。全173 の心臓の腫瘍
まず、年ごとの症例数のグラフではっきりと心臓腫瘍、その中で特に粘液腫の症例数増加傾向が見られました
COVID19後の心臓腫瘍の数は1.5倍に増加しました
心臓腫瘍の症例のコロナウイルス感染症 (COVID19) の既往と、ワクチン接種歴の内訳は下表です
心臓腫瘍は圧倒的に粘液腫 (下図A) が多かった。他に、軟骨肉腫 1例、乳頭状線維弾腫 3例、粘液線維肉腫 2例 が発症していた
対照群の免疫組織化学的研究では、新型コロナウイルスに対する抗血清に対する反応スパイクタンパク質の発現は明らかにされなかったが、4つの粘液腫の腫瘍細胞およびマクロファージでスパイクタンパク質が新型コロナウイルスに対する抗血清に対する反応が検出された(下図)。
(論文の文章に横線を引いて、正確な表現に変えました。Figure Legend に明記されていませんが、これはSARS-CoV-2 に対する抗血清で染色された標本と考えられます)
論文著者の結論
良性および悪性の心臓新生物の腫瘍細胞だけでなく、内皮やマクロファージにもSARS-CoV-2のスパイク蛋白が残留していることが検出されると、懸念が生じます。2023年のパンデミック後にこれらの腫瘍、特に心臓粘液腫の数の増加が観察されたことは、新型コロナウイルス感染症患者における心臓新生物のリスクが増加する傾向を示している可能性があり、この問題についてはさらなる研究と新たな証拠の探索が必要である。
補足:SARS-CoV-2 感染症による発がん傾向に関与する要因
IL-1、IL-6、IL-8、および TNF-α
T細胞の枯渇 (JAK-STAT、MAPK、NF-kB系)
慢性炎症
広範な組織損傷 (DAMP と PAMP)
SARS-CoV-2 非構造タンパク質 3 (Nsp3) は、腫瘍抑制タンパク質 p53 の分解に関与
SARS-CoV-2のS2サブユニット、p53、およびBRCA1/2との相互作用
SARS-CoV-2がプラス鎖RNAウイルスとして、逆転写後にヒトゲノムに組み込まれる能力 (これは反論あり。まだ腫瘍ウイルスとして証明されていない)
論文タイトル:High Risk of Heart Tumors after COVID-19
Life 2023, 13(10), 2087. https://doi.org/10.3390/life13102087
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