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太陽光発電

こんにちは。都知事選関係で私に太陽光発電に関する知識がなく、ご迷惑をおかけしました。簡単ではありますが、まとめました
トップ画像は環境省から
*勉強を初めて1週間経っていません。まだまだです


再生可能エネルギーの主力電源として、政府も積極的に普及を推し進めてきた太陽光発電です。
現在、日本国内の再生可能エネルギーにおける発電量で9.2%と太陽光発電が最も多い。しかし、他の再エネと比較するとエネルギー変換効率が悪い、廃棄コストがかかるなどの理由から、頭打ちになっています

太陽光を電気エネルギーに変換する仕組み

太陽光発電は、物質に光が当たると、その物質から電子が外に飛び出してしまう「光電効果」という現象を利用した発電方法です。

太陽電池は「n型半導体」と「p型半導体」という2種類の半導体を貼り合わせてつくられています。ソーラーパネル(太陽電池)に太陽光が照射されると、n型半導体に「マイナスの電気を帯びた電子」が、p型半導体には「プラスの電気を帯びた正孔」が集まり、プラス極とマイナス極が形成されます。すると、自然と電子が導線を伝わってマイナス極からプラス極へ移動して電気の流れが生じます。こうして電気が生まれるのです。

東京電力
https://evdays.tepco.co.jp/entry/2022/02/01/kurashi1

「半導体」とは?

「電導体」は電気を通す物質です。これに対し、「半導体」は条件によって電気を通したり通さなかったりする物質です。

半導体にはn型半導体と、p型半導体の2種類があります。n型の半導体は”動きやすい”電子(伝導電子)がやや多く、接触した材料に電子が逃げ出しやすくなっています。逆にp型の半導体は伝導電子がやや少なめで、電子が足りない場所(正孔)を持っています。

太陽光発電の発電装置


n型半導体と、p型半導体を接合 (= くっつける) すると、n型半導体からp型半導体へと伝導電子が逃げ出して、正孔 (= 電子が足りない場所) と打ち消し合います。

電子が逃げ出した後のn型半導体は電子が足りなくなりますので、プラスに帯電します。同様に、余分に電子をもらったp型半導体はマイナスに帯電します。このために接合部分に電界(内部電界)が生じます。内部電界は、n型半導体から逃げ出そうとする電子の流れを妨げるように働き、n型からp型へ電子が流れようとする力と釣り合った所で安定します。接合部分では電子と正孔が結びついた状態で動けなくなっていますが、そこには常に内部電界が働いています。伝導電子があれば、電界によってn型半導体へと押し流される状態になっています(図2)。

太陽電池は基本的に、このn型とp型の半導体を積み重ねた構造をしています(図1 ) (p型とn型の半導体をくっつけた(接合した)構造はダイオードと呼ばれます)。太陽光パネルに光が当たると、というのは、接合部分の半導体に光が当たると、の意味です。すると、光のエネルギーによって新たに伝導電子と正孔が”叩き出され”ます。この現象は、半導体の価電子が光(光子)によって励起される、と表現されます。内部電界に導かれて、伝導電子はn型半導体へ、正孔はp型半導体へと移動します。その結果、電子を外部へ押し出す力(起電力)が生まれます。起電力は光を当てている間持続し、次々に電子が押し出されることで、外部の電気回路に電力が供給されます。押し出された電子は外部の電気回路を通じてp型半導体の側へ戻り、正孔と結合します(図3)。

太陽光発電の種類

結晶シリコン太陽電池 結晶シリコン太陽電池は、最も古くから使われている太陽電池で、現在でも市場の主流です。

結晶シリコン太陽電池の構造例

薄膜シリコン太陽電池 薄膜シリコン太陽電池は、厚みが1μm程度、もしくはそれ以下の極薄のシリコン膜を用いる太陽電池です。薄膜シリコン太陽電池には、2種類のシリコン膜が用いられます。アモルファスシリコンはシリコン原子がランダムに結合した状態で、非晶質シリコンとも呼ばれます。赤い光や赤外線が利用できませんが、シリコンを1μm以下の厚みに薄くできるほか、温度特性も良くなるなどの利点があります。微結晶シリコンは多結晶シリコンの結晶の粒を50~100nm程度にしたものです。組み合わせて、多接合(タンデム)太陽電池を造るのにも用いられます(図3)。

アモルファスシリコン太陽電池の基本構造
微結晶/アモルファスシリコン多接合太陽電池の基本構造例

CIGS太陽電池 は、種類が幾つかあり、まとめてCIS系、CIGS系、カルコパイライト系などと呼ばれます。CIGS(シーアイジーエス)はCu, In, Ga, Se(銅、インジウム、ガリウム、セレン)の4つの元素の頭文字です。シリコンの代わりに、この4つに代表される元素を混ぜ合わせて使います。これらの元素を混ぜ合わせた化合物は、シリコン同様の半導体になります。CIGS太陽電池は現在のところ効率8~12%程度の性能のものが市販されています

CIGS系太陽電池の基本構造
CIGSの製膜方法

有機系太陽電池 は種類があります。色素増感太陽電池は、光を吸収する色素と、イオンが移動する電解質の層を持つ、変わり種の太陽電池です。

色素増感太陽電池

有機薄膜太陽電池(有機半導体太陽電池 OPV)は、p型とn型の異なる有機半導体を混合して電荷分離による発電を起こす太陽電池のことを指す。従来の太陽電池の厚さはおよそ30mmほどで、折り曲げることは難しい。しかしながら、有機薄膜太陽電池は0.003mと極薄で曲げたり折ったりして利用ができる。当初は、エネルギー変換効率は一桁台であったが、現在は15%前後まで改善されてきており、ペロブスカイト太陽電池に次ぐ太陽電池として期待が集まっている。

有機薄膜太陽電池

ペロブスカイト型太陽電池 は、「ペロブスカイト」と呼ばれる結晶構造を持つ材料を用いた、日本発の新型太陽電池です。
鉱物の中で、灰チタン石(ペロブスカイト)の一種と黄銅鉱(カルコパイライト)の一種は、髪の毛の100分の1ほどの薄い膜でも十分に太陽光を吸収できるため、軽量・フレキシブルな薄膜ソーラーを実現できます。


ペロブスカイト型太陽電池(右)と構造の例(左)

現在、300 keVおよび3 MeVの陽子照射(フルエンスは1011~1013 cm-2)後の効率低下が、加熱光照射によって完全に回復するフレキシブル黄銅鉱型太陽電池が開発されています。静電容量-電圧測定により、加熱光照射後の正味キャリア濃度の回復が確認されました。これは組成深さプロファイル測定で示されるCu(In, Ga)(Se, S)2吸収層の空乏層におけるGaレスおよびCu貧弱組成から、完全な回復特性が得られるであろうとの予測になります。

