ミノキシジル内服薬の有効性

また、毛髪の話です。
現時点では、男性型脱毛症(AGA)に対してミノキシジルは外用薬のみが認可されています。

ミノキシジルには内服薬もありますが、その有効性・安全性を検証した小規模の臨床研究を紹介します。2019年にJAAD(アメリカ皮膚科学会誌)に掲載された文献です。

Jimenez-Cauhe J, Saceda-Corralo D, Rodrigues-Barata R, Hermosa-Gelbard A, Moreno-Arrones OM, Fernandez-Nieto D, Vaño-Galvan S. "Effectiveness and safety of low-dose oral minoxidil in male androgenetic alopecia." J Am Acad Dermatol. 2019 Aug;81(2):648-649. doi: 10.1016/j.jaad.2019.04.054. Epub 2019 May 2.

【概要・方法】スペインで行われた後方視的な研究。
被験者は経口ミノキシジル2.5mg/日 or 5mg/日を6か月以上内服した。
治療前後での評価は、3人の毛髪専門の皮膚科医によって、4段階(悪化、不変、やや改善、著明改善)で判断した。Norwood-Hamiltonスケールで1以上の改善を認めた場合に著明改善と判断した。41人の平均33.3歳(20-55歳)の男性の男性型脱毛症のうち、経口ミノキシジルを10人が2.5mg/日、31人が5mg/日内服した。

【結果】37人(90.2%)が改善し、うち11人(26.8%)が著明改善だった。4人(9.8%)が不変で、悪化した人はいなかった。
41人中16人は経口ミノキシジルのみで治療した(他25人は併用治療を継続ししていた)が、6人が著明改善を認めた。
副反応は12人(+内服中断1人)で認めたが、軽度で許容範囲内だった。
(多毛が10人(24.3%)、下腿浮腫が3人(7.2%%))

【結論】男性の男性型脱毛症に対する経口ミノキシジル5mg/日内服は有効であり、副作用も軽微であることから安全性も認めた。

【コメント】
AGAガイドライン2017年版では、ミノキシジルは外用薬の有効性が記載されています。ミノキシジルは発毛のためには重要な薬品であるため、エビデンスが増えてくれば治療方法の選択肢も徐々に広がるだろうと期待しています。

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