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胃癌の化学療法(医療従事者向け)

CEA, CA19-9は病勢評価に頻用される、診断には適していない
約20%の症例でHER2遺伝子過剰発現が認められ、トラツズマブ適応のために免疫染色とISH法を用いたHER2検査が行われる。

■術前化学療法
欧米では周術期(術前+術後)に化学療法を行うのが標準治療となっている
本邦では周術期化学療法の優越性は示されていない

MAGIC試験:エピルビシン+シスプラチン+5-FU(ECF療法)
FLOT試験:ドセタキセル+オキサリプラチン+5-FU+ロイコボリン(FLOT療法)→つまり、FOLFOXにDTXを乗せるレジメン
FLOT療法が欧州の切除可能進行胃癌に対する標準治療となっている、忍容性に問題があればFOLFOXが行われる

JCOG0405試験:大動脈周囲リンパ節転移かBulky N転移(CA, CHA, SpA, PHA周囲リンパ節、SMV前面リンパ節で、長径3cm以上もしくは1.5cm以上が隣接)の症例において、術前S-1+シスプラチン(SP療法)を2-3コース施行
JCOG0501試験により、術前SP療法に生存期間の上乗せ効果が認められず、推奨されないと結論づけられた

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