実験データで、300 keVの陽子線を1x10^11および1x10^13 cm-2のフルエンスで照射する前後のCIGSS太陽電池のC-V測定によって調べた純キャリア濃度(NCV)プロファイルを下図に示します。陽子線照射されたCIGSS太陽電池のNCVはHLSによって初期値とほぼ同等のレベルに回復しました。この結果は、準安定ドナー様欠陥と深いドナーアンチサイト欠陥がHLSによって不活性化されることを示しています

300 keV 陽子線照射前 (黒破線) と照射後の CIGSS 太陽電池の NCV プロファイル
照射量は (青線) 1x1011 cm2、(赤線) 1x1013 cm-2。Wd は空乏層の幅を示します。すべてのサンプルは測定前に HLS 処理されました

加熱光照射によって完全に回復するフレキシブル黄銅鉱型太陽電池は株式会社PXPによる開発です。このタイプの太陽電池の用途は静止軌道衛星など。

さらに、VIPV や航空宇宙 PV 用途で高効率二重接合タンデム太陽電池のボトムセルに適した狭ギャップ吸収体を備えた軽量でフレキシブルな黄銅鉱型Cu(In, Ga)(Se, S)2太陽電池が開発されました。薄いTi箔上のフレキシブルCu(In, Ga)(Se, S)2太陽電池のバンドギャップエネルギー1.01 eVでの効率は19.2%です。最良の電流-電圧特性は下図になります。CIGSS吸収体は二重傾斜構造であるため、この研究では(E ∙ EQE)2法と微分法を使用しました。図1(b)は、CIGSS太陽電池の実験的EQE曲線から(E ∙ EQE)2法と微分法で決定したEgを示しています。両方の方法は、ほぼ同じ1.01 eVのEgを示しました。薄いTi箔上のフレキシブルCIGSS太陽電池では、Eg 1.01 eVで19.2%のEffを確認しました。これは、ガラス基板上のリジッドカルコパイライト太陽電池と同等のレベルであると考えられます。株式会社PXPによる開発です

(a) 新しく開発されたフレキシブル CIGSS 太陽電池の最良の電流電圧特性。 (b) CIGSS 太陽電池の実験的 EQE 曲線から (E ∙ EQE)2 法 (赤線) と微分法 (青線) によって決定された Eg


色素増感太陽電池(DSC・DSSC)

光触媒としてよく用いられる物質「酸化チタン」に色素を吸着させることで発電する太陽電池を指す。光合成型太陽電池とも呼ばれる。元々、酸化チタンは紫外線のみを吸収する性質があるが、色素を帯びることで可視光にも反応するようになり、発電が可能となる。
カラーバリエーションが豊富で材料が安価、かつ電極そのものを印刷で作製できるため、製造設備も小さくてすむなどの利点をもつ。エネルギー変換効率は研究段階で12〜13%と、他のものと比べるとやや低い。

量子ドット太陽電池

人工的なナノ粒子である量子ドットが周期的に並ぶ三次元的に囲まれた構造をしていて、既存の太陽電池では吸収できない光も無駄なく吸収できる太陽電池のこと。量子ドット型太陽電池の理論上の変換効率は60%以上、実測では約30%の変換効率と他の次世代太陽電池と比べても非常に高い潜在性をもつ。ただし、材料に希少性の高いインジウムを使用していることと、微小構造であるためことから、製造に大きなコストがかかってしまう点が課題とされている。

ガリウムヒ素(GaAs)太陽電池

ガリウム(Ga)とヒ素(As)の2種類の元素で構成された化合物半導体で発電する太陽電池のこと。太陽電池のなかでも発電効率に優れていることから、多接合太陽電池のトップセルやミドルセルとしての利用が期待されている。しかし、ガリウムはレアメタルで高価格、さらにヒ素は毒性物質で脆く加工が難しいため、主に砂漠・乾燥地で用いられる集光型太陽光発電システムや人工衛星に使用されてきた。しかし、変換効率は研究レベルで30%弱と他の太陽電池に比べると高く、面積あたりの出力が大きい、耐熱性があり安定性が高いこともあり、今後は自動車や無人航空機での市場拡大が期待されている。

タンデム太陽電池

分光感度の異なる複数の太陽電池を重ねて用いることで、幅広い波長の光を無駄なく電気に変換する太陽電池。当社は紫外光から赤い光で良く発電するペロブスカイト太陽電池と、赤い光から赤外光で良く発電するカルコパイライト太陽電池を重ねて用いています。
可視光の発電が得意なペロブスカイトと、赤外光の発電が得意なカルコパイライトは、現存する材料の中で、最も幅広い波長を効率良く利用できる組み合わせのため、タンデム化により30%を超える高い効率が期待できます。
ギガワット規模の大量生産実績と、世界中の様々な環境で導入実績のあるカルコパイライトの技術を、ペロブスカイトにも応用することで、高生産性と高耐久を実現します。ペロブスカイトとカルコパイライトは、ありふれた材料を用いており、薄膜のため使用量もごく僅か、かつ有機溶剤も使用しません。また、製造に必要なエネルギーも従来型のソーラーパネルの半分以下のため、地球にやさしい技術です


全固体電池

電解質に固体材料を用いた蓄電池。耐熱性が高く安全性が高い

https://stockmark.co.jp/coevo/next-generation-solar-cell

太陽光電池にには、種類がたくさんありましたね。最後に材料別の分類でまとめます

https://unit.aist.go.jp/rpd-envene/PV/ja/about_pv/types/groups2.html

太陽光発電の発電効率


発電効率とは、一般的に「発電するために投入した燃料のもつエネルギーのうち、電気に変換された割合」です。
太陽光発電の場合は「変換効率」と呼ばれることが多い

国内で流通しているソーラーパネルの変換効率(モジュール変換効率)は約20%。これは光エネルギーのうち、2割を電気に変換できる

太陽光発電のメリット・デメリット


太陽光発電の6つのメリット

・電気代を節約できる
・売電収入を得られる
・環境保全に貢献できる
・停電時も電気が使える
・エコキュートと相性がよい
・設置にあたって補助金を受けられることがある
・屋根に設置すると夏は涼しい

