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医者は健康になる方法を知らない

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
SNSの医師アカウントで「医師は健康を守る」と言うことを発信している人がいました。とても純粋なのでしょうが、真実を書いた方が良いと思い、noteにまとめてみました。

一般的な保険診療を行なっている開業医や勤務医のほとんどは「病態生理と対処法」の専門家であり、どうしたらその様な病態生理にならない様に予防できるか、と言うところを実践したり指導している医師はほぼいません。と言うかそう言う知識は医学部でも学会勉強会でも学べないので、「バランス良い食事と適度な運動と適切なストレスケア」と言う抽象的なアドバイス(と言えるのか?)くらいしか出来ないんですよね。

特に癌治療を専門とする外科医の多くは、自分の専門の癌になり死ぬ、と経験的に言われており、「癌組織を切除した後に標本にしたりする過程で他の人より専門の癌組織に暴露するので、感染症なのかも知れない」と言う皮肉な仮説が冗談半分に言われるくらいです。

ですから「名医が教える健康」と言うのはあまりり過信しない方が良いです。もちろん専門分野の病気の病態生理や治療、生理学的な説明などについては信用して良いとは思いますけどね。

国や医学会が「予防」と言うことにフォーカスを当てる様になってきてはいますが、「頻回の検査で早期発見し治療をより早期から開始する」と言う方向性がほとんどで、本来の意味での予防にはなっていないのが現状です。

臨床から一歩身を引いて本気で病気予防や健康増進について向き合った経験のある医師は、本当に少ないと思いますし、様々な代替医療を知れば知るほど、「やっていることは現代医療と同じ」で、診察や検査、処置、使う薬剤やサプリメントが変わるだけであったり、特定の生活習慣を指導することがほとんどです。

もちろん、そう言うことで不調が改善する人達もいるので否定するつもりはありませんが、病気予防やパフォーマンス向上と言う目的を達成する為に大切なのは、最適解は人により違いますし、同じ人でも環境や時が変わればまた最適解は変わる、と言うことを理解した上で、自分の体と向き合い最適解を見つける、と言う自主的な意識です。
どの様な「食事のバランス」「運動の適度さ」「ストレスケアの方法」が最適なのかは、人により時により違うと言うことです。

そう言う意識を持っていても、風邪を引いたり食あたりしたり、怪我したりすることはありますし、自分も糖尿病ではありませんが中等度の近視であり、網膜剥離を両眼で起こしましたし、風邪を引いたりもします。帯状疱疹も再発しました。

網膜剥離など一部の病気については医療への早期受診と治療が必要ですが、そう言う時の適切な対処法を知っておくと、安易な医療受診や薬利用を避けることが出来ますし、回復も早められます。

健康や病気予防の為の情報を、東洋医学(アーユルヴェーダ、中医学、漢方)や整体理論、操体法などを学んだ結果、自分が多くの人に共通することとして言えることは、血液やリンパ液などの巡りを良くすること、酸素供給をより効率的にすること、日々積み重なる筋膜や腱の歪みを整えるとともに、筋肉に頼り過ぎない身体操作を日々意識する、と言う様なことかと思います。

それを実現する為に、様々な食事理論や運動理論、治療理論がある訳ですが、最適解は人により違うと言う意識を持っている人がコーチングや指導をしていれば良いのですが、「自分の学んで実践しているやり方が唯一無二の正解だ」と本気で信じてしまっている場合、効果が出なかったり逆に体調が悪くなった場合、「やり方が悪い」「言った通りにやらない」と言う様なことを言われたり、「好転反応」と言われたりすることもあります。

コレは医療においても同じことが言えます。病院では基本的に学会ガイドライン通りの標準治療が行われますが、最適解かどうかは人により違う訳です。
そこを匙加減で個別対応をする権利は個々の医師にある訳ですが、ガイドラインから外れた処置や処方をする場合には何か問題が起きた場合に医師個人の責任が問われます。
ところがガイドライン通りのことを行なっていれば、病院や学会が護ってくれるので、検査結果に対応した標準治療だけする医師も多かったりします。その様な医療であれば、AIで十分に対応可能ですし、極めて稀な病気も学習さえさせれば鑑別診断として瞬時にあげられるので、人間の医師より優れているとも言えます。とは言えAIに責任は取れないので、実際は検査結果の分析や鑑別診断はAIが提示し、医師はそれを参考にした判断をする、と言うことになるとは思いますが。

長生きはしなくて良いから、死ぬ直前まで元気に生きて苦しまずに亡くなる「ピンピンコロリ」であれば良い、とうそぶく人もいますが、実際、医療や介護の継続的な利用が必要な状態になってから亡くなるまで平均10年程度なのが現状です。
ピンピンコロリを実現する為には「自分で自分の健康管理をする」と言う意識を持たないと実現は不可能なんです。

基本的には日々自分の体や心と向き合い、軽い不調は自分で対処するとともに、どうしても無理な場合には医療や介護でサポートをしてもらい、早期に医療や介護のサポートが必要なくなる様に日々の生活改善を行う、と言う意識を多くの人が持てば、本当に医療や介護が必要な人に資源を投入出来るので、医療費削減につながります。

そんなことを言われても、自分は医療の専門家では無い、と言う声が聞こえてきそうですが、最初にお伝えした様に、「医師は健康の専門家ではありません」。他人に針を刺し血液を抜いたり薬液を注入したり、切ったり縫ったり、薬を処方する様な医療行為は医師にしか出来ませんが、逆にそれ以外であれば医師以外でも出来る訳です。

そういう事で最近、一般人を対象にしたヘルスコーチや健康アドバイザーを養成する講座が大流行していますし、一部では高額なコーチングも行われている様です。ところが、そのアドバイスがその人に合っているかは、どんな検査をしても分かりません。その人が体感で判断するしかありません。

医師で専門分野の臨床経験がいくら豊富でも、どんなに臨床の腕が最高であっても、病気予防や健康増進に本当に必要なことは知りませんし、中立的な説明やアドバイスをすることは難しかったりします。

そのヘルスコーチが教わったことを単にクライアントにそのまま横流ししてるだけなのか、或いは医師もいわゆる「専門バカ」では無い中立的なアドバイスができるかどうかは、その医師が発信している情報を読んだり、実際にzoomなどを使ったり実際に会って話をしないと分かりません。
自説以外を全否定する様な厳しい口調の人は、基本的に信用しない方が良いと思います。

病気への漠然とした不安を感じている方、病院受診しても特に異常無しとされるが不調を感じている方、或いは実際に治療院などを経営されており健康顧問医師のバックアップを希望される方、或いは家族ぐるみ、会社ぐるみで気軽に相談出来る医師があると嬉しいな、と言う方。
まずはお話をしてみましょう。

自分のサービスが合わない場合や、より適切なサービスがある場合には、有料相談や契約を押しつけることはありませんので、お気軽にご連絡頂けたらと思います。

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