ニュージーランド保健省から、ファイザーBNT162b2ワクチンの副反応
こんにちは。ニュージーランドは、先日首相が交代しました。これまでも、これからもコロナワクチン接種推進国のようです。新しいヒプキンス首相のご発言を持ってきました
そんな中、ニュージーランド保健省からLancet系へ、ファイザーのCOVID-19 mRNAワクチン接種1回、2回後21日間に発症の増加が確認された副反応を報告するプレプリントが出ました
論文タイトル:Adverse Events Following the BNT162b2 mRNA COVID-19 Vaccine (Pfizer-BioNtech) in Aotearoa New Zealand
対象:
2021年2月19日から2022年2月10日までの5歳以上のニュージーランド人です。5歳以上の適格ニュージーランド国民のBNT162b2ワクチン接種状況は2022年2月10日時点で、
1回目4,277,163回 (約428万人)
2回目4,114,364回 (約411万人)
方法:
全国の電子カルテを用い、ワクチン接種後のリスク期間(0~21日)内のAESIの観察率を、バックグラウンドデータ(2014年~2019年)に基づく予想率と比較した。各AESIの発生率比(IRR)を95%信頼区間(CI)付きで推定し、年齢で調整した。リスク差を算出し、ワクチン接種者10万人あたりの過剰事象数を推定した
*AESI: adverse events of special interest 注視する副反応
結果:
初回接種後の心筋・心膜炎のIRR(95%CI)は,10万人当たり2.6(2.2-2.9),リスク差(95%CI)は1.6(1.1-2.1),2回目接種後は10万人当たり4.1(3.7-4.5),リスク差3.2(2.6-3.9)であった.最も高いIRRは5-19歳の年齢層における2回目のワクチン接種後の25.8(95%CI 15.6-37.9)で,10万人当たりの心筋炎/心膜炎の追加症例が5人であると推定された.BNT162b2の1回目(1.6 (1.5- 1.6))と2回目(1.7 (1.6- 1.7) )に急性腎障害(AKI)の発生率の増加が観察された
グラフの説明:12の副反応 (AESI) についてIRR (incidence ratio rate; 発症率incidence rateの比) をグラフ化しました。比較対照は統計解析 2014年から2019年までの過去のバックグラウンドレートデータです。グラフで1よりも大きい点は、発症の増加をあらわします。赤枠で囲んである急性腎障害と心筋炎心膜炎は統計的に有意であることを示します
まとめ
最もはっきりしているのは、5-19歳の年齢層における、特に2回目の心筋炎/心膜炎です。このグループはワクチン接種することで10万人当たり5人が発症したと推定されました。これまであまり取り上げられたことのない急性腎障害AKIの発症が増えていたことがわかりました
また、統計的有意差は出ませんでしたが、1回め接種後にギラン・バレー症候群、脳静脈血栓症の発症リスクが増加が見られました。同様に、統計的有意差は出ませんでしたが、2回め接種後に内臓静脈血栓症、血小板減少症の発症リスクの増加が見られました
2021年8月25日にNew Engl J Med に公開されたファイザーBNT162b2の副反応
*2023年1月24日に、ブログから持ってきました
結果:ワクチン接種は、
心筋炎のリスク上昇(リスク比3.24; 95%信頼区間[CI] 1.55〜12.44;リスク差10万人あたり2.7イベント; 95%CI 1.0〜4.6)と最も強く関連していた
他に関連したものは、
リンパ節腫脹(リスク比、2.43; 95%CI、2.05〜2.78;リスク差、100,000人あたり78.4イベント; 95%CI、64.1〜89.3)、
虫垂炎(リスク比、1.40; 95%CI、1.02〜2.01;リスク差、 100,000人あたり5.0イベント; 95%CI、0.3〜9.9)、および
ヘルペス帯状疱疹感染(リスク比、1.43; 95%CI、1.20〜1.73;リスク差、100,000人あたり15.8イベント; 95%CI、8.2〜24.2)
ワクチン接種によるリスク上昇した項目が2023年のニュージーランドの結果と異なることを指摘しておきます
ここでは、急性腎障害、深部静脈血栓、頭蓋内出血のリスク上昇が捉えられていません
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