太陽光発電の4つ11のデメリット

・設置費用がかかる
・リサイクル費用、埋め立て費用がかかる。リサイクル費用は埋め立て費用の2倍。寿命を迎えるパネルの廃棄量は、2040年には年間約80万トンと予想されている (個人の投稿)
・発電量が天気に左右される
・機器交換・メンテナンス費・撤去費が必要になる
・屋根の材質や形状に制約がかかる
・火災に弱い
・災害に弱い。太陽光パネルは故障中でも光があたれば発電し続ける可能性があり、感電などの事故につながる恐れがある。2018年の西日本豪雨時の浸水や土砂崩れによる被害について ニュース 再エネは火力や原子力ほどの自然災害対策が取られていない」(大手電力会社関係者)
・「固定価格買取制度」(FIT)は10年間なので、終了後には小売電気事業者などと個別に交渉して売電契約を結びなおす必要がある →資源エネルギー庁へ  →資源エネルギー庁のQ&Aへ  →FIT終了後の買取価格 *固定買取制度を決めたのは菅直人首相(当時)
・適切な取り扱いをしないと環境破壊につながる恐れがある。太陽光パネルには、鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれているので、それぞれの物質について適切な処分方法があります
・電池に電気を保管する費用が高額である
・太陽光パネルは、製品寿命が約25~30年です。製品寿命を迎える時に、多くの世帯主は老後になっているでしょう。また、太陽光発電事業は2040年頃には終了の予定なので、それ以降に補助される補償はない

太陽光発電で1日につくられる発電量


太陽光発電協会(JPEA)によると、ソーラーパネルのシステム容量1kWあたりの発電量は1日で約2.7kWh、年間で約1000kWhが目安とされています5)。

システム容量はソーラーパネルがどれだけ発電できるかを表す数値で、単位はkW(キロワット)です。また、kWh(キロワット時)は「1時間あたりに得られる発電量」の単位で、システム容量(kW)×時間(h)で算出されます。

東京電力https://evdays.tepco.co.jp/entry/2022/02/01/kurashi1


一般住宅の太陽光発電でつくられる発電量の目安は?


一般住宅の太陽光発電で使われるソーラーパネルの多くは、システム容量が3~5kW程度です。

上記のとおり、1kWあたり1日約2.7kWhが目安ですから、太陽光発電のシステム容量が3kWの場合は1日約8.1kWh、5kWで約13.5kWhを発電できる計算になります。なお、年間だと3kWで3000kWh、5kWで5000kWhが目安となります。

太陽光発電だけで1日に必要な電力量は足りる?


一般家庭の使用電力量の平均は、年間4175kWhです (家庭でのエネルギー消費量について、環境省)。システム容量1kWあたりの発電量を年間1000kWhとすると、4.2kW分のソーラーパネルを設置すれば、数値上は年間の消費分の電力量を発電できることになります。

ただし、太陽光発電でつくった電気は、蓄電池などがないと貯めておくことができません。つまり、太陽光発電だけだと夜間は電気を電力会社から購入するしかありません。1日分の使用電力量すべてをカバーすることはできないでしょう。

その代わり、家庭で使用する分を超過して余った太陽光発電の電気は、電力会社に売電することができます。その収入で、電気代の一部をまかなうことは可能です。

もちろん、蓄電池や電気自動車(EV)を蓄電池代わりにするV2Hを導入すれば、昼間のうちに発電した電気を貯めておき、夜間に使うことができます。そうすれば、昼間の発電量次第ですが、1日に必要な電気をすべてまかなうことも不可能ではないでしょう。

太陽光発電の家庭経済学


住宅用の太陽光発電では、発電した電気を「自家消費」して、余ったら電力会社に「売電」し収入を得ることができます。「自家消費」とは、発電した電気をそのまま自宅で使用することです。

5kWの太陽光発電を導入している住宅が年間で発電する電力量は全国平均で6515kWh です (環境省のデータ これは639ページあり、その115ページ)。
そのうち30%(※自家消費率の平均値)が自家消費に回され、1年間に自家消費する電力量は約1955kWhに上ります (経済産業省のデータ  66ページあり、その41ページ)。
これは、電気代で考えると6万605円相当です(1kWhあたり31円)の場合)。
以上を計算すると、太陽光発電を導入した平均的な戸建住宅では1年あたり6万605円相当の電気代を節約できることになります。

東京電力https://evdays.tepco.co.jp/entry/2022/02/01/kurashi1

「売電」で得られる収入は?

売電とは、発電して余った電気を電力会社に売ることです。

太陽光発電で作った電気は貯めておくことができません。
太陽光発電の電気は電池がないと夜に使う電気はありません。
太陽が出ている時に作った電気が使い切れない時は「余剰電力」として電力会社に買い取ってもらえます

家庭用太陽光発電で、売電される割合は平均70%です。年間にして約4560kWhが売電できます。

住宅用(容量10kW未満)太陽光発電を売電する時の単価は1kWhあたり16円(2024年度認定・FIT制度10))です。年間の売電収入は約7万2960円に上なります

ここまでで分かったことは、日本の平均的な気候にある住宅では太陽光発電で年に合計13万円の収益が上がる

設備投資・維持費

太陽光発電の設置費用は、2023年の住宅用の設置費用は新築の場合で1kWあたり平均28.8万円です12)。住宅用のソーラーパネルは3~5kWが多いため、設置費用の相場は86.4万~144万円程度です。パネルのメーカーや屋根の仕様などによって費用は変わります。

計算すると、10年使用で設置費用が発電によって回収でき、維持費は現在の電気代と考えられる。

災害時や撤去にかかる費用の見積もりは不明です

蓄電池は?

蓄電池は東京電力からリースできます。蓄電池5.5kWhのリース料金は月額10,500円から、年間126,000円です

家庭用太陽光発電の経済まとめ


設置費用*   - 86.4万~144万円程度 (2023年度)
パワコン    - 
38.3万〜71.5万 (初期費用京セラ2024年)
・10年~20年に一度のパワーコンディショナの交換費:約30万円
発電収益 
 
自家消費    +  6万605円/年
 売電             +  7万2960円/年
蓄電池リース*   -  12万6000円/年
維持費
      -   1万円/年         
  3~5年に一度の定期メンテナンス費:約30,000~50,000円 ソース
撤去/リサイクル費    未定
災害対策費     未定

上の計算は、電気代が
1kWhあたり31円、 売電価格が1kWhあたり16円の時です。電気代が上昇すると儲けが大きくなります

太陽光発電設備支援制度 家庭用

東京都の出しているパンフレット を見ると太陽光パネル に34%、蓄電設備に75% の補助が出る可能性があります。蓄電設備に補助が出るのは、現時点では東京都だけのようです
東京電力 エナジーパートナーズでは、エネカリプラスという初期費用ゼロのプランがあります
東京ガスでは、WEB で相談を受け付けています
民間による補助金計算のサイトによると、この補助は予算がなくなった時点で終了するようです 


