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紅麹問題の真実とは!?

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
連日ニュースで騒がれている、小林製薬の紅麹問題ですが、日本腎臓学会が中間報告を企業や会員医師向けに出しています。

この様な情報がなかなか公にされることは無く、内容も専門性が高過ぎる為に、メディアでも紹介されることがほぼありません。
要点だけ引用させて頂きますと、

日本腎臓学会に報告されている(紅麹サプリメント内服と関連があると推測される)症例としては、3月31日時点で47例(以下カッコ内はDr.Kが追記)

腎機能低下は、被疑剤(サプリのこと)の中止だけである程度改善する傾向にあり、
尿所見、電解質異常は約3/4の症例で改善していますが、
改善に乏しい症例もあり、注意が必要

治療として透析療法を行ったのは2症例のみで、
1症例は透析から既に離脱しており、
維持透析に移行した症例は2023年3月以前に紅麹コレステヘルプを服用は中止しており、腎生検を受け糸球体腎炎の経過に矛盾しないため、主治医からは「サプリメントとの関連性は低い」とコメントされています。

企業による死亡例の発表がなされていますが、
学会としてはまだ情報を持ち合わせておらず、
本アンケートでは死亡された方はおられませんでした。

と言うことです。

もともと腎臓や肝臓に病気のある人が、薬やサプリメントを使う場合には、検査値や体調を慎重に観察する必要がある、と言う当たり前のことも再確認出来る内容だと思います。

小林製薬が厚労省に報告している内容では、
3月31日までに「紅麹原料」を含むサプリメントを摂取し入院している人が157人、医療機関を受診した人が786人確認され、死者は5人
と言う内容になっています。

専門団体による評価という意味ではとても貴重な中間報告だと思いますが、「死亡症例」の詳細も含めて、健康被害と紅麹コレステヘルプとの因果関係については、まだまだ今後の科学的な検証が必要です。

原因物質についても、ペブルル酸の可能性として報道がなされていますが、単純にクロマトグラフィー分析で検出された物質の中での可能性を指摘されているだけの段階ですので、今後厚労省が国立衛生研究所とともに解明を行うことになります。

それこそ市販サプリメントを徹底的にクロマトグラフィー分析すれば、意外とペブルル酸は検出される、とか言う状況になれば、全く状況が変わって来る訳です。衛生管理的にどうなのかは別問題として。

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