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完成形に対するイメージと実際の仕上がりとのギャップを受け入れるマインドセットが必要

まぶた手術に受けるに当たって、最終的な仕上がりのイメージを患者さん自身があらかじめ正確に想像することは可能だと思いますか?

答えは「不可能」。

理由はふたつ。シミュレーションそのものが困難であること。
言葉を用いても正確に伝わらないこと。

まぶた手術は瘢痕をつくり、動きが制御されます。新しい動きに皮膚がどこまで追従するかは予測できません。
表情筋の緊張バランスも変化します。眉がズドンと下がってくることもあるし、その結果二重幅が狭くなることも。その結果目つきが強くなることも。

ほんの少しの表情筋の緊張が二重の仕上がり、目頭や目尻の二重のラインに影響を及ぼすのです。予想される結果のバリエーションは無数です。あえて申し上げれば1000通りくらいの結果が予想されます。
なので仮にモニター上で二次元の画像でシミュレーションしたとしてもその通りにはたいていなりません。

自分で鏡を見るときと人に見せるときの顔がまったく違う人もいるのです。そのくらいに、同じ仕上がりでも条件によって表情が変わるのです。

そしてね。仮にモニター上でドンピシャで予想ができたとします。それでも動きまではシミュレーションできません。

だから患者さんに言われることがあります。「先生がおっしゃっていたのはこういうことだったのですね〜。やっぱり私理解していませんでした…」

私の伝え方が稚拙なこともあるでしょう。言語化が難しい上、かりにうまく言語化できたとしてもそれを受け取って解釈するのは非医師である患者です。限界があるのです。

つまりね。術者が「赤い」と言語で発しても、受け取る側がイメージする「赤い」が異なるのです。

コレはとある設計士さんの話。

サンプルを見ながら壁紙の素材をチョイスする場面。顧客がまじまじとサンプルブックを覗き込んでそして決定する。最終的に仕上がった内装を顧客が眺める。「ああ〜こういうふうになるのか〜」と。サンプルブックを見るときの環境の色、明るさ、差し込む日差し、そして気持ち!。そして仕上がったときの壁のスケールはサンプルブックとまったく違う。つまり思い描いたイメージと異なるのは当然であり、このイメージギャップを受け入れるマインドセットが顧客側に必要なのだ。

いかに綿密に正確にシミュレーションしても、完成形とのギャップは必発。

まぶたの手術を受けようとしているあなたはこのことを十分に心得ておくこと。仕上がりは「成り行きで決まる」くらいの寛大な気持ちをお持ちになることをオススメします。

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