太陽光発電導入のフォース


リサイクル問題

半導体デバイスを廃棄する際は、安易に粉砕したり焼却したりせず、産業廃棄物として専門業者に廃棄を依頼してください。

太陽光パネルのリサイクルにも専門業者があり、現在のリサイクル体制は下図です

四国にあるNPC 社の説明はこちら

再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルのあり方に関する検討会 経済産業省



廃棄問題



廃棄費用関係

定期報告の義務化
2018年7 月23日より、定期報告(運転費用報告※)の項目に廃棄費用に関する項 目を追加し、FIT認定を受けた全ての再生可能エネルギー発電事業(10kW未満の太陽光発電設備を除く。) について、廃棄費用に関する報告が義務化された。資源エネルギー庁
*FIT 認定事業者が報告します
定期報告の方法はこちら

太陽光発電設備の保険加入の努力義務化
保険は、火災保険、地震保険、第三者賠償保険につき
?台風、大雨、竜巻などその他災害もこれらに含まれるのか?

太陽光発電設備の廃棄費用の積み立て制度

廃棄費用積立ガイドライン 資源エネルギー庁 最終改定は2024年4月



資源エネルギー庁 2021年9月17日
太陽光発電設備の廃棄処理の責任は、太陽光発電事業者等にある。しかし廃棄等費用の積立実施事業者は2割以下であったため、2018年7月定期報告より積立の進捗状況の報告を義務化し、2020年6月成立のエネルギー供給強靭化法による改正再エネ特措法(= 再エネ促進法) において太陽光発電設備の廃棄費用の積立制度について措置。






太陽光パネルの火災

注意:どのくらい火災が起こりやすいのか?また火災になった場合の安全性についての説明を発見できませんでした
消火は可能であるが、消防士が感電する恐れがある
詳しくまとまったサイトがあります。こちら

参考にしたサイト

総産研の太陽光発電について
東京電力の太陽光発電について 東京にお住まいの方に、いろいろな特典が記載されています
太陽光発電導入ガイド

補足1. メーカー

東芝の家庭用太陽光発電は撤退済み

2023年2月3日、東芝子会社の東芝エネルギーシステムズは3日、住宅用太陽光発電システム事業からの撤退を発表した。新規販売は既に終えており、3月からは保守サービスも他社へ移管する。収益性が見込めないため。同事業は2010年に始め、累計約10万世帯に販売した。産業用途や次世代太陽電池の開発には引き続き注力する。保守サービスは太陽光発電システムの販売や保守を手掛けるエクソル(京都市)に移管した。オフィスビルの壁などにも設置できる次世代の「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」などの開発は続け、早期の実用化を目指す。ニュース

三菱電機の太陽光発電は販売終了している

2020年3月、三菱電機は太陽光発電に関連する自社ブランド機器の製造・販売から全面撤退すると発表。ただし、自社ブランド機器のアフターサービスについては、今後も継続すると明言している。三菱電機の住宅用太陽光発電システムに対して、今後も継続される保証は3つ。
モジュール出力保証
モジュール出力保証は、太陽光パネルの性能を保証する。保証期間は25年です。太陽光パネルの出力値が、適用条件の値まで下がった場合、無償で修理してもらえます。使用年数が20年以内の適用条件は、公称最大出力の80%未満。使用年数が25年以内の適用条件は、公称最大出力の72%未満。
機器保証
機器保証は、以下の機器に対する保証です。パワーコンディショナ、接続箱、マルチアレイコンバータに対する保証です。適用条件に該当する機器は、無償で修理が受けられます。保証期間は15年です。パワーコンディショナの適用条件は電力変換効率が規定値を下回った。接続箱の適用条件は集電機能が損なわれた。接続箱の適用条件は集電機能が損なわれた。マルチアレイコンバータの適用条件は電力変換効率が規定値を下回った、または集電機能が損なわれた。
システム部材保証
システム部材保証は、太陽光パネルを固定している架台に対する保証で、保証期間は10年です。固定機能が損なわれた場合、無償で修理してもらえます。グリエネ

純国産の太陽光発電は長州産業のみ

長州産業の太陽光発電のメリット・デメリット

太陽光発電用パワーコンディショナ Power Conditioning System/PCS

太陽光発電では直流の電気(DC)が得られます。これを交流電源(AC)に変換する装置が太陽光発電用パワーコンディショナです。海外ではソーラーインバータ(Solar Inverter)と呼ばれています。

https://www.daihen.co.jp/technologygeeks/cat01/cat01_02/215/

パワーコンディショナには電力を変換するだけでなく、太陽光発電を有効に活用するための重要な機能がたくさん備わっています。パワーコンディショナの代表的な機能を見ていきましょう

発電量の最大化

太陽電池パネルから可能な限り多くの電力を取りだして、安定した電力供給ができるよう調整する機能は、最大電力点追従制御(Maximum Power Point Tracking control/MPPT制御)と呼ばれます。太陽電池パネルは、電流と電圧が一定の組み合わせのときだけに発電される仕組みです。日射などの条件が一定であれば、下図の各軌跡(I-V、P-V)のどこかの点で動作します。「MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御機能」によって、発電量が最大になる電圧と電流の組み合わせ(最大出力点)を自動で見つけ出して、天候に左右されずより多くの発電量を維持できるようにします。また、太陽電池パネルにはパネルの温度が低いほど開放電圧(太陽電池が発生させうる最大の電圧値)・最大動作電圧が上昇し、日射量が大きいほど開放電圧・最大動作電圧が上昇するという温度特性があります。太陽光発電システムのパネルの直列数を計算する場合は、太陽電池パネルの温度特性を入手して、発電場所の最低気温と最高気温を把握し、パワーコンディショナの動作範囲に特性が一致するように検討する必要があります。

https://www.daihen.co.jp/technologygeeks/cat01/cat01_02/215/
https://www.daihen.co.jp/technologygeeks/cat01/cat01_02/215/

事故の防止

停電などの異常時にパワーコンディショナの出力を遮断し、事故を防ぐ「系統連系保護機能」があります。系統連系とは、電力の売買のために電力系統と太陽光発電システムを連携させるための仕組みのこと。太陽光発電で作られた電気を売る場合、その電気を電線に送り出します。その際に、停電などのトラブルが発生していたら、停電しているはずの電力系統に電気が流れることになってしまい、復旧工事を行う現場に影響を与えてしまう恐れがあります。
このような事故を防ぐために、周波数の上昇や低下を検出したり、過電圧・電力不足や系統電力の停電を検出したりして、トラブルがあった場合に太陽光発電システムを系統から切り離して保護する機能です。

