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#6 中村哲先生の仕事を考える~灌漑事業を中心に~

ご覧頂きありがとうございます。中村哲先生記念講座のTAを務めているY.S.です。

今回は第6回の授業として行われた、生徒のグループワークの様子や内容をお伝えします。形式としては前回とほぼ同じなので、ぜひそちらもご覧下さい。また、講座の概要に関してはこちらをご覧下さい。

グループワークの様子

今週のグループワークもオンラインとオンサイトで分かれて行われました。オンサイトに関しては感染予防対策に最大限配慮した形で行い、オンラインのグループもディスカッションしやすいように工夫をしました。

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今週のディスカッションは中村哲先生が用水路建設を始められて以降の時期に注目して行われました。TAと鏑木先生で考えたいくつかのディスカッションテーマの内、「灌漑事業を行うというのは、医療をされていた中村先生にとって未知の世界だったと思いますが、その挑戦をできた理由は何だと思いますか?」というものを共通テーマとし、もう1つはグループごとに話し合いたいテーマを選ぶ選択テーマの計2つのテーマについて話し合いました。


【共通テーマ】
各グループで出た意見をいくつか紹介させていただきます。

「先生自身が専門じゃなかったからこそ、“無謀”とも取れる計画を思いつきやってみようと思えた。」

「旱魃の被害を目の当たりにして、強い怒りや憤りを感じており、それが原動力となった。」

「自分で解決することの価値を現地住民に伝えたかった。」

「思い通りにならないことが医療現場の状況と似ていたこと、目的のために手段を選ばない姿勢だったことによって挑戦できた。」

【選択テーマ】
・中村先生が、「ボランティア」という言葉 ではなく「現地ワーカー」という言葉をあえて使った理由は 何だろうか?

「ボランティアという言葉は「自分たち(先進国)の限られた視点での援助」という意味合いが強く、自己満足に陥る危険がある。一方、現地ワーカーという言葉は、「現地に根ざした視点での労働」という意味合いが強く、現地の人と同じ立場から協力して働いてほしいという願いが込められている。」

・中村哲先生は、「用水路建設は人々の生命線」だが、「水さえ送 れば済む問題ではない」(『天、共に在り』p. 141)と述べています。 これはどういう意味でしょうか?

「水ができた後に生き続ける人の生活も考えなければならない。人が暮らす街ができれば、モスク等が必要になる。伝統としての教育を受けられる場所を作りたかったのでは?」

グループワークの共有

授業の最後に、各グループでディスカッションした結果をグループの代表の生徒に発表してもらいました。オンラインで参加する生徒とオンサイトで参加している生徒の両方の発表を聞きやすくするために工夫をしました。

オンラインのグループの発表のときは代表の生徒にカメラをオンにしてもらい、画面共有でディスカッションのまとめを見ながら発表を聞きました。

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オンサイトのグループの代表の生徒にはスクリーンの横に移動してもらい、会場前方で発表をしてもらいました。

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共通テーマに関しては、違うグループの意見と自分たちの意見も照らし合わせることで新たな観点からの考えを知ることができ、選択テーマの発表を聞くことも、話し合ってないけれど中村先生について深く考えられるようになるいい機会になったと思います。

授業の中だけでなく、グループディスカッションのまとめを九大の生徒が課題を提出するmoodleというサイトで見れるようにしており、各グループの意見を見ていつでも復習できるようにもしています。

次回の授業について

次回は最後のグループディスカッションになります。ディスカッションの内容は、「来るべき時代に中村哲先生の志を繋ぐ」というものになっており、現代の世界が抱える問題に中村哲先生ならばどのようなアプローチをするか?や、中村哲先生の生き方を学んだ我々に何ができるか?という観点からディスカッションを行います。難しいディスカッションになることが予想されますが、今まで学んだことを生かして活発な議論を行ってもらえるように、TAもサポートしていきたいと思います。

次回の記事も是非ご覧になってください!


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