『若者でもワクチンが必要』の根拠とされる論文を読んでみよう!

ブルームバーグがNew Engl J Medという評価の高いジャーナルに掲載された論文を『コロナで集中治療必要な10代、ほぼ全員がワクチン未接種ー米調査』という記事にしました

おると整形外科医さんが、さっそくツイートされていますね。おるとさんは、日本整形外科学会専門医でフォロワーが8万3500人いるツイートをする医師です

下に掲示してあるのがツイートです

上部をクリックするとツイッターが表示され、写真をクリックするとブルームバーグの記事が表示されます

この元になる論文は タイトルが " Effectiveness of BNT162b2 Vaccine against Critical Covid-19 in Adolescents "、掲載誌は  New Engl J Med DOI: 10.1056/NEJMoa2117995  です

米国デルタ株が流行していた2021年7月1日から10日25日の期間に23州の31病院においてCOVID-19が確認された12才から18才患者を対象にした調査です

Covid19で入院したワクチン未接種の427人のうち、48人が侵襲的人工呼吸管理を受け、7人が死亡されました

これに対してワクチンを1回でも接種した人たちからは、1人が侵襲的人工呼吸管理を受けましたが死亡された人はいませんでした

この結果は、ワクチンを1回でも接種した12才から18才は重症化と死亡から保護されたことを示します

たしかにデルタ株には脅威があります現在 (2022年2月) の日本でもデルタ株の感染はまだ続いていますが、流行を形成しているのはオミクロン株の感染者になります

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この調査の対象となった人のワクチン接種状況ですが、米国では2021年5月からBNT162b2 mRNAワクチン(ファイザー・バイオンテック社)の使用に関する緊急使用許可を拡大し、12歳から15歳の青少年を含めることにしました

従って12才から15才でワクチン接種済の人は2回めのワクチン接種からから最短2か月、最長5か月となります

ただし、この対象となった米国の12才〜18才集団は、40%が肥満であったため、日本人に調査結果を直接当てはめることができません。下表で肥満40%を確認できます。クリックすると表は拡大されます

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この調査の結果をまとめましょう

米国 2021年7月1日から2021年10月25日まで米国23州31病院に入院した12才から18才でSARS-CoV-2検査陽性であり、COVID19の症状のあった患者 (445人) においてワクチン有効性が調査された

ワクチンの種類はファイザーBNT162b2 mRNAワクチンで接種回数は1回もしくは2回

接種後の期間は2か月から5か月

流行状況はデルタ株優位の流行期

方法は、症例対照、試験陰性デザインを用い、入院、ICU入室、生命維持のための介入に至ったCovid-19に対するワクチン接種の効果を、検査で確認された症例患者とCovid-19のない入院対照者における先行ワクチン接種の確率を比較することで評価された

結論は、米国、デルタ株流行期でワクチン接種から日の浅い状況の40%肥満を含む12〜18才において、新型コロナ感染で入院した96%、および侵襲的人工呼吸管理を受けた99%は、ワクチン接種していなかった。統計数字で示すと、ワクチン有効性はCovid-19入院の予防で94%、ICU入院と生命維持の必要性の両方の予防で98%であった

質問:現在の日本の状況に上記のデータを外挿できるか?

解答:No 

 理由1. 現在12-18才への爆発的流行が懸念されるのはデルタ株ではなくオミクロン株である。 症候性疾患COVID-19を発症する率、重症化率、致死率が全てデルタ株よりもオミクロン株において桁違いに低い

理由2. 日本の12-18才の集団の40%に肥満はあり得ない

以上です。感染はしないほうが良いのでお気をつけて








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