2024年4月以降は電圧フリッカー対策機能付パワコンしか電力会社が接続を認めません

オムロン・安川電機・田淵・ファーウェイなどは対応確認済みです。

安川電機のフリッカー対策済みのパワコンの型番は、CEPT-P2HA29P9□(絶縁型 200V級 9.9kW)となります。同社パワコンの保証期間は原則として1年ですが、10年保証がオプションで付ける事ができ、塩害エリア(海岸500メートル以上~1kw未満)でも塩害オプションなどをで塩害設置対応が可能です。

京セラのパワコンは382,800円〜715,000円 (7月7日2024年アクセス)

https://www.kyocera.co.jp/solar/products/power/

ShinDengen の太陽光発電用パワーコンディショナは、優れた変換効率をもち、停電したときでも太陽光発電の電気を使える自立運転機能を搭載していました。現在は生産と販売は停止しました (2021年10月末)

パワーコンディショナには計画的なメンテナンスが必要です

日常点検

https://www.daihen.co.jp/technologygeeks/cat01/cat01_02/222/

定期点検 年1回

https://www.daihen.co.jp/technologygeeks/cat01/cat01_02/222/

パワコンの問題点?
直流・交流変換時に、高調波電流が生じ、火災のガンインとなる可能性ができる。高調波電流の抑制は、リアクトルを発熱体にする、などの対策をする

補足2. 

半導体の材料:シリコン

シリコンは、ケイ素のことです。岩石や土壌の主成分として自然界に存在し、地球上で酸素に次いで多く存在します。通常、酸素との化合物、二酸化ケイ素(シリカ)の形で存在します。シリカは砂の主成分で、石英(水晶)はシリカでできています。半導体材料に使われるシリコンは、原料の珪石を還元、精留させて、ケイ素の純度を高めたもので、暗灰色をした金属です。

シリコン(ケイ素)原子は原子核の周りに14個の電子を持っており、一番外側の軌道には4個の電子を持っています。これを単結晶にして半導体製品の材料にします。

新電源 https://www.shindengen.co.jp/products/semi/column/basic/semi/semi_material.html

結晶化すると原子核はお互いに電子を共有して原子核の周りに8個の電子を配置した形で結びついています。この状態の純粋なシリコン単結晶はほとんど電気を通しません。

ここにある種の不純物を加えるとシリコンは電流を流せるようになります。不純物の種類によって半導体はp型半導体とn型半導体に区別されます。電子部品として利用するためには一つのチップの中にp型とn型による接合を作り込みます。

n型半導体

Si 原子の一部を P (リン) などの原子に置き換えると、自由電子が存在するようになる。電圧をかければ、自由電子は+ に引き寄せられ、自由に動ける状態になる
*自由電子は伝導電子とも呼ばれ、伝導電子とは伝導帯と呼ばれるエネルギーバンドに属する電子のこと。自由電子は電気を流す媒体として機能する。通常は、価電子帯と呼ばれる安定したバンドに電子は詰まっているが、外部からエネルギーを供給してあげることで遷移し、伝導帯にジャンプすることができる。価電子帯から電子がジャンプすると、抜け穴ができ、プラスの電荷を帯びる。この穴を「正孔」と呼ぶ。真性半導体であれば電子と正孔のキャリア数が同じになりるが、不純物半導体では偏りが生じる

シリコンは最外殻に4つの価電子を持ち、隣り合うシリコン原子と電子を共有する。そのとき、1つの原子はその性質上4つのシリコン原子を隣り合うことになり、結果として最外殻に8つの電子が埋まって安定している。リンは最外殻に5つの価電子を持つため、共有結合できずに電子が余る。余った分は原子核との結合力は弱くなり、ちょっとしたエネルギーを受けるだけで簡単に伝導帯へジャンプし、伝導電子が生まれる

p型半導体

Si 原子の一部を B (ホウ素) などの原子に置き換えると、電子が存在しない穴 (ホール) ができる
B ボロン原子は最外殻に3つしか価電子を持たないので、共有結合に必要な電子が不足する。そうすると、足りない分を埋めようと力が働き、隣のシリコン原子の価電子帯にいる電子を引き込み、引き込まれた箇所では正孔が発生する

p型半導体に電気が流れる仕組み

電子は+極に引き寄せられて、近くのホールに移動します。すると、電子の移動で空いたところが新たなホールとなり、またとなりの電子が移動します。
これを繰り返すことで電子は+極の方へ移動し、同時にホールは-極の方へ移動していくように見えます。

このことから実際に動いているのは電子ですが、ホールを+の電気を持った粒子とみなすことができます。

半導体内部での電子とホールの動き

電子はプラス極に向かって移動します。このとき、電流の向きは電子の移動の向きとは逆になります。

実際に移動しているのは電子ですが、ホールがマイナス極に向かって移動しているように見えます。

このようにしてp型半導体もn型半導体も電流を流すことができますが、金属ほど電流が流れやすいわけではないので、ただ電流を流すだけなら半導体を使う必要はありません。条件によって、流したり流さなかったりできるのが半導体の特徴です。その基本的な原理がpn接合による整流作用です

言い換えると、
電界から生ずるP型とN型のエネルギー状態の差は、電流を阻む壁「電位障壁」として機能します。ただ、外部から力をかけることでその差を小さくしたり、大きくしたりすることも可能です。このときの力が電圧です。電位障壁を小さくする方向に電池を接続するなどして電圧をかければ、移動できなかったキャリアが動けるようになり「ドリフト電流」と呼ばれる電流が流れます。他方、反対方向に電圧をかければ、電位障壁は大きくなり、ドリフト電流はほとんど流れなくなります。

pn接合に順方向に電圧を掛けたとき

pn接合にpがプラスになるように電圧を印加すると、ホールも電子も接合面に向かって移動してきます。
接合面(ジャンクション)でホールと電子が出会うと、電子がホールに飛び込み、両方が消滅します。その分、新たにn層に電子が流入し、p層からは電子が流出して新たなホールが発生します。これを繰り返して電流が流れ続けます。

pn接合に逆方向に電圧を掛けたとき

pn接合にnがプラスになるように電圧を印加します。
ホールと電子はお互いに遠ざかる方向に移動するので、接合面で出会わず電流は流れることができません。接合面付近に空乏層というホールも電子も存在しない領域ができて、これが耐圧を生み出します。
このように、pn接合には整流作用があることが分かります。

次世代半導体

次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けて 令和4年11月 経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2022/11/20221111004/20221111004-1.pdf
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/post5g/230425.pdf
令和5年4月
LSTCの技術開発ロードマップ 令和5年4月
令和5年4月
令和5年4月

