見出し画像

ベアフットシューズは良いの悪いの?

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
ベアフットシューズを知っている人は、かなり健康意識の高い人と言えるでしょう。

ですが、ベアフットシューズは「履けば健康になる」と言う物ではありません。ベアフットとは素足の事で、薄いクッション性のほぼ無い薄い靴底の靴のことです。
一般的なクッション性の高い靴底で踵が高くなっている靴のことをベアフットシューズに対して「ドロップシューズ」と呼びます。

ドロップシューズは踵が高いので、ふくらはぎの筋肉をそこまで使うことが無く、クッションで足裏の負担も減らして歩け、体重移動も靴が誘導してくれるので、効率的に歩ける、と言うのが利点とされています。

しかし高性能なクッションによるブレと断続的な振動刺激で、膝関節、股関節、スネなどに疲れが溜まりやすく、人間本来の歩く機能が低下する恐れがある、と言うことも言われています。実際に、膝や股関節などの変形性関節症は、多くの人が靴を履く様になってから急増していることは、良く知られている事実です。

では、ベアフットシューズが良いのか?というと、そういう訳でもありません。
ベアフットシューズの良いところは、素足で自分の力で歩く場合と近いバランスで歩けること、と言えますが、一般的な西洋式の歩き方だと、ふくらはぎの筋肉を使って踵を上げ、足趾を使って地面を蹴って歩くので、足裏やふくらはぎに負担がかかることが大きな問題だと言うのが通説です。

では、やはりドロップシューズの方が良いのでしょうか?
いわゆる踵着地の西洋式の歩き方をするのであれば、ドロップシューズの方が良いですが、膝や股関節を傷める原因になります。
現代医療では、変形性関節症は「体の使い過ぎで軟骨がすり減った加齢性変化」と言うのが通説となっており、治ることは無く、酷い時には人工関節置換をするしか無いと言われています。

しかしながら、靴が当たり前になる前の日本人は、クッション性のほぼ無い草鞋(わらじ)を履いて3日で江戸から京都まで移動したりするのが、決して珍しいことでは無く行われており、膝や股関節の変形性関節症も、現代人より圧倒的に少なかったんです。

何が違ったのでしょうか。

端的に言えば、歩き方が全く違っていたんです。「踵着地で腕を振って足で地面を後ろに蹴り歩く」現代西洋式の歩き方とは全く違い、
「体が自然に前に出ていくのに合わせて足を浮かせて体の下でフワッと着地させ、地面を蹴らずに進む」と言う様な歩き方をしていた訳です。

体が上下に揺れたり、上半身と下半身を捻る様なことをしない、極めて効率の良い動きをしながら、地面を蹴らずに体が倒れ込む加速力を使い、踵着地でブレーキをかけず地面を蹴らないので、ベアフットシューズのデメリットとしての通説の様に、ふくらはぎの筋肉を使って踵を上げることもしませんし、足趾を使って地面を蹴ることもしません。

この様な身体操作を身につけた上でベアフットシューズを使うと、足裏やふくらはぎに負担をかけることはありませんし、膝や股関節への負担はかなり少ないので、変形性関節症のリスクも軽減できます。ですから、「ベアフットシューズを使えば健康になれる」と言うのは間違いであり、「足裏やふくらはぎに負担をかけずに歩く方法を身につける」ことが出来れば、ベアフットシューズでも疲れにくくなり効率的に動けるようになる、と言うのが真実です。

足指で床を掴みながら歩く、とか、土踏まずで歩く、と言う表現もありますが、実際に掴んだり土踏まずだけで歩くのでは無く、あくまでイメージです。

自分もコレを理解するまでは、足底筋膜炎になったり、踵周囲がカチカチになったり、坐骨神経痛になったり、ということを経験しましたが、ようやく膝や股関節に負担をかけない様な歩き方が少し分かりつつある状況です。

最期まで自分の足で自由に歩ける人生を送るためには、この様な身体操作を身につけることは、有効な選択肢のひとつだと考えています。興味のある人が居たら、ぜひコメント頂けたらと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?