コラム:ラピダス(Rapidus) は、2022年8月に設立された世界最先端のロジック半導体の国内量産を目指す新会社です。ラピダスは、国内大手企業のキオクシア、ソニーグループ、ソフトバンク、デンソー、トヨタ自動車、日本電気(NEC)、日本電信電話(NTT)、三菱UFJ銀行の8社から総額73億円の出資を受けて設立されました。日本政府も1兆円規模の補助金支給を決定し、官民で先端半導体の国産化を目指します。半導体は、半導体チップに描かれる電子回路の幅(回路線幅)を微細にするほどチップ上に集積できる回路が増えて多くの情報を詰め込むことができるため、その性能が向上します。回路線幅が微細で高性能化された半導体を「先端半導体」と呼びます。先端半導体は高性能スマホや自動運転、生成AI(人工知能)など高速演算処理・省電力を必要とする用途向けの需要拡大が期待されています。ラピダスは国内で先端半導体の開発・製造を手掛けることを目的に設立されたのです。調査会社の富士キメラ総研が2024年3月に公表した「2024 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望 市場編/企業編」によると、「先端/注目半導体デバイス15品目」の世界市場は2023年見込みの40兆2187億円に対し、2029年には59兆7292億円に達すると予測されています。チャットGPTをはじめとする生成AIブームによる新たな需要拡大が成長加速の一因で、このうちサーバー向け半導体市場に関しては「2023年見込みの7096億円から2029年に2兆2011億円に拡大する」(富士キメラ総研)とみられています。ラピダスは先端半導体の需要の取り込みを狙っています。ラピダスは2023年2月、新たな最先端半導体工場を北海道千歳市に建設すると発表しました。新工場は2025年に試作ラインを作り、2027年ごろに量産ラインを立ち上げる予定とされます。工場立地に北海道が選ばれたのは、高品質の半導体生産に欠かせない良質の水や再生可能エネルギーが豊富であることなどが挙げられています。財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の2024年4月の資料によると、日本政府はこの3年間で半導体支援に約3.9兆円の予算を確保しました。支援の内訳は、マイコンやアナログなど従来型の半導体支援に約9900億円、ロジック、メモリーなどの先端半導体支援に約1.7兆円、次世代ロジックなど次世代半導体支援に約1.2兆円を充てる計画です。

このうち、日本政府は次世代半導体支援(約1.2兆円)でラピダス向けの支援として総額9200億円を充てることを決めています。日本企業が生産する半導体は「日の丸半導体」として1980年代後半に世界シェア5割を誇りましたが、足元では1割程度とみられています。

そのラピダスは2022年12月、米IBMとの間で2ナノメートル半導体に関する共同開発のパートナーシップを締結したと発表しました。ナノメートルは1メートルの10億分の1を表す単位で、1ナノメートルは髪の毛の太さの10万分の1の超微細なサイズとされます。経済産業省の資料などによると、日本は先端ロジック半導体の設計・開発能力を有しておらず国内の生産能力についても40ナノメートル世代の半導体製品にとどまります。一方、TSMCは2022年末には現在最も微細な3ナノ世代を量産しており、2ナノ世代は2025年の量産開始を目指し、さらには1.4ナノ世代の開発も進めているといいます。韓国サムスン電子もすでに3ナノ世代を量産し、2027年に1.4ナノ世代の量産開始を目指すと明らかにしています

現在、40ナノ世代にとどまる国内生産から超微細の2ナノ世代の量産まで一気に進めば、日本の半導体の競争力は向上し、世界シェアの獲得にもつながると期待されています

ピダスは2ナノ世代の量産目標を2027年ごろとしており、イバル企業との差は大きく、顧客の開拓は容易ではないと想定されます。それでも先端半導体の量産が実現することになれば、日本国内における先端半導体不足の解消が実現するほか、日本の産業全体の強化にもつながるとの期待が広がっています。世界最大の半導体製造国・地域である台湾などアジア地域に半導体供給を依存する状況を避けるために自国に半導体工場を建設しようとする動きでもある。半導体を製造するのに必要な半導体製造装置や半導体材料に関しては独自技術や強みを保有し世界トップの市場シェアを誇る日本企業は少なくありません。ラピダスは自社のホームページ(HP)上に会社設立の背景や中長期の事業展開構想について説明しています。中長期の事業構想として、2020年代後半の目標として、①「次世代3次元LSI(大規模集積回路)、次世代トランジスタ構造(GAA)のナノシートGAA技術を日米欧連携で確立~国内外の素材産業や装置産業とも協力体制を構築」、②「2ナノメートル以下の最先端LSIファウンドリを日本で実現へ」の2つを掲げ、世界と協力し、最先端半導体の量産を通じて日本の産業力を強化するとともに世界のモノづくりをリードするとしています
ベルギーの半導体研究開発機関imec(アイメック)との次世代半導体開発での連携やAI向け半導体を設計・開発するカナダのテンストレントとの業務提携。2024年5月にデータセンター向けAI半導体の設計・開発で米スタートアップのエスペラント・テクノロジーズとの協業。先端半導体の量産体制の確立などを通じて、ラピダスは2030年代には売上高1兆円規模を目指す。ラピダスと関連のある会社について

令和5年4月

Rapidus株式会社(出資会社)
キオクシア株式会社、ソニーグループ株式会社、ソフトバンク株式会社、株式会社デンソー、トヨタ自動車株式会社、日本電気株式会社、日本電信電話株式会社、株式会社三菱UFJ銀行
出資額は一律10億円で、三菱UFJのみ3億円

2030年にかけては「日本国内で安定的に半導体の供給ができること」が大きな目標である。国内の半導体メーカーの合計売上高を、現在の「約5兆円」から「15兆円以上」にまでもっていくこと

代表的な半導体材料
材料の代表例は「シリコン(Si)」です。ゲルマニウムも材料として有名で、他にもセレンやカーボン(炭素)など。
シリコンやゲルマニウムなど単体元素を使った 元素半導体 と、複数の元素を組み合わせた 化合物半導体 と表現することもあります。化合物半導体にはヒ化ガリウム(GaAs)や リン化インジウム(InP)窒化ガリウム(GaN)炭化ケイ素(SiC)などがあります。携帯電話や衛星通信を行う装置にはヒ化ガリウムがよく使われてきましたし、これをさらに高速にした光通信においてはリン化インジウムが使われます。ブルーレイディスクや液晶など、青色発光ダイオードに使用されるのは窒化ガリウムです。ハイブリッド車には絶縁破壊強度が高い炭化ケイ素が使われます (ソース)
次世代パワー半導体素材 SiCシリコンカーバイド

半導体&関連用語 ソース

先端ロジック半導体
コンピュータやスマホなどのデジタル機器の核にあたる部分。微細化などにより演算速度や処理能力に寄与する。・国内の製造拠点を整備・2nmの製造技術開発からBeyond 2nmの現実化に向けた研究開発を目指す

先端メモリ半導体
記憶装置として使われる半導体。DRAMやNANDフラッシュなどさまざまな種類がある。・アメリカとの連携で信頼性の高い設計製造拠点を整備する
・NAND、DRAMの高性能化および混載メモリの開発に取り組む

パワー半導体
電源などのパワーユニットのコントロールをするもの。交流を直流に変えたり、直流を交流に変えたりといった電力変換や交流における周波数の変換、電圧や電流の調節、電源のオン・オフを切り替えるスイッチングなどの役割を担う。マイクロプロセッサやLSIといったデバイスは大きな電圧に弱く壊れてしまう可能性があるが、パワー半導体では大きな電圧や電流に耐えられるように設計されている。そのため電子機器内部で電流や電圧の制御をして、電子機器の頭脳として機能するマイクロプロセッサやLSIなどにこれを供給している。例、パソコン、LED電球やACアダプター、エアコンや冷蔵庫に組み込まれている。他にも自動車や鉄道車両、産業機械、発電プラントまで幅広く利用されている。パワー半導体は大きな電圧・電流を扱うため、熱の発生・電力の損失が起きる。熱が発生し過ぎると誤作動さらに機器の破損につながり、必要な電力も増大する。そこで機器内部には熱を逃がすよう、回転ファンやヒートシンクが備え付けられている。原因をなくすためにはデバイスの効率向上、小型化が大きな課題。どのような素材を採用するかが性能に大きく影響する。これまでの主要素材はSi(シリコン)にかわり、性能を大きく向上させる「次世代素材」は、SiC(炭化ケイ素、シリコンカーバイド)GaN(窒化ガリウム)などの実用化です。SiCはシリコンと炭素から構成される化合物半導体です。絶縁破壊電界強度がSiの10倍ほど、バンドギャップは約3倍広い。そのため高温環境でも動作ができる。また、SiCを用いたパワー半導体は、シリコンよりも電力損失が小さいです。試作の段階でもオン抵抗を70%ほど低減させることに成功。Siでもオン抵抗に関する改善は行われてきたが、スイッチング損失から発生する熱の問題があり、高周波駆動には限界があった。さらに高速にもなるため、結果として、SiCであれば「高耐圧」「低オン抵抗」「高速」という3つが実現できる。SiCにはいくつか技術課題がある。「欠陥の低減」は、ゲートと呼ばれる制御部分と電流が流れる部分の間にある欠陥の低減のことで、SiCと酸化膜との境界に高密度で欠陥が存在している。これは、Siと酸化膜間よりも約100倍多いとされ、その欠陥のせいで電子が捕獲されてしまう。結果として電流を阻害し、抵抗を増加させる。そこで欠陥を低減させるアプローチとして、「デバイス製造技術の開発」および「ウェハ製造技術の開発」が現在進められている。SiCに関しては、2015年に輸送用機器向けの用途で使われ、一般への普及は2025年ごろ、電動車や充電インフラへの需要拡大は2030年にかけて進むと予想されている。JR東海はSiCを利用した新幹線向け駆動システムを開発し、近く車両へと採用予定。JR東日本は山手線の新車両にSiCパワー半導体を搭載。トヨタもSiCパワー半導体の試験を行い、燃費の改善を確認。今後、電気自動車やハイブリッド車でも急速充電が実現されると見られている。産業機器に関しては、太陽光発電や風力発電施設、データセンターの無停電電源装置などで需要が増すと見られている。ソース


もう1つの課題は、「ウェハの大口径化」です。これまで多く採用されてきた昇華法でのウェハ製造では大口径化が難しく、また、品質の問題も生じます。そこで大口径化、高品質化に向けて昇華法以外の手法(ガス法、溶液法など)の開発も進められています。また、Siと比較して高コストになってしまうという課題もあります。

産業用スペシャリティ半導体
自動車や産業機械等の産業用機器に使われる半導体。パワーデバイスやアナログICなどの種類がある。・国内での連携促進でパワー半導体の生産基盤を強化する・SiCパワー半導体の性能向上や低コスト化を目指す

先端パッケージ
半導体チップを外部環境から保護し、他の部品と接続するためのもの・技術。・開発拠点の設立・チップレット技術の進展、確立を目指す

製造装置・部素材
半導体製造に必要な機械や材料のこと。半導体の製造コストや歩留まりに寄与する。・安定供給ができる体制を整える・Beyond 2nmの現実化に向けた次世代材料の技術開発を目指す


シリコン素材は電流制御のしやすさが魅力である反面、発熱のしやすさから大電流を流しにくい。
そのため、次世代半導体の開発においては、GaN(窒化ガリウム)やSiC(炭化ケイ素)などの化合物半導体が注目されている。
また、シリコン素材の製造で二酸化炭素、メタン、フロンなどが生成されることに懸念が生まれている。

化合物を用いた次世代半導体は、シリコンなどの元素半導体に比べて、電子の移動速度が格段に早い。また、単純な受発光装置として見ても、化合物はシリコンに比べて光電変換効率が非常に高い。さらに、バンドギャップが大きい。バンドギャップは大きければ大きいほど、一度に高い電圧をかけられる。バンドギャップが大きいと、高電圧・大電流への耐性に優れ、発熱性もシリコンほど高くない。
次世代半導体は、再生可能エネルギーやHEMS(分散電源)といった電力システムにも、大電流を流せるという化合物型のメリットを存分に活かせる。

バンドギャップとは、固体物理学における概念で、絶縁体や半導体の電子のエネルギー状態を表す。原子核の周りには、複数の層からなる原子軌道が存在する。原子軌道の各層には電子が埋まって安定化した「価電子帯」と、外側で電子が比較的自由に動く「伝導帯」に分かれる。この価電子帯と伝導帯の間にある空白が、バンドギャップと呼ばれる領域だ。バンドギャップは電子が存在できない領域であり、価電子帯から伝導帯まで電子を移動するには、電圧や熱といった外力を加えなければならない。

日本は2011年にインテル社が導入したFin-FET型を量産できなかった。現在は、次世代半導体プロジェクトを実行している。なお、中核企業と目されるRapidus はまだ非上場企業である (7/8/2024)


https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/post5g/230425.pdf


次世代太陽光として期待の高いペロブスカイト太陽電池の主原料はヨウ素です。日本はチリに次いで世界第2位の生産国で約3割を占め、推定埋蔵量を合わせると日本のシェアは世界1位と推測されています。

次世代半導体を開発導入する企業

東芝 フィルム型ペロブスカイト太陽電池で、エネルギー変換効率15.1%を達成。

リコー 2020年2月、世界初の固体型色素増感太陽電池の販売を開始した。この太陽電池の特徴は、室内の微弱な光でも発電性能を発揮できる点にある。さらに、従来の液体型の太陽電池で起こりうる電解液漏れや腐食などの安全性リスクの解消と耐久性向上を達成。

株式会社PXP 2020年7月に創業した。トップセル材料にペロブスカイト、ボトムセル材料にカルコパイライトを使用した「多接合(タンデム)太陽電池」を開発し、2024年4月にエネルギー変換効率26.5%を達成。2024年6月12日に52nd IEEE Photovoltaic Specialists Conference (シアトル国際会議場開催)にて「FAPbI3 Perovskite Solar Cells Exceeding 22% Power Conversion Efficiency Prepared via Ultra-Fast Single-Sourced Evaporated PbI2」と題しペロブスカイトに関する発表をした。また、「Temperature and Spectrum Dependence on Light Soaking Recovery for Proton-Irradiated Flexible Chalcopyrite Solar Cells」と題しカルコパイライトに関する発表をJAXA様とQST様と共同で発表した

カルコパイライト太陽電池は被ばくによるダメージを熱と光によって自己回復する。強い放射線耐性となる。しかしながら、電子線よりもさらにダメージの大きい陽子線を大量に被ばくした場合は、自己回復が追い付かず、劣化が発生する。これに対し、PXPでは自己回復強化型のカルコパイライト太陽電池を開発しており、宇宙の静止軌道上の環境では約100年相当の、低軌道上の環境では約400年相当の陽子線に被ばくした場合でも、熱と光による自己回復により、性能維持率100%まで回復することを、2023年6月にプエルトリコで開催された第50回IEEE 太陽光発電専門家会議で報告した

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000131866.html

最高技術責任者の杉本広紀氏は、「我々のGen1技術である自己回復強化型のカルコパイライト太陽電池は、超軽量で長寿命、低コストのため、宇宙での長期間のミッションに貢献し得る技術と考えています。しかしながら、宇宙用の太陽電池としては光電変換効率が十分でないため、将来的にはタンデム化による高効率化が必須と考えています。幸いなことに、我々がGen2技術として開発しているタンデム太陽電池のペロブスカイトトップセルも、最近の研究で非常に高い放射線耐性を有することが明らかとなりつつあります。現状では、まだペロブスカイトは熱や光に対する耐久性の課題をクリアする必要がありますが、将来的には超長期の運用が必要とされる宇宙太陽光発電システムに不可欠な技術となり得ると期待しています。」と、言っています

世界の半導体メーカー 売上上位10社 2021年記事
「インテル」はアメリカの会社で、CPU等に利用されるマイクロプロセッサを中心に製造販売しています。他にも様々な半導体関連機器を販売していますが、CPU市場に限って言えば世界でも80%近いシェアを持っているなど、非常に勢力の強いメーカーと評価できます。大規模の多国籍企業で売上高も世界トップ、しかも1位になったのは最近ではなく、長く半導体業界をけん引する存在として活躍し続けています。
サムスン電子」は韓国の会社ですが、こちらも世界各地で法人を展開している多国籍企業です。韓国の代表的な企業の1つで、半導体メーカーとしての売上高も世界2位です。特に近年、半導体に関する収益を伸ばしており、利益の過半数を半導体部門が占めるようになっています。これまでフラッシュメモリやSoC、DRAMなどを主に取り扱っていましたが、今後自動運転車や医療、環境などの分野への事業拡大も進める方針が示されています。
「SKハイニックス」はサムスン電子に次ぐ韓国の半導体メーカーで、売上高は世界3位です。メモリ事業に強みを持っており、NAND型フラッシュメモリ、DRAMなどを主力製品としています。
「マイクロンテクノロジー」はアメリカの会社です。かつては半導体のコンサル会社として活動していましたが、今ではコンピューター関連の半導体メモリを製造し、様々なストレージ製品も扱っています。
「クアルコム」はアメリカの会社で、半導体製造のほか通信技術関連の設計開発も行っています。CDMAという通信技術を実用化したことで知られており、スマホ関連の半導体に強みを持っています。ファブレスメーカーであるため自社で工場は持たず、製造に関しては他社に委託をしています。なお通信機器に用いられる半導体を提供するのみならず、広くコンピューターのチップも提供しています。
「ブロードコム」はアメリカとシンガポールに本拠地を構える半導体メーカーで、通信向けの半導体製造をメインに活動しています。ネットワーク関連の製品を広くカバーしており、Bluetooth送受信機や無線LAN送受信機などを扱っています
「テキサスインスツルメンツ」はアメリカの会社で、世界数十か国で製造および販売拠点を持っている半導体メーカーです。1930年に設立され、比較的歴史も長く、アナログICなども主力製品として持っています。主な取扱い製品としては、アンプやクロック、電源IC、DSP、ARM、マイクロコントローラーなどがあります。また医療やセキュリティ、エネルギー分野など、これから伸びると見られている分野への注力も行われています
「メディアテック」は台湾の会社で、1997年にファブレスメーカーとして設立されました。スマートフォンやタブレットなど、モバイル関連の事業も行っています。積極的にM&Aを行っていることも特徴的で、画像処理LSIを扱っていたニューコアテクノロジーを買収。その結果、同社の日本法人も「メディアテックジャパン」として新たに設立されています。光学ドライブやタブレット、フィーチャーフォン、ブルーレイ、GPS、ワイヤレス充電などを主に扱っていますが、近年注目を集めるIoTへの参入も始めています。
「エヌヴィディア」はアメリカの半導体メーカーで、演算処理やCG処理の高速化を図るGPUの開発に強みを持っています。GPU市場における業界最大手として知られており、また、ゲーム関連の機器でも高い評価を得ています。そのため長い間CGやビジュアルコンピューティングを先導するメーカーとして活動し、VRや人工知能、自動運転といった技術にも力を入れています
「キオクシア」は日本に本拠地を置き、NAND型フラッシュメモリを主力に活動している半導体メーカーです。2019年にキオクシアとして活動を始めていますが、東芝メモリ株式会社から商号変更した経緯があるなど、事業の実態としてはそれ以前から存在していました。世界的に見ても、売上高トップ10にランキング入りするなどの成果を出しています。 





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